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イレイザーヘッド デヴィッド・リンチ

若い頃に「ブルーベルベット」や「ワイルド・アット・ハート」を観て印象に残っていたのでNetflix探してみたらデヴィッド・リンチの作品である「イレイザーヘッド」を見つけたので観てみました。映画は全編白黒になっています。フィラデルフィアの工業地帯で働いている主人公である印刷屋の職工ヘンリーは、ある日恋人であるメアリーから彼女の家で家族を交えた食事会に誘われる。そこで彼女に妊娠している事を告げられる。しかも、生まれた子供のは首から下を包帯でぐるぐる巻きにされた何とも言え無い奇怪な生き物だった。そこから子供を交えて三人の生活がはじまる。まあストーリーはこんな感じだが、印象に残ったシーンと感想を述べてみたい。

映画自体は白黒でとても暗く、バックでは嵐の音や飛んでいる飛行機の機内にいるような音や蝉の鳴き声の様なものが絶え間なく流れている。理解不能なシーンが多く内容を理解しようとする行為を途中から諦めた。ただ所々に流れてくる明るく楽しげな音楽が自分を正気にさせてくれ、また安堵感を得られた。基本的に主人公のヘンリーはあまり喋らないが、人間とは思えないおぞましい息子にはそれなりに愛情は感じていたようだ。鳴き声を聞いて微笑んでいたり、熱がある様だったら加湿器を用意してあげたりなどしていた。映画進みヘンリーが夢を見ているシーンがあり自分の首を切られ、その首が道端に転がりそれを子供が拾い店に届ける。そしてその髪の毛から鉛筆を作るという意味不明なものもあった。ほとんど意味は不明ではあるが、その奥にある何かを感じるために私は一生懸命目を凝らして観ていました。最後までリンチ全開で映像が終わり、エンドロールにまた小気味よい音楽が流れてくると、心が何だか分からないが浄化され現実世界に戻されました。ただ数々あったクレイジーなシーンは時にあまりホラーを観ない私にとっては若干刺激が強かったかもしれない。ただそこには好むと好まざるに関わらずオルタナティブな世界が広がっていて、自分の肩の力を緩めてくれた。

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