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【モダン】ルビーストームのススメ 6/20追記


0.自己紹介

初めまして、ワンチャンスと申します。10年ほど前には競技MTGにどっぷりでしたが、最近はカジュアル60:競技40くらいのスタンスで遊んでいます。
今回は先日発売されたばかりのモダンホライゾン3で大幅に強化された・・・いや、もはや新デッキと呼んでも差し支えないルビーストームについて書いてみようと思います。元々モダンの青赤ストームやレガシーのANTのようなストーム系のデッキが好きでよく回していたので、これまで培ってきたストームデッキの経験値と短い時間ながらもルビーストームを回してみて私が得たことを記そうかと思います。ルビーストームは少しずつオンラインでも結果を残してきていますが、まだまだ情報も十分に出回ってないと思うので暇さえあればお付き合いください。


まさか令和になってストームがこんなに強化されるとは・・・

1.デッキリスト

何はともあれ私のデッキリストをご覧ください。

サイドに少し白のカードがあるだけ基本的には赤単

マナ軽減カード(以下メダリオン)である<モンスーンの魔導士、ラル>や<ルビーの大メダル>からマナブーストと衝動的ドローをループさせ、大量に稼いだストームから<ぶどう弾>でフィニッシュするデッキです。
<モンスーンの魔導士、ラル>や<炎の中の過去>のおかげで一度回りだすと基本的に止まることはなく、3ターンキルが頻発します。
<発熱の儀式>や<捨て身の儀式>が2枚以上あるとうっかり2ターンキルすることも珍しくはありません。
また、<モンスーンの魔導士、ラル>は途中までメダリオンとして活躍しつつ、インスタントやソーサリーを6回以上プレイしてからは変身から即奥義を放つことでリソース回復に繋がります。
さらに、2体目以降の<モンスーンの魔導士、ラル>も即奥義状態になっているのでデッキ全部を唱えることすら可能です。

メダリオン+大量リソース獲得。しかも2枚目以降も無駄にならない。こんなことが許されていいのか。


デッキの内容はコンボの要であるメダリオン、マナブースト、衝動的ドローがほとんどです。衝動的ドローにも色々とありますが、2ターン目にプレイできる<レンの決意>や<無謀なる衝動>の他に、追加の衝動的ドローから最も軽い<書庫荒らし>もフル投入しています。<モンスーンの魔導士、ラル>を変身させるのが一つの目標になるので軽いカードを優先しています。

微妙にテキストが違うので注意が必要。どのカードで何をめくったのか区別しましょう。

それ以外はフィニッシュ手段である<ぶどう弾>、リソース回復手段である<炎の中の過去>、盤面に合わせて最適なカードを選べる<願い>が入っています。特に<願い>はメインボードから<血染めの月>をプレイしたり、うっかり出てきた対策カードすら対処可能です。

時には追加リソース、時には<血染めの月>、時には<ぶどう弾>、相手の対策カードへの回答にもなれる便利カード

土地にもこだわりました。このデッキは1ターン目のアクションが全くありません。したがって、一番強い1ターン目の動きは諜報ランドをプレイすることになります。したがって、諜報ランドに繋がるフェッチランドを大量に採用しています。これによってデッキの圧縮も可能となり、衝動的ドローが連鎖しやすくなります。マナが出る土地が5枚と少ないですが、メダリオンさえプレイできれば以降の土地は特に不要なので問題ありません。

1ターン目の最強ムーブなのでフェッチはたっぷり12枚

サイドボードはほとんどが<願い>のためのカードになります。
<巣穴からの総出>や<ぶどう弾>は状況に応じた勝ち手段です。特に<巣穴からの総出>はメダリオンを引きなかった時や対処された時によくお世話になります。
<炎の中の過去>や<不可能の一瞥>は<願い>から繋がるリソース獲得手段になります。
<血染めの月>や<月の大魔導士>はメインからプレイしてイージーウィンが狙えることもあります。
<静牢>は相手のサイドから登場するであろう各種対策カードをクリーチャーであろうが置物であろうが裏目なく対応できる素晴らしいカードです。サイド後も<願い>からサーチすることを踏まえて1枚サイドに残すべきか考えましょう。
<有毒の蘇生>はコンボが決まるかぎりぎりの時に非常に役立ちます。特に、<モンスーンの魔導士、ラル>が変身するかどうかの瀬戸際には少ないマナから<願い>で呪文が2回唱えられることは非常に重要です。

