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おっさんずラブ-リターンズ- 第2話の感想

「おっさんずラブ-リターンズ-」全話視聴後の感想なので、1話以降の内容も含みます。ご注意ください。



第1話の春田の和泉に対する指導はパワハラに該当するのか?

第2話本編の感想に入る前に「第1話の春田の和泉に対する指導はパワハラに該当するのか?」を、天空不動産本部で開催されたコンプライアンス研修のスライドを参考に、私自身へのnoteとして考えます。

パワーハラスメントとは
1)優位的な関係を背景とする
→ 上司-部下、経験豊富-経験少ない、多数-少数などの権力関係を背景に抵抗しにくい状況にあること。
2)業務の適正範囲を超えていること
→ 業務において必要性がないこと、業務と無関係な事項の要求や、行きすぎた行為であるということ。
業務において必要のある指示・命令はパワハラではない。
3)職業環境を害すること
→ 身体的、精神的な苦痛を与え、不快な職場環境にしていること。
恐怖・過剰なストレスを与えるなど、相手の能力発揮に対して悪影響を与えること。

おっさんずラブ-リターンズ-第2話 天空不動産本部コンプライアンス研修スライドより

パワーハラスメントは上記1〜3を全て満たすものと定義されています。
今回の春田と和泉の場合は、
①は該当(上司と部下の関係)
②は非該当(エクセルを使用し表を作成することは業務上必要)
③は和泉さん次第(春田の指導方法や、和泉さんが春田の手を握った際の春田の注意の仕方が和泉さんにとって恐怖・ストレスとなっていたら該当する)
これらの定義に照らし合わせると、今回の件はパワーハラスメントに該当しないと私は考えます。
客観的に見ても、春田の和泉に対する指導は全く威圧的ではないし、エクセルの使用方法をあんなに懇切丁寧に初歩の初歩から指導する春田係長の姿に私は感動を覚えるのですが。
武川部長、どういうことでしょうか?

パワーハラスメントについては、こちらも確認しておく。
厚生労働省「これってパワハラ?」

https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002d1om-att/2r9852000002d1q3.pdf


春田の母・幸枝が週末やってくる!

牧が作る栄養バランスと彩りが考えられたとても美味しそうな朝ごはんに、私は尊敬と羨望の気持ちでいっぱいから始まった第2話。

春田の母・幸枝が春田と牧のお家に週末土曜日(1月20日)にやってくることになりました。
ふたりの話を聞く限り、幸枝への結婚の報告はまだで、幸枝はふたりのことを仲のいいお友達だと思っている。
牧は幸枝に対して、春田と同性婚をしていること、以前友達だと伝えたけれどそれが正確ではないことに対して、ずっと負い目を感じている様子。
春田は春田で、幸枝には面と向ってきちんと報告をしたかった様子。

「結婚」てなんだろう???

春田と牧は、文化的な結婚はしてるけれど、民法上の婚姻関係にはありません。2024年1月の日本では、自治体によってパートナーシップ制度を導入しているところはあるものの、国としては同性婚を法的に認めていないからです。
そんなふたりの「結婚」とは、春田の言うように、春田と牧の間にある目には見えない愛という関係性で、本当にふわっとしたものだ。
目に見える形としてあるのは、結婚指輪くらいだろうか。
そんな2人の結婚式に対する考えの違いは下記の通り。

  • 春田:するする!(みんなでワイワイ)楽しいと思う!

  • 牧:したくない。人前でケーキ入刀とかキスとか恥ずかしい。

ちずちゃんの説得力ある「法的な根拠があったとしても、別れる時は別れる」については、私もそう思います。たとえ法的根拠があったとしても、法律は婚姻に基づく社会的権利を保障するのであって、ふたりの幸せな結婚生活を恒久的に保障するものではないから。
しかしながら、ふたりの不断の努力で幸せな結婚生活を維持しているのに、法的根拠がないと社会的には結婚が認められないのって、本当に不思議だよね。どういうこと?
ちずちゃんの「結婚ご愁傷様~」にちずちゃんの3年半と結婚観が詰まっていて・・・(涙)。
それでも明るく前向きなちずちゃんは本当に素敵だと思うのだ。

