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日本へ来た難民

皆さんは母国から逃れた難民がどこへ行き、どこで受け入れられているのか知っていますか?

ドイツ、フランスをはじめとしたヨーロッパの国々というイメージを持っている人が多いのではないでしょうか?

難民受け入れランキング、実は、、、

1.    トルコ     370万人
2. コロンビア 170万人
3. パキスタン 140万人
3. ウガンダ  140万人
5. ドイツ   120万人
(UNHCRグローバル・トレンズ・レポート2020 *1 より)

となっているんです!!
難民が発生した周辺国での受け入れが多く、過酷な状況に置かれています。
国際的な支援が必要ですね。

では、日本はどうでしょうか?
耳にすることは無いですが、日本にも難民がやってきています!
それなりの申請はされていますが、日本は難民条約を批准した国であるにも関わらず認定率がとても低いのです!

令和2年度の
・難民認定申請者数は3936人
・難民認定手続の結果、難民と認定されたのは47人

・他に日本人との婚姻などの理由を含み、人道的な配慮を理由に日本での在留が認められたのが44人
・結果、日本での在留許可を得たのは合計91人にとどまりました。*2

日本は他国よりも認定基準や公平性・透明性のある手続き、そもそもの受け入れ体制が不十分である等の理由で認定が厳しくなっています。
例えば、入国管理局が難民を「保護する」より「管理する」という視点を持っている、「難民」「迫害」の解釈が狭い、難民であることを立証する基準が高いなどの要因があります。*3

加えて、日本で難民問題が十分に認知されていないことや、難民受け入れに関する誤解や偏見によって、制度改革が進んでいないとも考えられます。

また、難民申請をしてから結果が出るのには時間がかかります。
結果を待つ間、難民の方々は厳しい生活が強いられることとなり、最悪の場合在留資格がないと入国管理局の施設に収容されてしまう可能性もあります。*4 入管施設は、そもそも送還が決まった人の出発前の一時的な滞在を前提とした施設です。しかし、実際には送還の目処が立っていない人が、期限もわからず、収容されています。そのため、危険のある故郷への強制送還の危機に晒されながら先の見えない生活することになります。過度のストレス職員からの圧力万全でない医療体制への不安などと隣り合わせでの長期の収容生活は想像を絶するほど過酷なものです。

しかし、日本の難民受け入れの歴史を辿っていくと既に多くの難民を受け入れてきた経験があります。昭和50年(1975年)4月末に旧南ベトナム政権が崩壊したことによりボートピープルが流出し、その年は9隻126人、翌年には11隻247人、その翌年には25隻833人、その後4年間は毎年1000人以上を受け入れ、合計1万人以上を受け入れました。*5
その出来事が1981年に難民条約に加入する理由にもなりました。



難民と聞くと「遠い海外の話でしょ?」と感じてしまうのは、現状の日本社会においては仕方のないことなのかもしれません。

しかし、

身近な所にも難民がいること、助けを求めている人がいることは事実です。

この記事が少しでも日本に暮らす難民のことを考えるきっかけになったら幸いです。


こちらの記事もぜひご覧ください。



<参考>

*1 UNHCR「数字で見る難民情勢(2020)」

*2 出入国在留管理庁「令和2年における難民認定者数等について」
    (令和3年3月31日発表)

*3 難民支援協会「日本の難民認定はなぜ少ないか?-制度面の課題から」

*4 難民支援協会「難民を知る」

*5 外務省「難民 国内における難民の受け入れ」


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