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おっさんずラブ-リターンズ- 第1話の感想(春田・牧・武蔵 編)

「おっさんずラブ-リターンズ-」全話視聴後の感想なので、1話以降の内容も含みます。ご注意ください。


ちなみに私は「おっさんずラブ」シリーズをこんな感じで楽しんでます。

1回目:コメディドラマとして笑いながら楽しむ
2回目〜気が済むまで:登場人物の気持ちを追いながら真顔で楽しむ(感情は乱れがち)
気が済んだら:ぼーっと見ながら自分の感情の移り変わりを楽しむ


春田、牧、武蔵の感情爆発☆大乱闘結婚式(初夢)からの開幕。
春田と牧の新しいお家は、春田の実家と比べるとおしゃれになったけど、細部に宿る春田の生活感に、「ああ戻ってきてくれたんだなぁ」と感慨に浸る。
まさに実家のような安心感。

2024年1月4日、シンガポールから帰国する牧をお迎えに、成田空港へ向かう春田。
目の前の助けが必要な人をほおっておけない心のやさしさや、連絡手段である肝心のスマホを忘れるドジっぷりは変わらない。
そしてすれ違う春田と牧~(笑)
天空不動産の面々もみんなご健在で、なんだかみんなの勢いやあたたかさがパワーアップしているような気がした。

私がまず感動したのは、春田と牧の今である。
私は、愛は「ある」ものではなく「つくりあげるもの」と考えている。
だから、階段を上った先で互いを見つけた時のふたりのとびっきりの笑顔を見た瞬間、直接会えなかった3年半も、ZoomやLINEや電話などで、忙しい日々の中でも相手を思いやり、愛し愛されふたりの愛を育んでことが分かった。
もう、このシーンだけで超満足なんですけどーーーー!
ラブラブじゃーーーーん!
物語の始まりがここなのが「おっさんずラブ-リターンズ-」なのだ。



-リターンズ-の春田と牧

春田と牧は2019年6月に結婚してから、一緒に生活した期間は実は2ヶ月あるかないかなんですよね。
2019年7月から春田は上海→香港に約1年の出張、2020年6月に帰国して新婚生活が始まるかと思ったら、牧が本部に異動した関係でほどなくして別居、そして2020年10月ごろ?から牧はシンガポールに転勤。世界は新型コロナウイルス感染症の真っただ中だったので自由に行き来ができなかった。
結婚後の共同生活つまり新婚生活は、まさに2024年1月4日からはじまったのだ。
新婚初夜は、ほのぼのでかわいくて(以下略)

さて、新婚生活がはじまったものの、仕事でのすれ違いや、家事に対する考え方の違いで寂しさやお互いへの不満が募っていく。
その堪忍袋の緒が切れたのが、春田の「時間は作るもんだろー?」
牧の立場からするとほんと腹立つ、しかもあの言い方!(かわいいとってもかわいい)
けれど、春田からこの言葉が出るということは、意外にも春田は時間を大切にしているのだなと私は感じました。寝坊はするけど。

そして牧はお金を大切にしている。これもとっても大事。

その後、春田と牧は大喧嘩するけど、これも本当に感慨深くて。
2018年の牧だったら、ここまではっきりと自分の気持ちを春田に伝えることはできず、飲み込む部分が大半だったと思います。
なのにあの牧から「対等なのに」という言葉がでましたよ!
本当にこの3年半で、ふたりは素敵な関係を作り上げたんだなぁと思いました。

ちずちゃんの仲裁と提案(しょうもないことで衝突するくらいなら時間をお金で買うのもあり)によって、家事代行サービスを試してみることにしたふたりですが、この家事代行サービスお試し当日の春田の様子が、私にはとても意外だった。

自宅に他人を入れたくないのは・・・

シーン30(ドラマでは25分40秒ごろ)
家事代行サービスのスタッフを緊張した様子で待つ春田。インターホンが鳴った時、自分ではなく牧に応対してもらうように頼んだ。なんだか怖がっているような様子。

私はこれまで、春田はどんな人でもウェルカムな人だと思っていた。
2018年連ドラでは、牧を入職したその日にルームシェアに誘うし、ちずちゃんも春田の実家に出入りしていたし、友達を自宅に招いてホームパーティーをしたいと言っていたし。それに春田は不動産会社の営業マンで、地域住民のみなさんとのコミュニケーションも円滑だ。
だから何となく、春田は家に人を招くのに抵抗がない人だと思っていた。
だけど、この様子を見るとそうではないことが分かる。

牧も自宅に他人を入れることに抵抗があるけれど、全く知らない誰かを家に招くことに抵抗があるのは、牧以上に春田の方かもしれないと思ったのです。
春田のこの抵抗が本能的なものなのか、過去の何かから生じているのかは分からないけど、それでも家事代行サービスを試してみようと思ったのは、お互いの負担を減らして、ふたりの幸せな時間を作りたい春田の愛と思いやりなのかなと思ったのです。それは牧も一緒。

で、そんな不安の中やってきたのが、まさかの黒澤武蔵。
春田が安堵し、家事代行サービスを他の誰でもない黒澤部長に依頼したのは必然だったと思うのです。

しかし、牧にとってはそうではない。

-リターンズ-の武蔵と牧

この3人がこうやって会するのも3年半ぶり。
牧と武蔵は春田が上海に旅立ってから(2019年7月)、引き続き第二営業所に勤務していたけれど(約1年)、この間2人は仕事上の関係に終始していたと私は思います。牧は公私混同はしないし、武蔵もプライベートを仕事に持ち込むような人ではないと思うので、牧と武蔵が春田の話をすることは、ほぼ無かったのではないかと思うのです。