マロと蝶子さんそして武蔵の今の関係

わんだほうでの新年会の際に、マロと蝶子さんが大喧嘩!蝶子さんは先に帰っちゃって、マロの話を聞くために春田・牧・マロは春田・牧宅へ。
そこには家事代行に来ていた武蔵の姿があった。

マロと蝶子さんそして武蔵の今の関係って、よくよく考えるとすごいですよね。
マロにとって武蔵は、妻の元夫(そして元上司)。
武蔵にとってマロは、元妻の今の夫(そして元部下)。
そんな関係の2人が、今の妻であり元妻である蝶子さんのことで相談したり、その相談に応じてより良い方向になるように話し合うことができている。この関係って本当にすごいし尊い。
そんな関係も始めからあったわけではなく、3人がその時その時にお互い向き合って積み重ねてきた歴史があるからなのですが、それについてはぜひ2018年連ドラ版、劇場版を見ていただきたい。
2019年当時からマロはかっこよかったけど、この3年半で本当に頼もしくなったと思います!
それはやはり、自立していて愛情深い蝶子さんの影響が大きいのかなと思います。

蝶子さん・牧「どっちの味方なの?!」

蝶子さんと牧がお姑さんに感じる心の距離を私自身に当てはめて考えると、自分の友達の友達が、自分にとっての友達ではない(つまりは他人である)ことと似ているのではと私は思います。

対して春田とマロは、
春田とマロにとっての自分の親は、自分のことを無条件に愛してくれるし、自分も無条件に愛している特別な存在。だから、自分が愛する蝶子や牧を自分を愛するように親も愛してくれる、そして蝶子や牧も自分たちの親を愛してくれるはずだという、謎理論なのかなと思うのです。

私自身が以前はそうだったからなのですが、親って、なんとなく自分の中で一個人ではなく、「自分のモノ」や「自分と同じ」的な感覚があったのかなと思うのです。マロの「(俺や蝶子が仕事でいない時に母が)家事とかやってくれたら・・・」や、春田の「ちゃんとしなくても、うちの母ちゃんだから」「鶏肉だめとか知らなかった(自分が唐揚げ好きで作ってくれてたから)」「母ちゃんのいう和食なんて、焼きそばとかうどんだから」とかに現れているように思います。
中立と言いつつも全然中立ではなく、自分本位になっていたと思うのです。
そのことを、春田は蝶子さんから教えてもらって、自分の親が牧にとっては他人であること、牧に寂しい思いをさせていたこと、そして牧本人がどれだけ自分の母親に心を砕いているのかを知って、しっかり反省していました。本当に素敵。
親もパートナーも一個人。これまで自分と牧が築き上げてきたように、パートナーや自分の親も相手を知り関係を築いていく必要があることを春田は理解します。

第2話の春田・牧・武蔵について

第2話にて、春田にとって武蔵はやはりお父さん的存在であり、同時にお母さん的存在でもあったのか・・・。
そのことについて牧が理解できないのも当然
春田と武蔵には血縁関係がないし、自分にとって武蔵は過去の因縁もある。
なのにそれを本当に理解していない春田から「武蔵と仲良くしてほしい」と言われたら、そりゃそれどころじゃないのにふざけんな!となりますよ。

そんな牧と姑・武蔵とのキッチンバトルは、真剣であるが故に面白くて何度見ても笑ってしまいます。バッチバチ!
バトルの途中で春田が帰宅してきますが、2018年の武蔵と牧だったらそのまま春田を交えてバトルし続けていたかと思います。しかし2024年の2人は春田を前に怒りをグッと抑え込みます。そんなところに2人の春田への愛を感じました。
春田が見ていない隙に武蔵に水をかける牧、それに対して春田が見ていても牧に割烹着を投げつける武蔵、それに対してまず牧を心配する春田、怒りを春田にぶつけずに武蔵のところに行く牧。
なんだかこの3人の今の関係が現れているようで、とても微笑ましくて面白かったです。武蔵と牧は側から見るとなんだかんだ「気のおけない2人」なのかなと思ったりもしました。

