【ひらがな争奪クリスマス演出バトル】「ADDvent」開催記録

この記事は「言葉遊び Advent Calendar 2023」の25日目の記事です。

メリークリスマス!
みなさん、クリスマスはどのようにお過ごしですか?

私は言葉遊びコミュニティ P:(ピーコロン)内で、このアドベントカレンダーと同じ期間の12月1日〜12月25日の間"ADDvent"という企画の運営を行なっていました。

アドベントカレンダーのようにひらがなを1文字ずつ獲得しながらクリスマスの飾り付けをしていくというもので、2チームが24日間でひらがな48文字を取り合い、最終的に豪華なクリスマスが演出できた方の勝利です。

企画のイメージ

この記事ではこの企画を1日目から振り返りながら、各チームがどのようなことを考えながら文字を選択していったのかを書いていきます。

本企画では次のようにチーム分けを行っていました。

名前の頭文字が「ひらがな OR 漢字」→チームA(赤色)
名前の頭文字が 「カタカナ OR 英字 OR その他」→チームB(緑色)

下の記事で会話の様子を紹介していますが、
赤い文字で名前が書かれているのがチームA
緑色の文字で名前が書かれているのがチームBの様子です。

大事な1文字目

さて、初日はその1文字だけで単語を作らなければいけません。
今後獲得する文字も意識して、指名の文字を話し合っていきます。

「き」は初手から「木」が置ける
「い」は漢語に使いやすい。
「り」「い」は「リース」と「ツリー」の両方に使えるので強そう。(長音は直前の母音扱い)

初日からいろんな議論が行われていきます。
さて、両チームが結論づけた最初の指名は・・・・

なんと初日から「い」に指名が競合する熱い展開。
ひらがな界最強文字は伊達ではありません。

使用文字が被った場合は抽選を行います。
※ 今回は抽選ルームというサービスを利用しました。

さて、1回目の抽選の結果は・・・?

最初の抽選はBチームが勝利。
敗れたAチームは「木(き)」を置くために「き」を選択、「い」を手にしたBチームは「飯(いい)」のイラストを選択しました。

1日目はクリスマスとは程遠いシュールな状況。

記念すべき第1日目のアイテムが決定しました。ここからどのようにクリスマスが作られていくのか、さっそく楽しみです。

戦略と読み合いの序盤

さて、文字を入手した事により、次に何の文字を獲得するかに戦略が生まれてきます。

自分の手持ちの文字と結びつけて何が手に入るか。

作れる単語より利便性の高い文字を取ることを優先させるか。

取りたい文字を狙うか、相手が狙いたい文字を予想して妨害しにいくか。

※宣言順が戦略に含まれないよう相手に見えないところで指名するルールに変更しました。

両チームで熾烈な読み合いの元、2日目の指名文字が決まりました。

Aチームは「ん」を相手が取らないことを予想して「り」を獲得。
Bチームは「り」を相手が取らないことを予想して「ん」を獲得。
お互いがお互いに意表をつかれた形になりました。

りは(文明の)利器しか置けないと言っていたBチーム

これでAチームは「き、り」、Bチームは「い、ん」を手にしたことになります。一見クリスマスパーティらしいものは作れなそうですが…

きりり:キリンビバレッジから発売されているオレンジジュースの商品名
酝(yùn) :中国の文語文で「酒」の意味

そこは言葉遊びサーバーのメンバー。上手くそれらしい語彙を見つけてきます。このように、お互いの取りたいアイテムや相手の指名しそうな文字を読み合いながら両チームは順調に文字の獲得を進めていきます。


※くつういんちきの法則:「二文字以上の漢字の音読みは必ずクツウインチキのいずれかで終わる」という法則(参照)

このように6日目までに両チームは次の文字とアイテムを獲得しました

最初の6日間で早くも両チームがケーキを取得しました。
まだまだクリスマス感は薄いですね。

「ある男」をめぐる攻防

初日以降は指名が競合することなく、両チーム順調に文字を取得していきます。事態が動いたのは7日目、Bチームが「た」を獲得した翌日です。

6日目の指名と獲得文字

「ん」を持つBチームがさらに「た」を獲得したということは、あの「クリスマスには欠かせない髭が特徴の恰幅の良い男性」の獲得を狙っているようです。もちろんその男性とは…



