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かもめが教えてくれること

かもめが気持ちよさそうに空を飛んでいる。
いや、気持ちいいと思うのは人間の視点であって実際は大変なのかもしれない。
ずっと観察をしていると、羽ばたかずに止まったままうまく気流に乗ってすいすい進んでいるかもめ、同じ条件なのに風に押されて進めていないかもめ、一生懸命羽ばたきながらも進んでいないかもめ、がいることがわかる。
後者に限って泣いているので子供なのだろうか。

その違いはきっと気流をうまくつかめるかだと思う。
羽ばたきは推進力に過ぎなくて、気流にさえ乗れれば最小限の力で遠くまで行ける。
かもめにおいてうまく飛ぶために、それは経験と技術であるような気がした。
失敗を経て学んでいくこと、羽の傾きを風に合わせて微調整すること。
人間にはピンとこない気流だけど、それはあながち自然の摂理として真っ当であるような気もした。

お正月の凧上げもそれ自体は動いていないのに空中で安定しているし、飛行機も上下運動や方向転換は羽の傾きで調整されている。
きっと海や川の魚たちも同じような原理だろう。
もっともサーフィンが一番身近でいい例かもしれない。

気流や海流、自然に流れているもの、人間社会に当てはめると歴史の流れや時代の流れといってもおかしくはない。
言葉そのものの概念や人々の価値観は時代によって常に変化し続けている。
世の中に求められること、必要とされること、一人の意志とはまた違ったところで大衆の総意としてそれぞれの時代性が出来上がっていく。
その流れは誰にもコントロールできないもの。

新しい技術ができると、新しい流れが生まれる、新しい風が吹く。
スマホの登場で大きく変わったコミュニケーションで、個人の活躍できるチャンスが一気に広がった。
YouTubeが得意な人、インスタが得意な人、それぞれの特性に向いてる人がその環境とうまく適合することで時代の流れに乗ることができる。
それはきっとかもめが空をすいすい飛んでいるのと同じように、そんなにジタバタせずとも掴めた流れのようなもの。
もちろんそこに至るまでの失敗や技術が必要なものの、個人の特性や性質と環境が一致するだけで誰にでも流れにのることはできると思う。

人生の成功は運とタイミングによるところも大きい。(成功の定義にもよるけれど)
次に吹く風をうまくつかむためには、自分の特性をしっかり理解し準備をして待つことしかできないんじゃないだろうか。
それでも風が来なかったら風のある場所に行けばいいのだ。
向いてないことを無理して伸ばすより、風を探すことの方が重要だと思えた。

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