糖とは!③
今度こそ続きを書きます。
貯蔵から入っていきたいのですがその前に。前回、唾液などのアミラーゼにより分解が始まると書きました。
そこをもう少しだけ述べたいと思います。
1.酵素による分解(食道~小腸)
咀嚼された食べ物は食道から胃、小腸へ向かいます。
小腸はあらゆる栄養素が吸収される場所。
ここで前回のこれを思い出していただきたいのですが、
食べ物は吸収されるために分解されるんでしたね。なので、この画像の矢印とは逆向きに動きます。
分解は勝手に起こるわけではなく、体内から出る酵素によって行われます。
酵素は決まった相手に対し分解を助けてくれるやつです。
こんなイメージ。
紫のやつが酵素です。真面目に書いてます。(笑)
糖質だけでなく、他の栄養素にもそれに応じた酵素が存在します。
こうしてグルコースまでに分解されると、小腸で吸収されます。
ちなみに吸収されなかったものはそのまま小腸から大腸へ向かい、排せつされます。運命の分かれ道。
吸収されたグルコースはいよいよ貯蔵・利用へ向かいます。
血管を通り肝臓へ。
2.貯蔵(肝臓)
肝臓はとても優秀な臓器で、多くの仕事を持ちます。三大栄養素やアルコールの代謝・貯蔵、血液量の調節、胆汁の合成など本当に多いです。
食事から糖質を摂取し、小腸から吸収されると当然通り道である血液中のグルコースの量が増えます。
血液中のグルコースの量の増えすぎ、すなわち血糖値の上がりすぎを抑えるために1回肝臓にグルコースを取り込んでおきます。
ここで血糖値をコントロールするのはインスリンという膵臓から出るホルモンが担います。肝臓が一人でやっているわけではないです。
肝臓で貯蔵しやすいように、グルコースはグリコーゲンとして貯蔵されます。
それから肝臓では、糖を作り出す働き、糖新生も行います。これはまたのちの回で詳しくやります。
こうして血糖値のコントロールをしつつ、肝臓にグリコーゲンを蓄えました。
3.貯蔵(骨格筋)
貯蔵の場所は肝臓だけではありません。
肝臓よりも多くのグルコースが骨格筋に貯蔵されます。
骨格筋の中でも、グリコーゲンとして貯蔵されます。
骨格筋の筋原線維内、ミトコンドリアと筋小胞体の間、筋鞘下に貯蔵されます。¹
骨格筋量が多い人がたくさんご飯を食べる必要があるのは、
それだけ貯蔵されるべきスペースが大きいからです。
骨格筋において(有酸素運動時)グリコーゲンはATPというエネルギー基質を再合成させる役割をします。
よく教科書などでこういった説明がされますが、なんかぼんやりしていませんか、、、?
ATPはそれ自体がエネルギーとして働いているわけではなく、
ATPがADPとPiというものに分解されるとき(また作られるとき)に生まれるエネルギーが筋収縮に使われます。
ATPが変形するところにエネルギーあり。ということです。
しかしATPは筋中にわずかしかありません。だから、再合成するのです。
骨格筋中のグリコーゲンはグルコースに分解されたのち、さらに代謝されるなかでADPとPiからATPを再合成します。
つまり、ATPの供給を持続させていくには筋グリコーゲンが重要な存在ということです。すっきりしていただけたでしょうか、、、。
このグルコースの代謝の様子は次回詳しく解説します!
というわけで今回は貯蔵まででした。要点をまとめると
・摂取された糖質は酵素による働きで単糖類まで分解される。
・分解されたら行先は血中・骨格筋・肝臓。貯蔵される。※血中での貯蔵量はわずかです!
・骨格筋中のグリコーゲンは運動時にエネルギーを生み出すための重要な役割を担う。
また、ここでのエネルギー供給は有酸素機構をさします!無酸素性供給機構は別ものです!
次回は解糖系、糖新生です(多分)
※糖とは!①の際、吸収・蓄えやすいように分解すると書いてしまいましたが、肝臓・筋中に貯蔵する時はグルコースの形ではないので、少し訂正しました。ん?と思った方いらっしゃったらごめんなさい。
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