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音大生だって頑張っている。

趣味で声楽をされている20代男性社会人の方の
コンクールの伴奏をさせていただいた時、
音大生の日常について聞かれました。

平日も休日も、もっぱら練習。
週一回のレッスンに追われ続ける日々。
年に2回ある実技試験の直前は
プレッシャーで心が病んでしまう。
一日中練習するので
呑んだくれることもなければ
遊びに行くこともない。

というような話をしたら

『え〜大学生なんだからもっと遊びなよ〜(笑)』

『大学生のうちに遊んでおかないとろくな大人にならないよー?(笑)』

『練習ばっかしてないで肩の力抜いたらー?(笑)』


『卒論ないの?!それで大卒だもんねー?!
 いいねー?!(笑)』

と言われたことがあります。



人生の先輩の言葉ですから
どれも正しいのかもしれません。

もっと歳をとってから
大学生のうちに遊んでおけばよかった!
と思う日が来るのかもしれません。

もしかしたらその人なりに
私のことを思って言ってくれたのかもしれません。



でも!でも!!でも!!!!!!

どうしても
音大生を馬鹿にされたような言い方に
怒りが止まらなかったんです。

音大生の中でも下級中の下級の私でさえ
中学校の頃は、勉強×部活×ピアノ。
睡眠時間が足りず
寝ながらピアノを弾くことなど日常茶飯事でしたし
疲れ過ぎて熱を出したこともありました。

高校の頃は
昼休みのわずか1時間のためだけにみんなで練習室の取り合いをし
全て授業を終えたら
放課後は20時頃まで練習。
その後22時過ぎまで塾。
家に着く頃には23時過ぎ。

これでもまだ私は頑張れていない、と思うくらい
これ以上に頑張る人などごまんといました。


そんな時代を経て音大に来ている人がほとんどです。
みんな死にそうになりながら頑張ってます。
過酷です。

なのに
なぜか音大生は馬鹿にされてしまいます。

お嬢さま、お坊っちゃまが
綺麗なお母さんと
ハンサムなお父さんに囲まれながら
白くて綺麗な細い指でピアノを弾くイメージがあるのでしょうか?

思ったよりも、みんな泥臭いです。
根は体育会系です。


かなり感情を乗せて書いてしまいましたが
社会人で趣味で声楽をされている20代男性の方が
音楽の世界を知らなかったように
わたしも他の世界を知りません。

知らないことを責めたいわけでもなければ
がんばった自慢がしたいわけでもなく
(がんばった自慢もしたいけど!人間だからしたいけど!!がんばったねって言われたいけど!!!)

こんな世界もあるよ、
ということを書いてみました。

知らない世界の話を聞く時
否定から入るのではなく
ふんふん、それで?
と興味津々に聞いてくれる人が
わたしは好きです。

そういう大人になりたいです。

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