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転職で年収が1.5倍になった話

1.導入

 いきなりお金の話はいやらしいですが目を引く見出しは重要かな...と。

 大学卒業後7年勤めた会社を転職しました。
業界としてはサブコンからメーカーへの転職ですが、職種としては施工管理(せこうかんり)から施工管理です。年収は1.5倍のオファーを頂きました。

目次の9番では噛み砕いて用語解説をしているので興味あれば見てみてください。

2.自己紹介

 私は2022年現在大卒8年目の20代です。前職では電気工事の施工管理と積算(見積もり作成のことです)を担当していました。資格は1級電気工事施工管理技士、監理技術者(電気)、第二種電気工事士、消防設備士甲種4類、酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者などを持っています。

3.転職を考えたきっかけ

 30歳前後の転職って、人間関係をリセットしたいとか身体を壊して以外の転職で考えると、「同じ業界でのキャリアアップ」か、年収は下がるとしても「別の業界でのチャレンジ」の大きく2択かなと思っていて...。今回私は前者ですが、みなさんはどうですか?

 ”2.自己紹介”で触れましたが、自分の経歴と所持資格から「今の会社よりもっと評価してくれるところあったりしないかな?」って思ったんです。

 プロ野球選手がFA宣言で「他球団の評価を聞いてみたいと思いました」ってよく言いますよね。お金や契約年数のこともあると思いますが、今のチームでは若手の台頭で居場所無くなってきたけど、他のチームでより求めてもらえるならチャレンジしてみたいってことだと思うんです。

 自分も似たような感じで(会社に居場所が無いわけではありませんでしたが 笑)、単純に今の自分の”業界内での市場価値”が気になったというのがありました。それで、今の会社のほうがいいんだったらそのままいればいいし、他社の評価が結構いいなら動けばいいんじゃない?というのが動機。

4.転職活動スタート

 とは言ったものの、転職なんて初めてだしどうすりゃいいんだ?というのが正直なところ。色々探していると転職エージェントサービスなるものを見つけ、話を聴いてみることに。

その中からマイナビエージェントというサービスに登録してみました。登録料や利用料などは無料です。

※転職エージェントサービスは相談者を転職に成功させると、エージェントの元に転職者の転職先の提示年収の何パーセントがマージンとして入ってくるようになっており、そういうわけで登録料などは無しとしているようです。そのため、転職者もエージェントの言いなりになってしまうと、年収は良いけどミスマッチなところに入ってしまい失敗した...な場合もあるようです。もう一つ注意点があって、未経験業界への転職は資格も経験も無いので、転職時点で年収の上がりようがなく、マージンも知れてるのでエージェントもやる気が無い(転職者の希望と別の業界を勧められるとか)などといったこともあるようです。未経験業界への転職はエージェントを使わないが吉。

 上記のようなことも理解した上で登録しましたが、私の場合はレスポンスも早く、わかりやすいアドバイスをくださる方が担当になってくれて、本当にいい出会いをしたなぁと思いました。

 転職エージェントに登録をして、今の会社から最終内定をいただくまでちょうど1ヶ月のスピード転職活動でした。他に1社を受けたのみなので最終的に2社しか受けてません。普通に仕事をしながら平日の夜や土日に企業研究やら履歴書、職務経歴書を作成したり、面接で話すことを考えたり、(推しのラジオの締切にも間に合うようにメールを送ったり、手紙を書いたり、)この1ヶ月まーーー忙しかったですけどね...笑 自分の未来のために!