「武田信玄」です。


いえ、Bチームが狙っているのは「サンタ」
AチームはBチームの狙いにに気づくことができるでしょうか。

気づいた。

なんとか「サンタコスの武田信玄が書き下ろされたソシャゲ」という発想力でサンタ狙いに気づくことができました。当然阻止に動きます。

サンタを狙うBチームと、防ぎたいAチームで「さ」の抽選。
その結果は・・・

ここはAチームが当選し、何とか「サンタ」の獲得を防ぐことができました。
続く8日も外来語に強い「る」で抽選が発生し、2日連続でAチームが勝利します。Bチームは2日連続で指名文字を逃す結果に。


何とか挽回したいBチームとしては、やはり「サンタ」は欲しい所。
別の方法のイラストを獲得することはできないでしょうか。
ここで、あるアイデアを閃きます。

そう、また「サンタコスの武田信玄」です。

GMは裁定を行います。

これは流石に認められませんが・・・

Bチームはここで「や→じいや」10日に「こ→コス」を獲得し、「サンタクロースのコスプレをしているおじいちゃん」のイラストを獲得することができました。和気藹々とした家族感が出ていいですね。

コスプレ武田信玄は時々人を助ける。

このようにして、12日目までに以下の文字とアイテムを獲得しました。


ちょうど折り返しで五十音表も半分が埋まりました。
文字は揃ってきてますが残りもだんだん使いにくい文字になってきます。

あ行〜た行の使いやすい文字はかなり埋まってきた


進む国際化と人口増加

攻防が進む中で「サンタ」「ケーキ」のような単純な単語は置きにくくなってきました。中盤戦からは「置きたい単語をどのように言い換えるか」が戦略の中心になり、言語も国際化してきます。

ツリーに何としても星を飾りたいAチーム
取りたい単語のセットを取るにはどの文字の組み合わせがいいか考えるBチーム

またAチームでは「楽しいクリスマス」の演出のために次第に人数を増やしていく動きが出てきました。

「身寄り」という語彙、とても好き

一方Bチームもこの動きを見て、園児とじいやに加えて「親」を獲得。
ファミリーパーティーを形成していきます。

18日終了時点での取得文字とイラストは次のようになりました。

ここまでくると知ってる言葉の方が少ない。

Aチームが赤鼻のトナカイ(※)・ソリ・サンタクロースの3点セットを獲得。
対するBチームはもみの木、星、飾りを獲得しました。
いよいよクリスマスらしくなってきました。

※「ルドルフ」が2頭はおかしいと指摘があり、この後修正されました。

ラストスパート

クリスマスまでラスト1週間を切りました。
残された文字もあと12文字です。
ここからは、残りの文字を使う方法を頑張って探しながら、それぞれが目指すクリスマスのデザインを進めていきます。

家を整備するAチーム
ペットを増やしたいBチーム(ゑのこ=子犬)


そして、最終日の指名が完了し48文字全ての文字の所属が決まりました。
果たして、どのようなクリスマスが出来上がったのでしょうか?

まあ、これが残るよね。


できあがったクリスマスがこちら!

Aチーム

Bチーム

両チームともに初日からは考えられないほど
楽しそうなクリスマスイラストが出来上がりました。

企画の勝者はピーコロン公式アカウントの投票で決まります。
さて、投票の結果は…


結果はBチームの勝利でした!おめでとうございます。

まとめ 

24日間をかけてひらがなの選択とクリスマスの飾り付けを進めてきました。
両チームとも白熱した議論と圧倒的な語彙力で素晴らしいクリスマスをかざりつけることができました。

今回の企画を通しひらがなドラフトは思った以上に戦略性が高いことがわかり満足しています。必ずしも日本語でよく使うとされているひらがながこのルールでも強いとは限らないのが面白く、特に外来語開放ルールとの相性のいい文字はまた別にあるかもしれません。

また今後同じような同じような企画をするなら、次のような点で戦略性を変えるのも面白そうです。

・参加チームを3チーム以上にする。(抽選を外した時にペナルティが大きいので指名がより戦略的になりそう)
・「隣接している文字のみ獲得可」「同じ子音の文字は2文字まで」など指名文字を一定のルールで縛る。

最後に、1ヶ月間参加してくださった参加者の皆さんは本当にありがとうございました。今後もピーコロンでは様々な企画が開催されていくと思うので、もしこの記事を見て「参加してみたい」と思った方はぜひピーコロンにご参加ください!
公式アカウント


おまけ:企画時の会話。ぽんぽん決まって楽しい。

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