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Illustrator 画像書き出しのまとめ

Illustrator:④アートボードと画像書き出しの微妙な関係
アートボードの使い方でIllustratorの作業効率化を目指す「アートボード運用法」の第4回目です。今回はアートボードの運用法というよりもアートボードと画像の書き出し機能との関係をまとめたいと思います。
基本的にCC2020での挙動でお話しますのでよろしくおねがいします。
ちなみに最近アップデートされていますので最新バージョンになります。

制作物をjpgやpngなどの画像として出力することは業務でIllustratorを使っていると日常的にあることだと思います。CC2020では複数の画像書き出し方法があり、それぞれ書き出せるデータのタイプやカラーなどが異なります。アートボードに対しても挙動が「微妙」に異なっています。

〈 画像の書き出し方法〉
書き出す画像としてはjpg、png、gifなどのビットマップ系の画像を想定しています。書き出し方法としては

①スクリーン用に書き出し
②書き出し形式
③WEB用に保存(従来)

の3つがあります。順番はIllustrator「ファイル」→「書き出し」で表示されるものに従っています。

WEB用に保存(従来)
・「ファイル」→「書き出し」→「WEB用に保存(従来)」
・ショートカット「⌥⇧⌘Shift」
こちらは旧来からあるweb用の画像を書き出す事ができます。なのでカラーはすべてRGBカラーとなります。書き出せる形式はjpg,png、gifの3形式になります。この方式では選択しているアートボードのみダイアログより書き出すことが可能です。複数のアートボードを一括で書き出すことはできません。ただ「アートボードサイズでクリップ」のチェックを外すとオブジェクト全体で書き出せます。ですが使う機会はあまりないかなと思います。書き出す画像を切り替えるには一度ダイアログを閉じてアートボードを選択し直す必要があります。
 「WEB用に保存」の名の通り、解像度は72dpi、カラーはRGBカラーになります。これはaiデータのカラーモードがCMYKであっても強制的に変更されますので注意が必要です。
 また、画像サイズをもとのアートボードをいじらずに変更でき、保存形式などの各種設定をプリセットに保存することも可能です。

Illustrator_画像書き出しまとめ_1

書き出し形式
・「ファイル」→「書き出し」→「書き出し形式」
 こちらも旧来からある方式です。「WEB用に保存(従来)」と違いこちらの方法では書き出すアートボードを選択でき、複数のアートボードを一括で書き出すことができます。また「WEB用に保存(従来)」よりも多くの形式に対応しており、SVGやpdfなどのビットマップ画像以外のタイプでの書き出しも可能になっています。ですがGIF画像での書き出しはできなくなっています。また、jpg画像では書き出す際のカラーモードの選択も可能になっています。
 ファイル名はデフォルトで「データ名+アートボード名」。アートボードの名前を設定していな場合は末尾に「-アートボード01」「-02」「-03」・・・、とアートボードの番号が付きます。ちなみに一番目のアートボードのみなぜか「アートボード」が付きます。
 
 自分の中で「書き出し形式」を使う場合、注意する部分が2箇所あります。
 一つは、最初のダイアログの「アートボードごとに作成」のチェックを入れていないとオブジェクトすべてが1枚の画像で書き出されてしまうので注意が必要なことです。「書き出し形式」にはプレビュー表示がないので間違えた場合はもう一度書き出す必要があり結構イラッとします。
 二つめは、裁ち落としの設定がされていると基本的に裁ち落としサイズで出力されることです。これはダイアログ上で設定することができないので書き出し画像を見てから気がつくことが多く結構な手間です。なので自分は見本カンプとして仕上がりサイズの画像を出力することが多いので基本的に「裁ち落とし」の設定は0mmにしています。

Illustrator_画像書き出しまとめ_2

スクリーン用に書き出し
・「ファイル」→「書き出し」→「スクリーン用に書き出し」
・アセット書き出しツールよりダイアログを開く
 こちらはCC2017より実装された比較的新しい画像の書き出し方法です。
アートボードだけでなく「アセット」という登録したオブジェクトごとの書き出しも可能です。裁ち落としの設定からドキュメント全体、各種サイズ、解像度を指定しての書き出しもできます。ただし書き出せる形式は「png」「jpg」「svg」「pdf」のみとなります。この点は「書き出し形式」よりも少なくなります。
 またファイル名はアートボード名となります。頭にファイル名をつけたい場合などはダイアログの「プレフィックス」にファイル名を設定するか、書き出し後に手動で変更する必要があります。「プレフィックス」に設定した名称はデータを閉じても引き継がれるのでデータごとに設定し直す必要があり若干手間です。
 カラーモードは「スクリーン用」ということでRGBカラーのみとなりCMYKでの書き出しができません。(2020年6月 CC2020現在)PDFで書き出す際もトンボや規格などの設定はできません。
 ちなみにダイヤログ上でアートボードごとに名称を設定できるのですが、このダイアログのアートボードごとの名称とアートボード名は連動しておりダイアログで名前を変更するとアートボードパレットの名前も変更されます。

Illustrator_画像書き出しまとめ_3

以上3つの形式をまとめてみました。それぞれ下記の様に挙動が異なるのでそれらを踏まえた運用が必要になります。

Illustrator_画像書き出しまとめ

基本的には自分は業務上CMYKのデータを扱うことが多いので基本的には「書き出し形式」を使っていますが、それ以外の場合は制作物や保存したい形式など必要に応じて使い分ける方が無難だと思います。

・データ名を画像のファイル名に付けたい→「書き出し形式」
・アートボード名がついていればOK→「スクリーン用に書き出し」

など上記のように予めパターンを考えておくと実際の業務です迷わず3つのうちどれを使うか選べるので良いかなと思います。

まとめ
画像書き出し方法は複数あり、それぞれのアートボードに対してもそれぞれで挙動が「微妙」に変わるのでより効率的に作業ができる方法をアートボード運用の視点から考えてみるのはいかがでしょうか。

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