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ある日突然上司の名前が「現役マーケターが選ぶマーケター10人」に。その理由をひも解いてみた


日経クロストレンドの連載企画「マーケターの実像2021」。

「あなたが目標としている、尊敬している著名マーケターは誰ですか?」
編集部はマーケターにこんな質問を投げかけている。

足立光さん、音部大輔さん、森岡毅さん・・
そこには日本を代表するマーケターの名前が勢ぞろい。
P&G出身者など計10名の名前が挙がっていた。


そしてそこには私の上司の名前も・・


「!?!?!?!?!?!?」


青天の霹靂


ある社員がこの記事を見つけ、slackでその旨を共有してくれた。
当の本人はこのことを知らなかったようだ。

私たち社員にとってもまさに青天の霹靂。
社内は甲子園出場決定の一報を受けた公立高校のように湧いていた。


クライアントを前にした劇場型のプレゼン。
日々いただく手厳しいフィードバック。

彼女のキレッキレのキレを見続けてきた私は、
そのストイックさと進化のスピードに常に魅了されてきた。

「いつか越えてやる」

そんな淡い想いを抱いたのはもう何年前だろうか。
知れば知るほど、実力の差を思い知らされた。

そして、その差は今回の記事で決定的なものになった気がした。
「あかん、この人凄いと思ってたけどガチや…」そんな感じだ。


彼女を丸裸にする

先週彼女とたまたまmtgをしていた。
社員教育についてだ。

・管理職のレベルアップを図るには?
・事業/マーケティング視点で課題を見出す術とは?

私はその一つの方法として彼女を丸裸にし、
私たち社員が再現できる要素を抽出することを思いついた。

このソワソワした気持ちを落ち着ける為にも
今日はその内容をまとめてみる。華金の最高の使い方だ。
弊社社員には是非読んで貰いたい。


①街はバリ3で歩く

「バリ3」とは携帯電話の電波が最良の受信状態であること。
棒の形が3本立つ様子から90年代末にこう呼ばれた。

そう、話をしていると彼女は感度MAXで街を歩いているようだ。
表参道を歩く際はどのブランドが広告を出しているかを眺め、
道行く若者のファッションから昨今のトレンドを見極めている。

そして、気になったことに対しては仮説を立て検索までしている。
同じ風景から10倍の情報をとり、更に一歩踏み込むことで100倍の情報を得ている。そんな印象だ。

いきなりこれをやろうとすると情報に殺されそうな気がするので、
まずは気になったことを一歩踏み込んで、疑問を持ち、調べることをしてみたい。


②インプットは仕組化


彼女と話しているとその登場人物に圧倒される。一流だ。
会食・会合・カンファレンス。その交友関係はFacebookやinstagram等のSNSにも及ぶ。

どうやらここにも秘密があるらしい。
クリエイティブエージェンシーの代表や、コンサルティング会社の社長。
時代の半歩から一歩先を見据える人々のタイムラインから、自然とトレンドを読み取っている感覚があると彼女は言う。

庶民には真似できない部分はありつつも、フォローだけなら今すぐできる。
これはすぐにでもやっておきたい。


③顧客に憑依する


彼女から提案書のアドバイスを貰う際にしばしばこんな指摘を受ける。

「それじゃ買わない」
「ツボを押せてない」
「一気に気持ちを動かさないとダメ」

1人の顧客の視点に立った時に、シンプルにどんな反応が起こるか?
それを突き詰めて考えられていないと結局人は動かない、そういう指摘だ。

彼女は自身でもこれを体現する為に、ママ系商材を担当することになれば知人・友人へのヒアリングを怠らず、ビジネスマン向けの商材であれば電車に揺られながら彼らの生活動線に足を運ぶという。

インターネット調査では見えてこない、手触りのあるフィールド調査
顧客インサイトを突きとめ、ズバる(本質的なツボ押しポイントをズバリ言い得る)ことが得意な彼女は、ここの精度が格段に高いように感じる。

この手触りは何がしかの形で担保したい。そもそもスタッフィングにこの観点を持ち込むことが近道かもしれない。


④PDCAを爆速でまわす


早い。DDDDDDDDD。
仕入れた情報は即時再解釈。次の瞬間には自身の言葉で話している。

例えば2020年。コロナ禍でクライアント各社のコミュニケーション活動が軒並み中止に。そんな状況の中、1ヵ月で7つのオンラインソリューションを開発。手を打つのが抜群に早かった。

ベンチャー企業を創業期から支え、東証一部上場企業に成長させた圧倒的な当事者意識行動が成果を生むことへの揺ぎ無い信頼

これはもうやるっきゃない。そう思わされた。
考えたらやる。これだけだ。


⑤当てにいく


納品をゴールとしない。彼女は常に成果を見ている。
1つの仕事において爪痕を残す。チャレンジを決して忘れない。
クライアントにもその価値をきちんと伝え、どんな想定外があったとしてもやりきる。
それだけの意志と姿勢が見えるからこそ、クライアントも共にチャレンジすることを選択してくれる。

コミットメントが強い。という言葉では言い切れない「執念」に近い意志がある。一方で仕事は常に機嫌に。楽しそうだ。

解像度の高いゴールイメージが脳内にあり、早くそれを実現したい。
そんな様子で仕事をされている印象を受ける。

これはワクワク楽しんで仕事をやるしかない。
自分が目の前の作業に向き合うことで何を成し遂げ得るのか?
もし仕事に気持ちが入っていないのであれば、まずはその整理が必要だ。


マーケティングスキルを高める為の記事を書くつもりが、
すっかり根性論の羅列になってしまった・・
が、これもまた真理ということかもしれない。

まだ書ききれていない彼女のヒミツがあと10個はある気がする。
(丸裸にはできなかった)

ただ、これを眠らせておくのはもったいない。
プロの出番だ。
日経BPさん、是非書籍化をお願いします。


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