いろんな対策カードも<静牢>であれば1枚で対処可能

2.キープ基準

ここからはキープ基準について述べます。
大前提としてこのデッキは勝利するまでに一定数以上の手札を必要とするのでマリガンはしづらいです。だからこそしっかりとマリガンを見極める必要があり、最も練習を要する部分です。まずはお試しで構わないのでどんな初手までは許せるのか、自分の中で基準を持つことが重要だと思います。
マリガンについては私自身の中でもまだまだ研究の余地を残しますが、現時点で私は以下のようにキープしています。

ケース1 メダリオン無し

このデッキはメダリオン無しで勝利することはほとんどありません。したがって、メダリオン無しの初手は無条件でマリガン・・・ではありません。デッキ内にはたくさんの衝動的ドローがあり、<レンの決意>や<無謀なる衝動>は2ターン目に問題なくプレイできます。1ターン目に諜報ランドがおけることも考えると、先手でも3ターン目までに合計5枚見れます。3ターン目にさらに衝動的ドローをプレイできれば4ターン目までに合計8枚見れます。ここまで見れれば十分だと思っています。この場合、メダリオン以外を引いていることになるのでマナブーストもある程度揃っているのであれば3ターンキルは十分狙えます。
したがって、メダリオンがなくても2ターン目に<レンの決意>や<無謀なる衝動>がプレイできるのであればキープを考えます。残りの手札のバランスを踏まえて判断しましょう。衝動的ドローとマナブーストがあるなら十分キープできます。

ケース2 土地が1枚

このデッキは土地が少ないので土地1枚だけの手札はよく来ます。デッキのカードが全て2マナ以上なので土地1では完全に何もできません。しかし、土地1枚の初手でも、土地以外のカードにメダリオンがあればキープを検討します。特に、1枚の土地が諜報ランドに繋がるカードであれば2ターン目までに2枚見れます。多少2枚目の土地が遅れても十分勝機はあるので土地1枚キープを恐れすぎないようにしましょう。
余談ですが、土地の少ないハンドをキープする時のマリガン判断ですが、私は手札の好きなカードを1枚土地に置き換えて考えてみます。それで「強いハンド」になれば、「強いハンド」をリスクを背負いながらキープすると考えられます。これであればリスクとリターンが見合うかもしれません。一方で、1枚土地に置き換えても「普通の手札」にしかならないこともあります。これは「普通の手札」をリスクを背負ってキープすることになり、どう考えてもリスクにリターンが見合ってません。このデッキでも同じように考えて少ない土地でも積極的にキープできないか考えるようにしています。

3.小技集

ここからは思いつく限りの小技を記します。簡単なものも含まれているので知っている人も多いかもしれませんが、重要なテクも載せています。

マナ計算

まずは基本のマナ計算から始めましょう。このデッキを初めて回す人はマナ計算が大変に思うかもしれません。しかし、以下のように覚えると非常に簡単です。
1.メダリオン無しだと<発熱の儀式>と<捨て身の儀式>は+1マナ、<魔力変>は±0
2.メダリオン有りだと<発熱の儀式>と<捨て身の儀式>は+2マナ、<魔力変>は+1マナ
3.メダリオン有りだと<炎の中の過去>は合計4マナあれば墓地からマナブーストが使える。
特に<炎の中の過去>はなるべく溜めてから打ちたいと思うかもしれませんが、溜めすぎてマナが足りないということが無いように注意しましょう。

メダリオンを考えなしにプレイしない

このデッキはメダリオンに大きく依存したデッキです。したがって、相手はメダリオンを狙い撃ちしてきます。アーティファクトである<ルビーの大メダル>であればメインボードから簡単に処理されることはありませんが、<モンスーンの魔導士、ラル>は容易に対処されるでしょう。特に、2ターン目に<モンスーンの魔導士、ラル>をプレイしてターンを渡すと多くの場合即除去されるでしょう。これをケアするために、メダリオンを温存してコンボを始めるタイミングにプレイすることがあります。また、<モンスーンの魔導士、ラル>は除去に対応してインスタントを唱えれば変身して除去を交わすことができるかもしれません。除去を構えている相手には慎重にプレイしましょう。


<一つの指輪>への対応(6/20 一部追記)

