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巡礼の旅

穢れ

 身に纏わり付いた穢れを払いたい一心で巡礼の旅に出る。これが大方の人の心情であり、巡礼の目的がそこにある。生きていれば否応無しに粘着するそれら穢れと共に歩むことが当たり前になっている自分に、今更のように気づく時がある。思い出せば赤面する、穴があったら入りたい気分にさせる、消し去りたい過去、あの頃の自分を叱り飛ばしたい、懺悔の思いが波のように繰り返し迫りきて自らを追い詰める。その居た堪れなさから逃れたい。

巡る

 巡礼の基本は巡り礼拝をすること。ただ廻るのとは違いがある。巡る箇所・コースによって目的の違いがあったりする。
 巡礼で有名な四国のお遍路がある。極楽浄土は海の向こうにあるという教えから、極楽浄土に近い場所、海に近い陸地の遍の路を行き、そこの霊場を巡り祈りを捧げる。そんな信仰からの巡礼である。
 西国三十三所巡礼というのが近畿にある。これは西国観音巡礼とも言われ観世音菩薩に救いを求める信仰に由来する。菩薩は三十三身に化身しあらゆる衆生の苦しみ悩みを救い、人に安心を与える仏であるから、縋る思いで祈る。
 また、河泉地蔵尊巡礼がある。地蔵菩薩を祀る二十四所の霊場を巡り祈る。親より早く亡くなった子供は理由如何に拠らず地獄へ落ちるという教えがある。子供を守ると言われる地蔵菩薩は唯一地獄へ行き子供を救える仏。

朱印帳

 巡礼に必要な用具はいろいろあるが、最近は厳密に絶対必要だという物はなくなっている。常識的に数珠は必要だとして、お参りした証や納経の証として御朱印をいただくには、朱印帳が必要である。お寺によっては、一箇所でこの巡礼の札所としては何番だが、この巡礼の札所としては何番というのがあって、巡礼によって御朱印も別に書いていただけるので、どういう目的の巡礼で来れたのかと尋ねられる場合がある。私など顔を覗かれて「ボケ封じですか」と尋ねられたこともあった。

巡礼アプリ

 前項で書いたが、四国お遍路なら八十八所、西国観音巡礼なら三十三所、河泉地蔵尊なら二十四所、などそれぞれ二、三日で巡れるものではない。何ヶ月も何年もかけて満願に達する。札所の番号順に巡ることがほとんどなく、あとどれだけの札所が残っているのか分かり難くなる。そんな時に思いついたのが「巡礼アプリ」だった。
 表示例を見ていただいた方が早いと思う。予め札所霊場の名前や場所は記入されています。いつものようにこの画面一つで完結するアプリです。巡礼日を記入して、チェックを入れると下段に移動します。

記録の例

 上記の例は河泉地蔵尊巡礼のアプリ例だけれど、巡礼のコースは全国各地にある。そこで、もしどなたか希望があれば、指定された巡礼のアプリを作成してアップしたいと思う。それが個人のアマチュアプログラマーの利点であるわけだから。と言いながらそんな注文はまず無いだろうなと思っている。

河泉地蔵尊巡礼


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