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JRの指定席と車掌さんと私|あなたはどっち?

とあるJRの路線で、最終電車ギリギリで、手持ちの特急回数券に指定席を付けるも時間なく、何とか滑り込みで乗車。

自由席は満員で、かなりの人が立って乗っていて乗車率120%くらい。
指定席は30%くらいの乗車率で、70%くらいの席が空いている。

「みんな指定席空いてるなら座ればいいのに」とおもいながら、少し電車が走って指定席車両の乗客全員が席についてから、指定席車両の空いてる席を見つけて指定席に座る私。

しばらくすると、ちょっと小太りな色白のやさしーい感じの、イメージとしては電車を愛してる感じの、20代後半くらいの男子の車掌さんが来て、チケット確認をわたしに依頼。

回数券を手渡して「指定席付けてください、時間なかったんで」とお願いすると、
『お客さま、乗ってからはできないんです』と説明が開始。
あらそう、と思った矢先に答える間もなく、車両の後ろの方を見て右手で指しながら、
『立ってください、さあ、あちらへ』

は?こんなに空いてるのに?
回数券の料金には指定席車両の金額入ってるのに?
とおもいながら、聴いてみようと思って、

「いやいや、お金払っているし、こんなに席空いているし、どういう理由で立たないといけないんですか?」
と聴いたら、

『そういう決まりなんで』
『その回数券チケットにもそう書いてあるので』
『他のお客さんにも、そうお願いしているので、お客様だけ特別扱いできないので』

※回数券の文面:座席指定がない場合は自由席にご乗車ください。指定列車に乗り遅れた場合は、当日の後続列車の自由席に限り有効です。途中下車はできません※

なぜか、お笑い芸人の小藪さんの顔が浮かんじゃって、
は?え?どゆこと?と理解できずにいると、

また、車両の後ろの方を見て、右手で指しながら、
『立ってください、さあ、あちらへ』
と、車掌さん2回目。

「いやいやいや、料金の中に入っているし、追加あるなら払うことを考えてもいいし、もう少しちゃんと理由教えてくれない?」
「なにか罰則とかあるんですか?」とちょっとイラッとし始めて聴きかえすと。

『罰則とかはないです。』
『乗ってからは指定席取れないんで。』
『そういう決まりで、1人だけ特別扱いできないんで』

「じゃあ、立ってる人も全員座ればいいんじゃないですか?空いてる席有効活用できるし、みんな嬉しいですよね?」
とイライラ追加してるけど、優しめに抑えて私。

『それだと、他のお客さんに迷惑がかかっちゃうんで』

どゆこと?なになに?
それを迷惑っていう、他のお客さんってだれ?
空いていれば座ればいいんじゃないの?
と思いながら、どういおうかと考えていると、

車両の後ろの方を見て右手で指しながら、
『立ってください、さあ、あちらへ』
と、車掌さん3回目。決まりなんだから早く立ってよーという気持ちが表情に出始める。

私、ちょっと丁寧に、
「お話しは、わかりました。」
「そういうことでしたら、じゃあーーー、立ちません。」
と宣言!居座ることを決定。

車掌さん、声は出てないモノの目をめっちゃ見開いて
『え、えええーーー』
という感じでw

お金払っているし、周りに僕が見える人なんていないくらい、めちゃめちゃ席空いてるし、全く理由が理由になっていないので、他の理由を言ってくるの待っていたら、

もっと白い顔になっているように見える車掌さんは
『席を立ってくださらないんですね?』
『どうしても、席を立ってくださらないんですね?』
と何回も聞き返さしてきて、「はい、理由がわからないんで」と答えていたら、ごうを煮やしたのか、
『わかりました、こちらで話して対応を考えます』
と宣言するので、
「ぜひお願いします。誰でもいいので、ちがう説明できる人をぜひ連れてきてください。」と回答すると、
数秒間、上を向いて何かを考えたようすのあと、
『わかりました』
と、決意の表情に変わって去っていく車掌。

この説明と仕組みと、こんなに空いてるのに立っちゃっている人たちと、なんなんだろうと悶々と考えていたんだけど、
結局終わりの駅まで、二度と車掌さんは姿を見せなかったw

という話を嫁にしたら「何にも話の筋としてはおかしくないし、言っていることも正しいし、乗客の気持ちとしては分かると言うとおもうんだけど、、、ただ、ほんとにただ、セイカクは悪いよね。」と言われる始末。そこで旦那ディスるかねw
ちなみに嫁は、「その若い車掌さんが気の毒」といいながらも、「え、えええーーー」のところを、想像して何回もモノマネしていて、おまえもたいがいセイカク悪いけどなとハニカム私。


さて、大事なのはここから、考察。

長くなっちゃったけど頑張って書いた理由は、この話は僕らの日常にある【無意識の思考停止と同調圧力】がテーマだから。
・決まりになってる。
・決まり上、あなただけ特別扱いできない。
・みんなにもそうしてもらっている。
・だれか特定できないけど、周りの誰かに迷惑がかかる。
・そして、それを言われて従っちゃう人たち(今回で言う他の乗客)

という、【同調圧力】と【思考停止】を知らずに意識せずにやっているし、受け入れている。
考えるのめんどくさいし、忙しいしという気持ちはわかるんだけど、

・高齢者や、5歳の子どもが回数券で座っていても、立てというの?
・人に言いにくい病気を患っていて、座っている方が楽という人にも、立てというの?
・心の中にある優しさのダムは空かないの?

・乗ってから指定を付ける仕組みもないことに違和感は持たないの?
・会社に提案したり、確認したことはあるの?
・心の鞘におさめている、勇気の剣は抜かないの?

アナウンスする必要まではないけども、座っている人がいたら「指定の人が来たら席を空けてくださいね」の一言ですませられないのかなあと。

ホスピタリティの面から考えても、最終電車で遅い時間にみんな疲れて乗っている人の気持ちや体調を考えると、枠にはめた回答で「お立ちください、さあ」みたいなことを何回も言うよりも、「最終電車なんで、お疲れだと思いますし、空いている席は座っていただいて良いですよ、本当はダメなんですけど、特別に」といった方が、みんなの心がほっこりするんじゃないのかなあと。

乗客と一緒に良い交通を作ろうという発想もなく、会社や上司が決めたことを何も疑問を持たずに遂行する。

回数券のチケット指定席の話だからカワイイ話で終わるんだけど、これが地震や台風などの非常事態になったら被災地で食べ物を奪い合うとか弱いものを虐げて自分だけ生き残るとか、ホロコーストで多くのユダヤ人の処刑を指示したアイヒマンも、原爆を広島・長崎に落とした軍人も、【無意識の思考停止と同調圧力】の被害者であり加害者でもあり、
「知らなかった、考えていなかった」が言い訳にならないように大人も子どもも学び合う必要があるんじゃないのかな?と改めて考えさせられた。

学校の勉強終わったら、覚えることはライスワークのための作業だけで、頭で考えたり新しいことは学ばなくていいみたいな同調圧力と思考停止した社会に、どんどん、どんどんどんどん、なっているように見えるけど、そんな人がたくさんいる社会を子どもの世代に渡したいの?
ってもうそろそろ一人一人が考える時期じゃない?
意識高い系なのかな?それってダサいのかな?とか考えながら。。。

車掌さん、大事な気づきをありがとう!
車掌さん自身も、考えるきっかけにしてくれると継続して嬉しいなと、改めて思いました。何か月か何年かかかるかもしれないけど、会社の人と話し合い考え合う一つの種として。

今度は、普通の切符で、指定席に座ってみようかなあw

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