ずっと泣いてたときのこと

小学校四年生のときに、私の一家は隣の市に住まいをうつした。築四十年近いぼろぼろのアパートから、ローンを一切組まずに、一軒家に引っ越した。

自分が、ついに転校生と呼ばれる人間になるのは、すこしおもしろかった。

ただ、隣の市に行っただけなのに、引っ越したところの学校の子たちはとても性格が悪い子たちだった。自分が今まで生きてきたコミュニティとは全くかけ離れた、ぎこちない冷たいところ。そういう印象があった。もともといたところでは優しく受け入れられていた自分ではダメなんだと思った。絵をかくのもやめた。

かわいい子が頂点にいる教室も、このときはじめて見た。

ほんとうに最悪だな、と思った。

今はこうやって振り返れるけど、当時の私にはショックすぎた。この前、親に謝られた。引っ越してから一年と少しの間は、苦しすぎて、作り笑いをするのと泣くのとがセットみたいなものだった。それはやっぱり親も分かっていたみたいだった。

特に、ある女の子とつるんでいるときはつらかった。

もう思い出すのも疲れるくらいには、嫌。交換ノートの思い出も、クラスみんなの前でキレたのも、なんかすごく遠く思えるし、よく乗り越えた、と思う。今普通に生きてるその子のことを今でも殺したい。その時に書いていた日記には、見返すとか復讐してやるとか、嫌な言葉ばかり書いてある。

でも私はその子のおかげで感性を叩き潰されて、また作り直しをすることになったんだと思う。すごく感謝をしている。まあ最近になってのことだけど。

復讐してやるという感情はまっすぐに、努力につながっていった。

引っ越さない世界線も、絶対楽しい。

でも私はここでよかったなと思う。過ぎたことだからこそ美化できるし。

それでいいよね?

先輩とご飯を食べに行きます