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鰻と兎と上着

A:銀シャリの鰻とさ。
B:鰻さん、な。何だよいきなり。
A:ロングコートダディの兎とさ。
B:兎さん、な。だからどうしたんだよ。
A:「鰻と兎と上着」て番組企画しようとしたのよ。
B:ええ、よわ。
A:そんなん言ったら二人に悪いだろ。
B:ちがうちがう、企画の話よ。
A:あそう。上着つってもいろいろあるじゃん。
B:ジャケットやらコートやらね。
A:そうそう、だから上着の歴史とかも調べてさ。
B:ほう。
A:たとえば、あれ知ってる?よくコートの肩にピロピロってついてるじゃん。
B:ああ、何か飾りありますね。
A:あれの名前。
B:いや……名前はちょっと。
A:エポーレット、ていうんですよ。
B:ふうん。
A:ね。
B:ね。じゃねえよ。
A:え?
B:いや、「ふうん」としかならんだろ。その意味とか役割を教えてくれよ。
A:それはまあちょっと忘れちゃったんで、気になる方はご自身でお調べなさったらよろしいかと。
B:なんだそれ、モヤモヤするわ。
A:違うのよ、それより。
B:ええ。
A:そんな感じで上着について調べて、番組の特集とかコーナーとか考えてたの。
B:おお。
A:でもね。
B:何さ。
A:兎は芸名なんだって。
B:あそうなの。それは知らなかったわ。
A:彼は高橋というらしいよ。
B:ふうん。
A:ね。
B:だから、「ふうん」としかならないことを言うなよ。
A:いや、えとね、なんだっけな。たしか「舞台で一番跳ねるように」で兎とかって意味があったはず。
B:うわ、追加情報も大したことないパターン。
A:欲張るなってことよ。
B:うるせえわ。
A:この話をまとめると、「うなぎ」と「うさぎ」と「うわぎ」という番組を企画してたら「うさぎ」に「うらぎ」られたというね。
B:それ言いたかっただけだろ。

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