5.転職エージェントの実際

 実際にどんなことをしてもらえるのか気になる人もいると思いますので、書いていきます。

・ヒアリング

 今までの経歴、なぜ今の会社を辞めたいのか、次はどんな業界に行きたいのか、今の年収と次の希望年収、給料が下がっても休みがほしいのか、残業をしても年収を上げたいのか、既婚かどうか子供がいるかどうか(家族手当、家賃手当、控除に関連するため)、引っ越しを伴う転勤は将来的に可能かどうか、などなど私の場合は40分くらい電話で面談しました。(事前にMicrosoft Teamsを用いたカメラ越しのWEB面談か電話か選択できました)ミスマッチが起きないようかなり具体的に話ができた印象です。

・求人提示

 1級電気工事施工管理技士の資格を活かすため、施工管理の求人(現場パターンと発注者側パターン)を中心に60社ほど求人を提示していただきましたが、1週間後にエントリー企業を伝える必要があり、一つ一つに時間をかけて見ていては到底見きれないので興味が出たものを主に見ていきました。

口コミサイト(enライトハウス)にも登録して内情も参考にしつつ...。ただ、口コミサイトは辞めた人のマイナス意見も多いので全部が全部参考になるかというとそうでもないです。(現状に満足している人はわざわざ口コミサイトに書かないため。)

・履歴書、職務経歴書の書き方

  業種ごとに大まかな雛形があるらしく、職務経歴書は施工管理をしていた人のパターンを教えていただきました。かなり参考になりました。

書いたものを添削もしてもらえるのですが、ここでラジオのメール投稿経験が活きて直すところはほんの少しで済みました。累計1500通くらいメール送って50ヶ月以上毎月採用されていると、文章作成能力も身について趣味も仕事で活きるらしい!

・面接練習

 今の情勢では一次面接はWEB面接のところが多く、最終面接までもWEBで完結する企業もあるようです。なので、カメラを用いたWEB面接の練習は助かりました。私が受けた2社はどちらも一次面接はWEBで、最終面接は本社に来てくださいパターンでした。大学4年時の就活の際は面接でめちゃめちゃ緊張した記憶がありますが、部長面談くらいの気持ちで挑んだらすんなり話せました。施工管理はいろんな立場の人と会話をする業種なので喋り慣れているのもありそうですが。

・上司へ辞めると伝えるときのアドバイス

 「辞めたい」ではなく「辞める」と事後報告スタイルにしないと引き止められる可能性があること、マイナスな理由(待遇)が主だとしてもできるだけ言わずにプラスの理由(違うことにチャレンジしたい)を伝えたほうがいい。などを教えていただき、自分でも転職サイトを見つつ会話パターンを考えました。

・後日談

 内定を得た際に転職エージェントから色々伺ったのですが、やはり1級施工管理技士を持っていると工事業界は引く手数多だと。理由としては若い人が敬遠している業界なので若い人がそもそもいないこと、入ってもすぐ辞めてしまって施工管理技士を取るまで続く人がいないこと、取っても工事業界が嫌になって他に行くなどの理由で、転職市場に1級施工管理技士を持っていて転職しても施工管理をやりたい人があまり出ないということを知りました。まぁ言われると確かに協力業者では60過ぎても社長自ら現場に出ていたり、職人さんでも40代だと若いと言われますからね。もっと賃金上げないと人来ないぜこの業界とは思う。
あと平日+土曜に工事をするのはいい加減時代遅れかな〜と。

 あと、転職エージェントを利用する方の平均として10社にエントリーして書類通過するのは半分、そこから面接通過でさらに半分、最終1社で内定が出ればいいほうと話されていました。なので、おむちさんは2社しかエントリーしてないのにすぐ決まってすごいですね!とエージェントの方から言われました。それだけ工事業界は若い人がいないってこともあると思います。

6.上司へ転職の報告

 ここが憂鬱でしたね。どんな反応返ってくるんだろうと。言うまでがとにかく、ずっと頭の片隅に漂っているので早くスッキリしたい...って思ってました。

 アドバイス通り、課長に「辞めたい」ではなく「辞めます」(事後報告)と伝えました。すると、「事前に相談してほしかったなぁ」と言われました。相談すると引き止められると思った私は内定をいただいてから報告をしたわけです。残る気は無かったので...。

前の会社は人間関係はとてもよかったのですが、同業他社と比較して年収が低いためこのまま長くいても...と離職者も多い会社でした。20代のうちは世代の平均年収以上はありますが、その後は...といった感じ。

「○○くんが昇進してもらえるように掛け合おうか」と言ってもらえましたが、したとしてもそれ以上の額を内定先から提示されていたため、魅力的には映らずすみませんと、、。

