「働く君に伝えたい『お金』の教養」読んだよ!

拝読しました。
ライフネット生命保険株式会社の代表取締役会長兼CEOの出口治明さんの著書なのですが、出口さん自身が70歳近いお歳であるのに、現在の若者のお金事情を熟知されていて驚きました。
てっきり、バブル全開のトークでもあるのかしらと思っていましたが、全くそんなことはなく、地に足の付いたようなタメになるお話でした。

・世代間格差の幻想
バブルが弾けてしまった後の「失われた時代」に生まれ育った私としては、あ~もうちょっと早く生まれたかったな~と思うことが多々あります。
シンプルにバブル世代が羨ましいなぁ、自分は運がないなぁと感じていました。
ですが、高度経済成長期であったバブル時代が異常であっただけで、現在のような停滞している経済状況が普通であるという話を読み、幾分気が楽になりました。
そうですよね、バブルなんてたかが50年そこらしかなかった時代で、他国で頻繁に見られるような現象でもないのに、バブル経済が普通で我々は谷間にいるとばかり思っていました。
おかしかったのはお前らの方やんと思うと、「普通」に安心感を覚える典型的な日本人である私は、今まで感じていた僻みのような感情が薄まりました。
(完全に無くなってはいない気がしますが…。)

また、バブル経済は数々の運が重なった結果生じた現象であり、ラッキー以外の何物でもないと知り、「な~んだ、しょうがないじゃん」と吹っ切れることもできました。
大戦後の冷戦構造や蒋介石が台湾に追いやられたこと、外国の戦場から多くの人が帰還したこと、などが奇跡的に重なってバブル経済に繋がったそうです。
この本では七つの要素が紹介されていますが、それを読むと「そんだけ外的要因が重なっていたのであれば仕方ないわ、うん」と思えます。
また、団塊の世代の「バブル経済は俺たちが頑張ったから~」「若い者の頑張りが足りない」とかなんとか言う台詞に対しても、いやいや、色んな要素がたまたま重なってラッキーだったからあなた達の働きが実っただけですよ?と(心の中で)言い返せますし、何も知らないんだ~プププと思えます。
(実際にそんなこと言う人に会ったことありませんが…。実在するんでしょうか。)

そんな感じで、今の日本経済に対する失望感のようなものは無くなりました。
何と言うのでしょう、今が普通なのだと思うと、バブル経済前の世代の人たちもこんな生活だったのか~と、運がないのは自分だけではないと感じられます。
そんなんもうしょうがないですね。

所得税と社会保険料
所得税などの税金の多くは働いていないと課税されない、ということが書かれていました。
(当たり前のことですね、はい。)
その点、消費税は物を購入する人全員が払わなければならないため、国民全員に普遍的に課される税金であるとのことです。

ここでの本旨は「消費税は退職後のお年寄りからも徴税できる税金である」ということなのですが、それって「定年後も働いていれば所得税その他費用を支払うことになる」んですよね?
「定年延長なんかせんでいいわ、甘い密が吸えるポジションをさっさと空けろ!」
くらいに思っていたのですが、年金暮らしの高齢者よりも多く税金を払ってるって、有り難いのでは??と考えが変わりました。
だからといって何時までも居座れとは思いませんが、税金多く払ってくれてるならまぁいいですよ、と少し寛大になれたと思います。

値段を比較した「賢約」
とある商品やサービスの価格を比較し安価な方を購入する、というのは賢い行為であるそうです。
やはり、細かいことは気にしない方が潔くて良いというか、小銭を気にしないことこそ大人の美学みたいな考えが蔓延っていますが、そら~そんなはずないですよね。

今まで「あ、あっちのスーパーの方が20円安い…帰りに寄ろうかな…」と考えつつも何処か後ろめたいものを感じていましたが、そんな必要はありませんでした。
比較できることは賢いこと、「賢約」であるそうです。
これからは胸を張って安いものを選択していこうと思います。

人それぞれの使い方
何にどれだけお金をかけるか、というのは人それぞれで、正解など無いそうです。
当たり前のことですが、改まって本に書いてあって安心しました。
どこの費用を節約するか、どこの費用は削れないのか、は人それぞれ。正解などありません。
普段の食費は抑えるけれども、友人との食事の時は奮発したり、欲しい服には惜しまないというのもまた私にとっての正解なのです。
というか、貯めるばっかりよりは使って経済回した方がいいじゃないですか!金は天下の回りものです。
胸張っていきましょう。

この本、本来であれば稼いだお金は「財布」「投資」「預金」に分けて…という話が本筋なのですが…。。
いや、有り難い内容だったんですけど、私にはこっちの方が染みましたね~。
この本の内容を踏まえつつ、上手にお金と付き合って行きたいです。

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