見出し画像

輪の外に自分を置くという孤独〜シャーロック シーズン3エピソード2

※ネタバレ的感想を含みます※

時々、BBC制作の『シャーロック』を観ている。
今回はシーズン3エピソード2を見た感想。
観終わって数日経つけれど、その余韻がなかなか消えない。

この『シャーロック』は本当に現代を生きているのでもはや原作の要素が残っているのかよくわからないのだけど、成り立っているので本当に面白い。
ジョン(ワトソン)との会話の応酬が毎回面白くて目が離せない。

前のエピソードが大きな分岐点だったから、今回はお遊び要素が強い、シリアスお休み回、お気楽会なのかな〜、と笑いながら観ていたけど、最後にぐっと暗度を落としてきた。

ホームズの孤独。

いつもの彼からは考えられないほどの社会性をめいいっぱい発揮して、がんばったね!シャーロック!!、と私も思ってしまうほど頑張っていた後の孤独。

彼は彼の才能を遺憾なく発揮する、かなりの部分ハラハラする言動なんだけど事件の真相に迫るとやはり爽快。謎解きものの醍醐味。
話が進むにつれ、彼の言動に翻弄されつつも限られた人たちが彼の周りに残って、温かく彼を受け入れて見守っているのを強く感じさせるエピソードだった。
ジョン、メアリー、ハドソンさん、モリー、レストレード。
原作のホームズからは「見守られる存在」という印象はまっっったく感じないのに
現代に生きるこのシャーロックはその特性故に理解され受け入れられることを必要とする存在に描かれている。
まさに、現代的だなぁ、と感じる。
そして視聴者である私もその見守る一員になってる、いつのまにか。

大役をなんとか見事に務め終えて、賑わう集いから一人な離れていく姿でドラマは終わる。
その姿が頭から離れない。
決して可哀想ではない。
彼らしい姿だから。
でも、どこまでも彼は彼なんだなぁ
彼の胸中にあるものと同質と思われるものが私の心の中にも残されている。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?