結局、週末もう一回考えて!と諭され、翌週また話して~といった段階を踏み、諦め納得してもらいました。

7.前職最後の挨拶

 お世話になった今の部署のメンバー、元上司や他部署のメンバーらに挨拶をして最終日は終わりました。 

意外だったのが、複数の上司や元上司から「何かあったら相談してこいよ!」と言っていただいたことで、かわいがってもらっていたんだなぁと感じました。自分がやってきたことは間違っていなかったのかなと思えた瞬間といいますか。そういえば1級施工管理技士を取得した際も上記の方たちから「よくやったな!」と声をかけてもらっていたことを思い出しました。人間関係は本当によかったので待遇が良ければずっと居たかったですね。

親の介護のためとか、家業を継ぐため、とかどうしても辞めなければいけない...といった理由で辞めるわけではない私に対して、軽く送別会を開いていただいたり、プレゼントまで用意して送り出してもらって、ありがたいなと感じました。

8.実際転職してみてどうだったか

 人間関係がギスギスしていたら嫌だなぁーこればかりは入ってみないとわからないもんなぁと思っていましたが、転職先も優しい人ばかりでほっとしています。「わからないことあれば何でも聞いてね!」とか「無理しすぎないでね」と声をかけていただいています。

ここに来て初めて書きますが、転職先は東証プライム上場のメーカーなので、前の会社と比較して色々規模がデカイなぁと、驚いてばかりいたら1ヶ月が過ぎていました。笑 待遇面では月の残業時間はガッツリ指導され、上限を超えそうなら他の人がカバーして超えそうな人は休日を取るなど社員を大事にしている印象。(前の会社では超えた分はサ...)

 サブコンでは基本的にはその建物の設備を全部担当する必要がありますが(受注した範囲にもよります)、メーカーの施工管理ということで、自社商品を設置する範囲のみなので流れはすぐ掴めそうです。自社商品についてめちゃくちゃ勉強する必要はありますが、そういうのも詳しくなりたいと思ってメーカーを志望したので、これからおもしろそうです。頑張ります。

1日の大半は仕事に時間を奪われるわけですから、やるなら自分の興味のあることを仕事にできたほうが幸せですよね。

ここまで読んでいただきありがとうございました。


9.用語紹介

・施工管理(せこうかんり)

 工事をすることを施工(せこう)と呼ぶのですが、それを管理する職種です。施工管理は実際に工事の作業はしません。工程管理、原価管理、安全管理、品質管理、図面作成、材料発注、などが主で、各工事の専門業者に依頼する役割です。実際に作業をする方たちは別の会社所属もしくは個人事業主だったりしますが、職人さんと呼ばれており、電気工事では主に強電、弱電、防災と専門が分かれています。(余談ですが、腕のいい職人さんはフリーで施工管理より全然稼いでいる方もいるのでカッコいいですよね。)

・サブコン

 建物を建築するうえで設備を担当する設備工事会社のことを言います。建物の柱、壁、屋根、基礎などを担当するのはゼネコンと呼ばれていて建築会社がこれに当てはまります。ゼネコン、サブコンは施工管理の会社を指します。

設備工事は主に空調設備、衛生設備、電気設備の3種類あります。

空調設備は「冷暖房、換気、給排気」など

衛生設備は主に水周りのことで「給排水、洗面台、ユニットバス、トイレ、プール、温泉」など

電気設備は電気で動くもの全てで「引込、受変電、幹線、発電機、太陽光発電、動力、警報、中央監視、電灯、コンセント、照明、非常灯誘導灯、電話、LAN、TV、放送、映像音響、インターホン、呼出し、ナースコール、監視カメラ、電気錠、入退室管理、駐車場管制、自火報(自動火災報知設備の略で火災報知器関係)」などがあります。電気は専門なので詳細に列記してみました。

