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【図付き】GoogleのAI「Gemini」有料プラン登場。ChatGPTやCopilotと料金を比較(Gemini Advanced / 旧Bard)

以下のVoicyの放送のAI文字起こしをベースに記事化しています。
詳細はVoicyの放送をご確認ください。

第1章 はじめに

Googleが開発・提供していたAIサービス「Bard」が、「Gemini」と改名されました。GeminiはGoogleが独自に開発した言語モデルの総称であり、無料プランにはGemini Proが、有料プランにはGemini Ultraが搭載されています。

2023年2月9日に、Geminiの有料プランとして「Gemini Advanced」が発表されました。月額料金は19.99ドルで、2ヶ月の無料トライアルが付いています。

Gemini Advancedには、GPT-4を上回るとGoogleが主張するGemini Ultraが搭載されており、ChatGPTへの対抗馬として位置づけられています。性能面でもChatGPT Plus(有料プラン)を上回ることが期待されています。

第2章 Geminiとは?

Googleが開発したAIモデルの総称が「Gemini」です。以下の2つのモデルが存在します。

Gemini Pro: 無料プランに搭載されているモデル
Gemini Ultra: 有料プラン「Gemini Advanced」にのみ搭載されている最上位モデル

Geminiのベンチマークテスト結果には疑問の声も

Googleは2024年12月に、Gemini UltraがGPT-4を上回るとするベンチマーク結果を発表しました。ただしこの主張には疑問の声も上がっており、ベンチマーク結果の解釈方法などで議論が分かれています。

ベンチマーク結果には以下のような疑問点が指摘されています。

  • 測定したGPT-4のモデルが最新モデルではない可能性

  • Geminiに都合の良いテスト条件で行ったのではないか?

こうした疑惑もあり、Gemini Ultraが本当にGPT-4を超えた性能なのかどうかは不明確な部分が大きいといえます。

一部のユーザーが指摘するように、発表ページにおける比較方法が平等なものにはなっておらず、これにより期待ギャップが膨らんだ可能性もある。たとえば、Geminiの発表ページでは、MMLUでのベンチマークテスト結果に関して、Gemini Ultraが90%、GPT−4が86.4%であったと示されている。しかし、Gemini Ultraの数値は「CoT@32」、GPT-4の数値は「5−shot」という方法によって得られたものであることが小さく記載されているのだ。
(中略)
この発表ページの数値に関しては、異なるアプローチによる比較であること、またGPT−4に関しては低い方の数値が記載されるなど、ミスリードするものであると指摘されている。

https://ampmedia.jp/2023/12/29/google-gemini-2/

いずれにせよ、ChatGPTへの対抗馬としてGemini Ultraへの期待は大きいといえるでしょう。既に多くのユーザーから性能面での評価が高まっており、今後の動向が注目されています。

第3章 価格の比較(Gemini/ChatGPT/Copilot)

まずGeminiの有料プラン「Gemini Advanced」は、月額2,900円です。さらに2ヶ月の無料トライアルも付与されています。

ChatGPT Plusの料金設定は20ドル(月額約3,000円)で、Geminiはこれを0.01ドル下回る価格となっています。ChatGPTへの対抗心が透けて見えます。

ChatGPT Plusの料金は為替レートによって変動しますが、Geminiは日本円で固定料金となっている点も特徴です。

一方Copilotは、個人向けの月額プラン(3,200円)と、法人向けの年額プラン(1人当たり4,125)の2つが用意されています。

第4章 提供内容が熱すぎるGemini Advanced


Gemini Advancedに入会するだけで以下が提供されます。

  • Gemini Ultra(GPT-4超えのAIモデル)

  • 2TBのGoogleドライブ容量

  • (今後提供)Gmail、Googleドキュメント、GoogleスプレッドシートなどのAI機能

2TBのクラウドストレージと、仕事向けGoogleアプリへのAI機能搭載は大きな魅力です。これはMicrosoft Copilotの提供内容に近い形だと言えます。

CopilotがMicrosoft 365へのAI搭載をうたっているように、GeminiもGoogleアプリ群で同様の差別化を図る戦略が見て取れます。既存サービスとの連携で、利用シーンを最大化したいとしているのでしょう。

第5章 GeminiとCopilotの比較(Google対Microsoft)

前章で見た通り、GeminiとCopilotは戦略においてよく似た部分を持っています。両サービスとも、自社サービスとの連携を売りにしています。

料金水準もGeminiが月額2,900円なのに対し、Copilotは個人向けで月額3,200円と大差ありません。

ただし、Copilotの場合、WordやExcelやPowerPointなどのアプリを使うためには、Copilot利用料以外に、Microsoft 365の利用料金が別途必要となります。

例えば個人向けのMicrosoft 365 Personalプランが月額1,300円程度かかります。それに上乗せしてCopilotの月額がかかるわけです。つまり実質的な月額費用は4,500円程度になります。

これに対して、Geminiの場合はGmailやドキュメント、スプレッドシートなどが元々無料で利用できます。追加費用は発生しません

Geminiは2ヶ月の無料トライアルを用意するなど、個人ユーザー向けへの訴求力が高そうです。Googleの配信力を考えるといち早く拡散されることが予想されます。

第6章 実際にGemini Advancedを使ってみた感触

実際にGemini Advancedを使ってみた感触ですが、まず文章生成を試してみました。

長文日本語音声データから文字起こしを行い、それを要約してくれるよう依頼しました。しかし、生成された文章は箇条書きが中心となっており、期待した読み応えのある文章ではありませんでした。

比較のためChatGPTにも同様の命令を出すと、きちんと段落立てされた記事形式で要約が生成されます。今のところChatGPTのほうが自然な文章生成能力に優れているように感じます。

ただしGeminiも表データをスプレッドシート形式でエクスポートするなどの親切な機能は備わっています。今後の成長が期待される部分でしょう。

まだ始めたばかりですが、これからも様々なタスクでGeminiを日常的に使い込んで評価していきたいと考えています。

第7章 まとめと感想

今回GoogleがリリースしたGemini Advancedは、ChatGPTへの対抗心が露骨な印象です。料金設定こそ0.01ドル下回っていますが、2ヶ月の無料トライアルやGoogleサービスとの連携など、提供内容はむしろ上回るほどです。

一方でCopilotもありますが、Microsoft 365との契約が前提である点や、法人向け年額プランの設定など、やはり企業・法人向けサービスという色合いが強く出ています。

個人ユーザー目線では、Gemini Advancedは魅力的な選択肢と言えるのではないでしょうか。

ChatGPTの今後の動向に期待

これまでのChatGPTの動きでは、競合サービスの登場に対して、すぐに新機能をリリースして注目を集める傾向がありました。
ChatGPTにはすでにGPT-4.5などが準備できているという噂もあり、次なるサプライズが用意されている可能性が高そうです。
AI分野のイノベーション競争はこれから本格化しそうです。

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