<一つの指輪>を出されるとコンボを始めても勝利することができずターンを返すしかないと思っていませんか。もしくは、このデッキと対峙したトロンやアミュレットデッキの人は<一つの指輪>で1ターン稼いで勝負を決めようと思っていませんか。確かにこのデッキは<一つの指輪>の上から勝利することはできませんが、<願い>を使ってめちゃくちゃな盤面にはできます。具体的には、コンボをチェインさせていき十分なマナが揃ったら<願い>からサイドの<血染めの月>と<月の大魔導士>、<巣穴からの総出>をプレイします。2種類の月のもとに50体ほどのゴブリンが出るので返しに相手がこれらを処理するのは非常に困難でしょう。<一つの指輪>を出されてもコンボを始動させるかは一度検討してみましょう。

<一つの指輪>を出せたからと油断してませんか

(6/20追記)
<一つの指輪>は<錬金術師の計略>と<巣穴からの総出>で回避できました。

ただの<最後の賭け>かと思ったら「ダメージは軽減できない」というインクの染み最高の文言が入っていました。

<忍耐>のケア

このデッキは<炎の中の過去>を経由することが多いので相手がフルタップでも<忍耐>が怖いかも知れません。<忍耐>をケアする時は大きく2つのパターンがあります。

1.ほどほどにマナを残して<炎の中の過去>をプレイする
<炎の中の過去>は墓地が多い方が得なのでなるべく最後にプレイしがちですが、全力で回してから<忍耐>が直撃すると再起不能になります。これを回避するために、マナブーストや衝動的ドローが少し残っていても早めに<炎の中の過去>をプレイしてみましょう。もし相手が<忍耐>を構えているのであればここでプレイしてくるでしょう。プレイされなければ相手は<忍耐>を持っていないでしょう。<炎の中の過去>自身もフラッシュバックを持っているのでコンボを続けられます。

2.<マナブースト>を残しておく
マナブーストはインスタントなので、<炎の中の過去>に対応してプレイされた<忍耐>の解決後にプレイすることができます。そうすればプレイしたばかりのマナブーストがフラッシュバックを得られるのでコンボが続けられます。

3.<モンスーンの魔導士、ラル>に頼る
<モンスーンの魔導士、ラル>であれば<忍耐>に関係なくコンボを続けられます。<炎の中の過去>に頼り切らず<モンスーンの魔導士、ラル>の変身を意識してみましょう。

4.コンボ開始のタイミング(6/20追記分)

ステップ0 まずは一人回し

こういったデッキを初めて使う時、いつコンボを初めてよいのかわからないことがあると思います。特に、このデッキはコンボ開始の時点で完走まで確定していることがほとんどないため、迷うこともあるかもしれません。まずは、一人回しでもいいのでコンボ完走までの感覚をつかんでください。衝動的ドローがどれくらい連鎖するものか、マナブースト1枚だけで仕掛けていいのか等はあらかじめ基準を定めるにはあまりにも複雑です。一応、ラルが変身できるかなど明確な目安になりそうな基準もありますが、それすら判断できないケースも多いのでこればかりは感覚を磨く必要があります。

ステップ1 相手の妨害を想像する

ラルを除去するカードや各種カウンター、墓地対策も<忍耐>であればメインからケアする必要があるでしょう。相手のデッキ、浮マナから相手の妨害を想像しましょう。相手の妨害が想定されないのであれば基本的にコンボ開始です。

ステップ2 妨害をどう超えるか考える

例えば<呪文貫き>は少し待って土地を伸ばしてから仕掛ければ回避できます。インスタントを抱えれば除去からラルを守れます。墓地対策は<炎の中の過去>に頼らないルートを選択すれば怖くありません。こんな風に綺麗に回避できなくとも、少し仕掛けてみて対策カードを使わせるというテクもあります。他にも、サイド後であれば<オアリムの詠唱>を引くなども妨害の超え方の一つです。このステップはいろんなパターンを経験したことがあるか、経験が生きるところです。
ちなみに、「無視する」というのも一つの選択肢です。どう頑張ってもケアできないカードはあります。こういったカードはあきらめた方が勝率は上がるでしょう。