幸枝を(結果的に)みんなでおもてなし。そしてご報告。

幸枝が和食がいいと言ったから(実際はもっとふわっとしているのに牧に伝わってない、春田よ・・・涙)、急遽和食に切り替えた牧だけど、ほんと和食とか広すぎるし難しいしで思い通りにいかない。きっと夜通し料理をしていたんじゃないかと思う。朝にはフラフラで。そんな時にたまたまやってきたのが武蔵。
春田は、幸枝を最大限にもてなしたい牧の気持ちを理解していたから、春田自身ができるのであれば代わりたいけれどそれもできない、牧が嫌がることはことはわかっていたけれど、これ以上牧に負担をかけたくない思いの方が強くて、武蔵に料理を依頼する。
その献立もとても素敵ですよね。もともと牧自身が幸枝のために考えていたものだと思うのですが、卯の花と里芋と蓮根のそぼろ煮。縁起が良さそうな献立。その牧の思いを武蔵は理解したのだと思います。きちんと牧が希望する味付けで、何も言わずに手際よく作る。そんな武蔵に牧はライバルとして敵わない、悔しい思いもあったと思うけれど、美味しい料理で幸枝をもてなせる安堵感と武蔵の心遣いに思うところがあったのかなと、私は思うのです。

そして幸枝が春田と牧の新居に訪れる。

春田と牧が友達ではなく結婚していることを知った時の幸枝さんも素敵でした。2人のことを理解してそのまま受け入れているような感じがしました。
幸枝にとって、牧が息子の「友達」でいてくれる方が重要なのか、それとも牧が、自分の息子が息子らしく幸せでいることができる相手であることが大切なのか。
何が大切なのかを知っている幸枝さんは、あの短い中で考えをめぐらせていたのではないか、それができたのはATARU君のおかげなのかもと私は思いました。
結婚式に対する春田の牧への思いやりも素敵でした。
春田って本当に牧・ファーストだと思うのですよ。まずはじめに歩み寄っているのはなんだかんだ春田なんですよ。

料理を幸枝に褒めてもらって、正直に武蔵が作ったことを伝える牧、武蔵が作った料理であっても幸枝が料理を喜んでくれたことに安堵している牧に、私は泣いた。
たくさん料理がある中で幸枝が完食したのは、牧が作ったほうれん草のおひたし。
幸枝からした、純粋に美味しかったところもあるけれど、お互いに限られた時間の中で、牧からの最大限のおもてなしに対する幸枝の感謝の気持ちなのかなと思いました(涙)。
あの牧が幸枝たちとのダブルデートに前のめりになっていたところからも、幸枝に自分たちの関係、ひいては自分自身を受け入れてもらえた嬉しさが伝わってきました。本当によかったよー(涙)

おむぎ個人的な考えなんですけど、社会的に法的な権利や自分の存在証明は当然のこととして大切なんですが、個人の幸せを考えた時に、まず身近な大切な人たちに自分を受け入れてもらえる、自分たちの存在を祝福してもらえるってすごく安心するし、何より心強いところだと思うのです。春田や牧のように現時点で法的に証明されていない関係であればなおさらだと思うのです。

だからさー、本当に良かったよねー(語彙力)。

その後のみんな

春田と牧

春田は、牧の両親(そして空ちゃん)とも家族になりたいと改めて思います。牧の両親にとって自分は、現時点では他人であることを理解したから。
そして牧は、春田に「結婚式やる?」と提案します。
おむぎ個人的に「結婚式」とは、周りに自分たちの存在が受け入れられている自信がないとやりたいと思えないものだと考えてます。
今回の件を通して、春田の親ではあるけれど自分にとっては他人であった幸枝に、自分と自分たちの存在を受け入れてもらえたことは、牧にとって更なる安心と心強さそして自信となったと考えます。
ふたりだけではない、家族への第一歩となったのではないでしょうか。

マロと蝶子さんとマロの母・市

マロは、蝶子さんがハマっているフォーチミンを知ることで、蝶子さんをより理解しようと試みる。そしたらまさかの母・市もハマっていた!
趣味が同じだから理解し合える、とは限らないと私は思うけれど、市がフォーチミンのファンだと知った時の、蝶子さんのスーパーウェルカムなマインド(秒でセコム解除しました的な)、とても見習いたい。そんな満開なフジの花のような蝶子さんに市さんも心を開き喜びを分かち合っているのも素敵でした。
最終話では、マロも含めて推しは違えどフォーチミンを全力で推している3人ですが、その姿に私は涙を禁じ得ない。羨ましすぎる。