私は時々、「春田と牧はプロポーズの後、どんな風に武蔵に挨拶(というか謝罪)に行ったのだろうか?」と思い返すことがあります。
春田の牧への想いに気づきつつも結婚式を中止しなかったのは武蔵なので、そういう点では「お互い様」ではあるけれど。
春田も牧も、人との関係は大切にする人たちだと思うし、2018年連ドラ版最終回、春田が営業所のみんなに上海へ旅立つ挨拶をする場面での3人の様子からもきちんと挨拶はしたのだなと考えます。
ただ、根に持っているという意味ではなく、人の心はそんな一朝一夕にカタがつくようなものではないと私は思うのですよ。
武蔵は春田の幸せを第一に考えているので、牧と幸せになってほしいという気持ちは心からあると思います。
ただ春田に関するライバル意識は、武蔵も牧もあのころからあんまり変わっていないのかなと、私は思います。

-リターンズ-の春田と武蔵

-リターンズ-第6話でも武蔵が言っていたけれど、武蔵は、春田と牧の幸せを心から願いつつも、春田のことを恋愛対象として好きという気持ちに第1話では変わりはなかったと思います。
記憶がもどった2020年7月下旬?〜9月にかけて、幸せでイキイキ仕事している春田の姿にいとおしさを感じながらも、もう二度と叶うことはない恋心の苦悩を抱えていたと思うのです。しかも、2020年10月から牧はシンガポールに転勤となってしまう。
武蔵が、自分のためにも春田と牧のためにも、春田と距離を取るために退職という選択をしたのは、なんだかとても理解できるのです。
なのに、何の因果か家政夫としてまた春田と出会ってしまう。
しかも春田、「部長の顔みたらホッとした」「(部長が退職して)めちゃくちゃ寂しかった!」とか無邪気に言うし。まじデリカシー、まじ罪人(笑)
これが春田の紛れもない本心だと思うから、本当にさ・・・(涙)

そんな春田にとって武蔵とはどんな存在なのか。
それが描かれている象徴的なシーンが第1話にある、と私は思います。
シーン43(ドラマでは37分10秒ごろ)
春田が武蔵に質問する場面。
春田「部長が蝶子さんと新婚の時って、どんな感じでした?」
これ聞いた時、「春田まじほんとデリカシー(n回目)」と思ったけれど、
春田にとって武蔵は、人生の偉大な先輩であり、自分の家に招き入れて一緒に食事を楽しむことができて、本当に安心できるお父さんみたいな存在なんだなと、私は思いました。
武蔵もそのことを、この瞬間に改めて理解したのだと思います。
もう見たぁー?!春田にアドバイスし終わった後の武蔵の表情を・・・胸が苦しくなったよ私は(涙)
帰り際には武蔵の体を気遣って、自分が使っているであろうイヤマフラーを武蔵につけてあげちゃうし。
つらいのに春田のやさしさで心はあたたまっちゃって、そりゃ武蔵もバケツに思いの丈を叫びますよーーー(号泣)
武蔵は、春田(と牧)の幸せを願う気持ちと、二度と叶うことのない自分の恋心に、今度こそ向き合って自分の中で決着をつけなくてはならない状況になったのだ・・・。
う゛ーーーーーしんどい。

春田の武蔵に対する好きの気持ちは、牧とは形が違うけれど、その大きさはあまり変わりがないのかなと私は思います。目の前の大切な人を心から愛する。その形の違いが私のような常人には一見理解し難いけれど、全力であたたかい春田だから、みんな春田のことを好きになっちゃうんだよなぁと、改めて思いました。

武蔵とマロからアドバイスをもらったふたりは・・・

牧は牧で、家政夫として武蔵がやってきたことをマロに相談します。
そのときのマロと蝶子さんとのエピソードも素敵ですが、なにより心に響いたのは、マロの「感謝の気持ちは、ちゃんと表現しないと伝わんないっす」
その後牧は、ショーウィンドウで見かけた春田に似合いそうなふかふかあったかの真っ赤なマフラーを購入。
飲み会でマフラー無くして、春田は寒そうにしていたから。

そして春田は、武蔵から
「(ふうふは)違くていい。日々お互いを知り、許し合い、認め合う」ことを教えてもらう。
その後春田は、考えたと思うのです。牧にとって今大切なことと、それでも自分が伝えたいこと。
シーン46(ドラマでは41分48秒ごろ)は、私も春田のやさしさにじーんとしました。
シーン47〜(ドラマでは43分10秒ごろ〜)
雪が降って寒いだろうからと、ホッカイロを持って牧をあっために行く春田。その春田を、プレゼントの真っ赤なマフラーであたためる牧。
春田の気持ちに寄り添って、初詣に行くことを提案する牧。
健康と世界平和は本当に大事。
春田「大好きな牧と、幸せな家族に、なれますよーに!」
牧「俺も一緒だよー!」
もともとは全然違うふたりだけど、目的地は一緒。
周りの素敵な人たちからやさしさを教えてもらいながら、ふたりだけの幸せを作り上げていく。
そのしあわせは、きっと周りの人たちにも伝わって、しあわせの輪が作られていくのかな。
次元を超えて、私の心までぽっかぽかになりましたから。
しあわせのパワーはすごい。

生まれも育ちも考え方も違うふたりが、これからどのようにして「家族」になっていくのか。
第2話以降がとても楽しみな、幸せ(と、ツラみマックス)の第1話でした。

何度も言うけれど、ここが物語のスタートなんですよ。
すごくない?最高かよ。


さて第1話については、もう一人感想を書きたい人物がいます。
和泉さんです。
次は第1話の和泉さんについて感想を綴りたいと思います。

~続く~

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