ステップ3 時間があるか考える

妨害の超え方を考えるとほとんどの場合で土地を伸ばして戦おう、ある特定のカードを引くまで待つという結論になりがちです。もちろん、待てるのであれば満足するまで待てばいいのですが、相手のクロックのせいで時間がないこともあります。また、相手がドロースペルを持ってるデッキであれば、こっちが整えている間に追加の対策カードを引かれてしまいます。どれだけ時間が残されているかしっかり考えましょう。

ステップ4 一番勝利期待値が高いタイミングを選ぶ

ここまでで時間をかけて対策カードを乗り越えるメリットとデメリットを比較できるようになりました。どちらが勝っているか判断して仕掛けるか待つか選びましょう。
結局は一番「勝利期待値」が高いタイミングで仕掛けることになります。例えば相手がカウンターを構えていそう+こっちがカウンターに対して無防備である。こういうケースでコンボを仕掛けるのは無謀に思えるかもしれません。実際の勝率も低いでしょう。しかし、ここで待つ選択を取ると相手にドローカードをプレイする余裕が生まれ、今以上に状況が悪くなることがあります。
このケースで一番勝利期待値が高いのは常に「今」です。相手がドローカードで手札を整える前に仕掛ける方がよっぽど勝率が高いです。「相手の妨害を乗り越えられないからコンボを仕掛けない」というのはコンボを仕掛けない理由として不適切です。「今より次のターンの方が勝率が上がるから待つ」、これが正しい考え方です。

おまけ まずは衝動的ドローから

手札的にコンボがつながるか迷ってるとき、衝動的ドローからプレイしてみましょう。<レンの決意>や<無謀なる衝動>は次のターンでも使えるので、めくれを確認してからコンボをスタートさせるか決めることができます。いきなりマナブーストから唱えるのではなくぎりぎりまで選択肢を残しましょう。

5.このデッキの倒し方

ここからは逆の視点で、ルビーストームを相手取った時の戦い方や効果的なサイドボードについて述べます。

このデッキを回せ

このデッキを倒したければ何よりもまずこのデッキを回しましょう。一人回しでも構いません。このデッキのキーカードはどれなのか、どういうタイミングで妨害を挟まれると厳しいのか、どんな対策カードが効果的なのか。実際に回してみてから考えるべきです。

メダリオンを狙え

このデッキはメダリオン無しで勝利することはほとんどありません。メダリオンはクリーチャーである<モンスーンの魔導士、ラル>とアーティファクトである<ルビーの大メダル>のようにカードタイプが違うので的確に対処するのは簡単ではないかもしれませんが、対処できる瞬間があれば絶対に見逃さないようにしましょう。

対策は置物>墓地対策

ルビーストームには<ドラニスの判事>や<真昼の決闘>、<減衰球>などの置物と墓地対策が効果的ですが、置物の方が特に効果的です。墓地対策は小技集でも述べたように<モンスーンの魔導士、ラル>を使えば回避可能です。また、置物の中でも<ドラニスの判事>や<真昼の決闘>は置物対策を探すことも制限するので非常に強いです。<減衰球>はトロン対策も兼ねるため便利なのですが、少しの呪文を唱えるだけなら自由に唱えられるので<静牢>を簡単に見つけられます。
また、<神聖の力戦>は<ぶどう弾>をプレイする前に<願い>から割られるので全く効きません。

<沈黙>や<オアリムの詠唱>はぎりぎりまでひきつけろ

もし、<沈黙>のようなカードを採用しているのであればぎりぎりまでひきつけましょう。具体的には<炎の中の過去>で墓地からほとんどのカードがプレイされ、十分なストームがたまり、そろそろ<ぶどう弾>で負けるというところまでひきつけましょう。一撃で再起不能にしてやりましょう。


終わりに

まだまだ書きたいことがありますが、週末のモダンの大会に向けて早く記事を書き上げるのが重要と思いますのでここで一旦閉めます。
時間があるときに色々追記しようかなと思います。
誤字・脱字もあれば随時修正していきます。

ルビーストームの強さは本物と感じているものの目立って勝つタイプではないと思います。まだルビーストームの強さが浸透していない今が一番勝てる時期なのでぜひこのタイミング遊んでみてください。
何か聞きたいことがあればXの方にコメント頂ければと思います。
感想などもコメント頂けると幸いです。
せっかく書いたからには多くの人に見てもらいたいとも思っているのでリポストしてもらえると嬉しいです。

以上です。
ここまでお付き合いいただきありがとうございました。



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