・メーカーの施工管理

 サブコンは建物全体の電気工事を担当すると書きましたが、お施主様の発注区分によって毎回異なるんです。自分が担当してきて多かったのは「電話、LAN設備」は空配管工事として配管ルートだけ構築して、機器と制御ケーブルはメーカー側の工事となることが大多数でした。(制御ケーブルも端子盤間の幹線はサブコン、端子盤から配線器具までの二次側までサブコンだったり、二次側配線からメーカーだったり様々です。)電話であればNTT、LANは各インターネット業者ですね。他には監視カメラや電気錠システムも空配管工事となる場合もありました。

私の転職先はこのメーカー側の発注区分となるわけですが、元請けになる場合もあれば、元請けは建築会社、二次請けにサブコンが入って孫請けになる場合もありその時々です。

・積算(せきさん)

 工事の見積もりを作ることを建築業界用語で積算と言います。設備ごとに金額を弾くので電気工事一式の見積もりは細目では上記のように項目が10以上に分かれることが多いです。

例えば、「照明設備」の明細は照明器具本体の価格、取付支持材、取付工事費、天井開口費、その他経費で計上し、電源をオン・オフするスイッチ類や電源ケーブル、調光のための制御ケーブルは「電灯設備」とすることが多いです。お客様から一緒でいいよと指示があればまとめたりします。

図面が読めて、シンボルと材料が一致して、施工法がわかっていないと精度の高い見積もりは作れないので、意外と奥が深いです。

・監理技術者(かんり ぎじゅつしゃ)

 一定の請負金額以上の工事を行う場合は建設業法により監理技術者の登録が必要になっています。1級施工管理技士を取得するとこの監理技術者になることができるため、1級施工管理技士は重宝されるというわけです。

・1級電気工事施工管理技士(でんきこうじ せこうかんり ぎし)

 施工管理技士には7種類あって、電気の他には「土木」「建築」「管工事」「造園」「建築機械」「電気通信」があり、それぞれ1級2級に分かれており1級が上位資格となっています。施工管理技士所持者は現場代理人(その現場の監督)になることができます。

私は電気科の大卒なので、1級電気工事施工管理技士は実務経験3年で受験することができましたが、電気科卒でも高卒だと10年かかるようです。同じように私が建築施工管理技士を受験するとなると畑違いなのでかなりハードルが高いですね...。

・電気工事士(でんき こうじし)

 電気工事では施工管理の資格を持っていても実際に工事をすることはできません。電気工事士を持っていないと法律違反になります。今の時代、You Tubeに”家のスイッチやコンセントを交換してみた!”といった動画が上がっていますが、壁に埋め込まれたスイッチやコンセントに電線を接続するだけでも資格が必要になっています。(コンセントにプラグを差して電気機器を使うことは大丈夫です。子供の頃からやっていますよね。)

電気工事士には第一種と第二種があり、どちらも受験制限はありません。ただ、第一種は実務経験を経ないと免状の申請ができないことになっています。第二種は交流600V以下までの低圧電気工事をすることができ、第一種は500KW未満までの高圧電気工事をすることができます。500KWを超える大規模な施設は電気主任技術者が管理することになっており、それはまた別の資格となっています。

・消防設備士(しょうぼう せつびし)

 消防設備に関わることのできる資格で、乙種は1~7類まで、甲種は特類~5類まであります。電気工事としては4類の警報がメインで、自動火災報知設備として、天井に付いている火災報知器や、壁に設置される機器収容箱(表示灯と呼ばれる赤いランプや地区音響装置と呼ばれるベル、押しボタンが収容された金属製の箱のこと)に関わることができます。4類ではガス漏れ警報器、火災通報装置も担当できます。

ちなみに他は、特類:特殊消防用設備、1類:消火栓、スプリンクラー、水噴霧消火設備、2類:泡消火設備、3類:不活性ガス、ハロゲン化物消火、粉末消火設備、5類:避難はしご、救助袋、緩降機設備、6類:消火器、7類:漏電火災警報器となっており、各類で共通して甲種では工事と点検ができ、乙種は点検のみです。

また、工業高校の学生が在学中にチャレンジすることのある危険物取扱者の上位資格というわけではありません。名前はそれっぽいですが...笑


ここまで読んでいただいた方、本当にありがとうございました!

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