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Interview : Vanitas in June 2020.

スイートで憂いをはらんだ歌声と陰り揺らめくひんやりとした音空間。5弦ベースのダークで重厚なビートと、アトモスフィリックで美麗なシューゲイズ×グランジ影響下の多彩なギターワーク。下北沢・吉祥寺を中心に活動する若手バンドの中で異質に浮かぶ、「影」を表現する楽曲群。それは過ぎ去った記憶に向けてしたためる手紙のようです。3ピースロックバンド「Vanitas」からのテキスト。

▼Station▼

▽今日はよろしくお願いします。初めに自己紹介をお願いします

三月(トップ写真・中央):
ボーカルとベースの三月碧です。 趣味は、本や漫画を読む、映画や美術鑑賞など。 実家で猫を飼っています。名前は“にゃんにゃん”です。 

小嶋(トップ写真・写真右):
ギターの小嶋和明です。 趣味は怪談を聴くことと散歩です。 それと猫が好きです。猫を飼っています。名前はコロです。 

たかはし(トップ写真・写真左):
ドラムのたかはしけいごです。 スポーツが苦手でお菓子が大好きです。 実家で"プリン"という名の犬を飼っていますが、猫派です。

▽ベースボーカルかつ3ピースという編成はTHE POLICEやNirvanaなどロックバンドの理想的な形のひとつかと思います。Vanitasの楽曲には「spoil」のようなPale SaintsやSlowdiveを彷彿とさせる美しい楽曲が多くありますが、イービルなギターノイズや5弦ベースのフィジカルな強さも併せ持つ音楽性と存在感に強い個性を感じています。

▼spoil▼

みなさんはどのようなきっかけでバンドを始めたのでしょうか?また今のスタイルに至るまでに影響をうけたバンドやプレイヤーなどについてもお話いただきたいです。

三月:
音楽好きな母の影響で、幼少期にスピッツやQueenを聴いて育ち、バンドを始めました。 母は若い頃にバンドでボーカルをやっていたそうです。The BeatlesのSHE LOVES YOUなどを カバーしていたとか。昔から作ることが好きで、絵や写真などに手を出していたのですが、結局は自分に合った表現方法は音楽であるというところに落ち着きました。 「影響を受けたバンドやプレイヤー」は、自覚しているところでは不在です。 

小嶋:
僕がバンドを始めたきっかけはユニコーンです。 中学生の時にユニコーンが再結成をしてそれで聴いてみたら引き込まれてこれがやりたいと思い、 まずギターを弾き始めまして、 その後フジファブリックを聴くようになってそれもどっぷりハマってコピーバンドをやったりもしました。 ART-SCHOOLも好きでストレートなリフの繰り返しやフジファブリックのエフェクティブなサウ ンドの部分などに僕のプレイは影響されてるかもしれません。 

たかはし:
中3からコピーバンドなどをやっていました。 音楽業界の裏方で働いていた時に自分も表に立ちたいという気持ちが閉じ込め切れなくなって飛び出したのが本格的にバンド活動を始めたきっかけです。 学生時代は家に帰るとひたすら小屋に篭ってドラムを叩き狂っていました。 その頃に聴いていたアナログフィッシュ(今も大好き)からは多大な影響を受けています。常に新し い事をしていて教本のような感覚でコピーしていました。 なので斉藤州一郎さんが勝手に僕の師匠になっています。ちなみにセッティングはBeatlesや Holliesなど、60年代ロックの影響です。


▽全ての楽曲が日本語詞で歌われています。不安やつらい気持ちと対峙するようなヴォーカルと詞が合わさることで、何か昔の写真を見た時のような胸がぐっとする感情が呼び起こされます。僕は「僕らのミーム」がとても好きです。サビの最後、「すぐに体は砕けるね」と独白するラインとメロディーが耳に残ります。

