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愛猫の死とともについてまわる愛憎の記憶も形骸と化し、あれほど雪ぶかい年もなかったなとただそれに似た景色をおもいおこしては胸のあたりがじわじわと詰まる冬。どんぞこで我に返ったきっかけはOGRE YOU ASSHOLEのアルバムと、そのインタビュー記事でボーカルがフラットに語った「百年後にはみんな死ぬ」ということばだった。どうでもよいものからなくしたくないたいせつなものまでいつか必ずみなすべてを失う。その事実をポジでもネガでもなくただそのままにみとめたときようやく拓けた感覚があったのをおもいだす。わたしのその基軸のなかで、きみたちはずっと生きているのかもしれないな。

バロンが虹の橋をわたり今日でちょうど十年。ふとそんなことをおもいながら。

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