武蔵の葛藤と思い〜お花に込めたメッセージ〜

時は戻り、春田・牧宅で掃除をしている武蔵。
春田のシャツに、春田と牧の幸せを心から願っているのに、春田のことを思うとモヤモヤする自分の心に葛藤します。
本当にこの割り切れない思いって何なんでしょうかね。自分のことが自分でわからないって本当に辛い。
また、春田と牧の幸せを心から願っているのに、牧に対るす対抗心が芽生えてしまうのも本当に謎だよね。嫉妬とはちょっと違うと思うのです。
だから蝶子さんに「それって姑の感情」と気持ちに名前をつけてもらったとき、武蔵は心が救われたと思います。

武蔵が牧に姑的対抗心が芽生えるのは、私としては当然だと思います。
武蔵にとっての春田は、まさに我が子のような存在でもあるからです。
春田が入社して10年近く上司の立場で社会人・春田を育て、牧に出て行かれ人生のどん底にいた春田を生活・精神の両方から支え立ち直らせた(なんなら1upさせた)のは武蔵だからです。
そんな過去もあるから、はるたんをより愛しているのはどっちだと、競い合いたくなる気持ちが芽生えるのは、当然だと思うのです。

でも、そんな複雑な気持ちがありながらも、武蔵は紛れもなく2人の幸せを願っているのです。
春田・牧宅の細やかな家事代行や、幸枝へのおもてなし料理もそうですが、こんなところにも武蔵の思いは現れていると感じます。
花を愛する武蔵は、お花でもふたりの生活を彩っているのです。

家事代行初日(1月14日)

  • 赤色のダリア:「華麗」「栄華」

  • 黄色のガーベラ:「やさしさ」「親しみやすい」「究極の愛」

  • グロリオサ?:「栄光」「天分」「華麗」「光栄」「頑強」「堅固」

  • ナツシロギク:「集う喜び」「楽しむ」

  • オンシジウム:「遊び心」「一緒に踊って」「可憐」

総じて2人の新婚生活をお祝いしているのだと感じます。
このお花は1月16日(第2話冒頭)に生けなおされています。3本の黄色のガーベラとナツシロギクとなっていますが、ちょっと萎れかけている(涙)

牧とのキッチンバトルの日(1月18日ごろ)

  • 白のバラ:「純潔」「深い尊敬」「私はあなたにふさわしい」「相思相愛」

何本生けるかで意味合いも異なってきますが、ちなみに1本のバラの花言葉は「一目惚れ」「あなたしかいない」
生けようとした時に牧が帰ってきますが、武蔵は牧を見ながら目の前でバラの花を切り落とします(笑)。切り落とされた花は、その後春田が救出。春田と牧のダイニングテーブルに置かれました(春田のお花への思いやりも素敵)。

結婚式しましょうか?の朝(1月23日ごろ)

  • ピンクのバラ:「感謝」「幸福」「愛の誓い」「上品」「しとやか」

  • 3本のバラ:「愛しています」

言葉にできなくても、春田と牧の新たな家族の形への第一歩を武蔵なりに祝福していたのではないかと感じるのです。

こういうあたたかで粋な心遣いが、私は本っ当に大っ好きなんですよ。素敵すぎる。

たぶん、春田と牧はお花にこのような武蔵の想いが込められていることに気づいていないと思うけれど、複雑だけど大きな武蔵の愛情に支えられていることに早く気づいてくれないかなぁと思う、武蔵親衛隊隊員のおむぎなのでした。


第2話の和泉さん

第2話冒頭、春田・牧の家の隣で血を流しながら倒れていた和泉さん。
全然大丈夫じゃないと思うけど、大丈夫といって和泉さんを抱え家の中へ運んだお兄さんは、おかかおむすび専門店「おむすびごろりん」の店主だった!
負傷していた和泉さんは数日後には復帰しているけれど、何だか体調は悪そう。何があったのか知りたいけれど、とにかく今は体の方が大事。そう思い、和泉さんの手にあった手提げ袋を取ったけれど、その時に和泉さんの手に触れてしまった。その時の和泉さんは息が切れとてもきつそう。やはり傷の影響だろうか?
そして、第2話ラスト。結婚式のことにウッキウキな春田の目の前に、またもや血を流しながら和泉さんが倒れている。
救急車を呼ぼうと取り乱している春田に、和泉さん「生きてたのか」→ キッス →「うるせえ唇だな」って、どういうことーーーー?!?!?!?!

というわけで、第3話につづきます

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