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「春ピリカグランプリ」朗読配信ウラ話/⑮「優しい彼」 作:ひよこ初心者

「春ピリカグランプリ2023」すまスパ賞受賞作品の朗読について、読ませていただいた感謝と作品への向き合いを綴っていきます。

今回も私のとっての難門!ひよこ初心者さん作の「優しい彼」についてです。

アンニュイ。
アンニュイの権化のような、29歳女性の心の内面小説ですよ。そりゃ思いますよね。
「これ、わたしが読んで大丈夫かなあ…」って。。。

私の妄想の中では、2人は同じ広告代理店の社員。
仕事ができて人当たりのいい高野隼人(ピアニストのかてぃんさんに近い名前ですね)はリーダークラスの先輩社員。3年ほど前の同じプロジェクトで距離感が狭まり、関係が始まってしまった。
主人公は「若手」という立場ではなくなりつつある今、目の前の仕事をこなしながら、なにかしらの転機が訪れる日をあてもなく待ち続けている。
…そんなイメージですかね。
日常を切り取る作品って、こうした「想像のスキマ」をいかに生み出してくれるかが味わいのポイントのような気がします。

この作品を朗読するにあたり、以下のような点を意識しました。
・タイトルコールはたっぷりと、すこしエッジ入れて。
・主人公の声は少しヌキ気味の気だるさ狙い。
・ハヤトの声は、年上感を出し過ぎると不倫感が強まるので、少し甘え気味で。
・罪悪感も執着も薄い、流され気味の主人公。
・「もうほしいの?」は全力w
・他人事のように、自分を捉える俯瞰の「わたし」。
・最後のシーンは、コーヒーカップを手に、見るともなしにソーセージに目をやる主人公。その目から零れる一筋の涙…というイメージで。

それぞれの作品に、それぞれのアプローチを試みる楽しみをいただき、感謝の極みですね。

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