▼僕らのミーム(soundcloud)▼

歌詞はどのような時に考えていますか?加えて、作詞を担当する三月さんの好きな日本語詞の曲や文学を伺いたいです。

三月:
ありがとうございます。 自分にとって歌詞は備忘録のようなもので、その時に感じ、思い、考えたことの集大成です。 すべてが特定の誰かに向けたものではなく、ほとんどが自分との対話です。 歌詞は詩ではないので、根本的には「歯触りのよい言葉をメロディーに乗せること」を考えて作っ ています。 作る上での考えを話すと果てしないので、ここまでにします。 好きな日本語詞は、Analogfishの下岡晃氏、andymoriの小山田壮平氏、たまの四人が書いたも のですね。 文学では、江戸川乱歩、太宰治、夢野久作、宮沢賢治など。寺山修司や三島由紀夫も好きです。(敬 称略) 沢山あります。 

▼spring(apple music)▼

▽みなさんのライブに遊びにいって気になっていましたが、エフェクターやドラムの金物など機材のチョイスがかっこよく、迫力と個性が光るサウンドデザインの秘密がかなり気になっています。皆さんそれぞれの、Vanitasに欠かせない機材を 紹介いただきたいです! 

三月:
freedomの五弦ベースは、弾きやすい上に鳴りもよく、非常に気に入っています。 Bananana effects ABRACADABRAというリバーブを飛び道具として使用しています。 

小嶋:
僕は空間系のエフェクターです。 特にリバーブで、殆どの曲でリバーブを使用してます。浅いのから深いのやシンセのような音を使 い分けたりしてます。 曲ごとだけでなく一曲の中でその種類を切り替えたりする時もあります。 歪み系のエフェクターで音のグラデーションを作りもしますが、今のところは何種類かのリバー ブの切り替えによってギターサウンドに変化をつける事が多いです。 なので僕にとって空間系、特にリバーブのエフェクターは欠かせない機材となっていますね。

たかはし:
欠かせない機材はライドシンバル(istanbul agop signature 22")です。ゴワッシャー ンって音が出ます。これが無いと恐らく曲の雰囲気を最大限に盛り上げられないのではと思って います。


▽コロナの影響で人が集まるのが難しい状況が続いています。そんな中ですがバンド活動を続けるために、データのやりとりやオンライン通話など様々な工夫で創作活動をするバンドがたくさん出てきています。それだけ病みつきになる魅力がバンド活動にはあると思います。みなさんが思うバンドの魅力を教えてください。

三月:
白紙から曲の構想を練る行為は孤独的です。 しかし、バンドメンバーと編曲を進めることは、まるで手紙のやり取りのようで楽しく思えます。 彼らの解釈で返事をしてくれる。 そこから派生する新たな発想から、Vanitasという作品が構築されてゆくのだと思うと、バンドで やることの魅力が感じられます。

小嶋:
皆で演奏して一つのものを作り上げてく事に魅力を感じます。 曲には歌と楽器演奏のひとりひとりの力が込められているのでそれがうまく噛み合って完成した 時の気持ちを味わってしまうともうやめられないです。 あと常に変化があるというところが病みつきになります。 出来上がったものでも新たな発見や気付きが生まれたりしてそこからまた変わっていく事もあっ たり、ある意味完成しても完成してないみたいな一生追い続けるみたいなところにも魅力を感じます。

たかはし:
僕は、新しい曲が送られてきた時にバンドをやっていてよかったなぁって毎回思いま す。この曲をみんなで肉付けして完成させるのか、と思うと見える景色が華やぎます。 1人でドラム叩く事も大好きですが、世の中に無いものを作る事はまた別の喜びがあります。

▽最後に読者のみなさんへメッセージをお願いします!

三月:
読んでくださった皆さま、機会を与えてくださったいっきさん、ありがとうございます。 夢をみる間もない生活を、Vanitasが抱擁できるならば幸いです。またお会いしましょう。 

小嶋:
最後まで読んでくれたであろう皆様、嬉しいです。ありがとうございます。 これからも僕らVanitasを宜しくお願いします。

たかはし:
新しい音楽を聴かなくても、学生時代に聴いていた音楽などを懐かしんで聴いている だけでもきっと足りてしまうと思います。 でも一歩踏み出してみると価値観がひっくり返る出会いがあるかもしれません。 ここで会ったのも何かの縁ですし、Vanitasの世界にも是非足を踏み入れてみませんか。 明日の景色が少し違って見えるかもしれません。 ありがとうございました!

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※視聴期間はライブ配信時間の当日19時より終演までとなります。

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