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難病患者の支援の構造とは

第28回 職業リハビリテーション研究・実践発表会の分厚い発表論文集がとどきました。


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どんな発表がエントリーされているのかにより、時勢の傾向やトレンドが映りこんでまいりますが、
昨年は項目がなかった難病の項目が復活、(ONEも昨年はエントリーしませんでした)

エントリーは、その枠では、春名先生とONEの2エントリーでした。
今回は、事例ではなく、統計的な話から、実際に統計上の課題にふれ、故に、次に調査が必要になる観点、その視点について書かせていただきました。

次につながる重要な統計上の観点かと思われますが、現在は、ハローワークから出される統計の中は、三障害の観点から統計がまとめられているため、すぐに難病患者の就職者の状況を把握できる数字がありません。実際の数を社会が共有できるようになるためには、あちこちに分散されている難病患者の支援者数を統計上まとめる必要があるため、その点について記載を少しさせていただきました。

若年性認知症が2つほどエントリーされている点に、傾向を感じましたが、
じっくりと読み込んでのち、最近の傾向なと、あらためてまとめてみたいと思います。

既存の就労支援機関での手帳を所持されていな難病患者の登録者数が0.4%と著しくすくない状況の要因とは。今回はその要因にまで触れていませんが、
統計上の数字をいろいろな観点で見ていきますと、
患者はいますが、障害者就業・生活センターが利用できる機関という認識が持てていない。知らない方が多いという側面。なぜ認知されていないかのか?という点では、利用している方が0.4%であるため‥‥支援機関は患者のニーズが少ないと思われている側面がありますが、
アンケートいたしますと、支援機関の存在が


①知られていない
②認知されていない

という結果が出てきます。
つまり、ニーズが
掘り起こされてない状態ともいえます。

しかし、支援関係者の方々にうかがいますと、「対象者が少ない」という認識になり、
全体像としては、難病患者の就労支援のぐるぐるスパイラル状態…

一般雇用就労される難病患者の登録者は少なく、利用者がいないため、口コミもsns上の情報も増えてはいきませんので、知られません…。
障害者就業・生活センターは、実質100人中0.4人しか、手帳を所持していない方が利用されていない統計からも、一般雇用では機能しているとはいいがたい状態になっています。
(都道府県により、一部の地域では人員、取り組みが異なるため、一般雇用で就労する難病患者の支援をしているケースがございます。)
障害者職業センターも、一般雇用での就活や定着支援の部分には入り切れていないのが現状ではないでしょうか。

すると、そこにはだれもいなくなることになります。


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しいて言うと、難病患者就職サポーターがいますが、
神奈川県で指定難病患者約56000人に対して、2人。障害者総合支援法対象疾患患者も相談対象に含まれますので、さらに相談対象は膨らみます。
また、場合により、指定以外の難病患者の相談も受けている都道府県は、さらに対象者は増えます。
千葉県は4万人台を1人体制
東京都は9万人台を2人体制です。

雇用開拓や定着支援…数色者増えるほどに、業務は増えますが、
先に書いた支援機関のバックアップが一般雇用では実際には難しい事実を踏まえたとき、
どうしていくのが、現実的であるのか。
まずは、実際の現実的な統計を見える化し、
把握することが重要ではないかとONEは考えております。

対話と調査、共有する機会や場、ネットワーク、たくさんの議論、セッションを重ね、多種連携、官民連携ネットワークのなかで、
必要な仕組みを共に考えてゆければと思います。

難病患者の就労支援、就活、働く準備、書類作成、使えるサービスや支援機関、整理の仕方等、難病患者の就活について、当事者の皆様をイメージしながら、元難病患者就職サポーター、リワーク支援、医療現場での支援の体験と実践に基づいて書かせていただいています。