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#1 ザ・ラストマン 川村隆 日立製作所元会長 #読書感想文

川村 隆(かわむら たかし、1939年12月19日 - )は、日本の実業家。元東京電力ホールディングス取締役会長。元みずほフィナンシャルグループ社外取締役。元日立製作所取締役・代表執行役会長兼執行役社長、同相談役。
・「ラストマンになれ」
この工場が沈むときが来たら、君たちは先に船を降りろ。それを見届けてから、オレはこの窓を蹴破って飛び降りる。それがラストマンだ。

仕事に命を懸けている気迫を物凄く感じる言葉だ。その精神性があったからこそ日立の中興の祖と言われる所以なのだろう。

・一つひとつの決断を、自分で責任をもって下して、実行して行くことの重要性が増す。

人間は立場によって見える世界が違うから不思議だ。逆に自分自身がどんな世界を見たいのかと問いかけてみることも大切だろう。

・前向きに課題を乗り越え、前進していくには、具体的にどうしたらいいか。日々誠実に仕事に向かい合い、仕事を最後までやり遂げる意志のある人がリーダーとして成果を出すでしょうし、特別な方法は無い。

初心にかえってもう一度自分を見直す。個人的には会社で社訓を唱える行為は嫌いだったけれど、最近はそれも大切なことではないかと思う。人間は当たり前のことをすぐ忘れるからだ。

・緊急事態であってもマニュアル通りに行動しようという意識が働く。マニュアルよりも「自分で何とかしよう」と思う事も大切。

マニュアルから自己判断へ移行するタイミング。その時に問われるのは自分でその責任を負えるかどうかという判断の壁にぶつかる。ここで人間は分かれる。ただ人間はマニュアル通りのままで終わるパターンが多い。立場やその時の気分もあるかもしれない。役割分担やその人にしか分からないといった人生の機微もある。だから何を称賛して何を罵倒するという行為はあまり意味が無いのかもしれない。多様な感覚を受け入れ、人間としての在り方を共有し共創する方がより重要になってくる。

・大事なのは、どん底に落ちないことではありません。どん底に落ちてから、いかに復活するか。

神谷美恵子さんの著書「生きがいについて」でかかれていた文章で ” 物凄く落ち込み海のそこに到達して、もうそれ以上は無いだろうと思っていても、また落ちていく。その様な経験の後でも彼女は仕事に目的をみいだし一歩をを踏み出す。”といった感じのものが書いてあった。人間は本当に強い生き物だと思った。深い絶望は否定しない、むしろその時はとことん落ちたほうが良い、その悲しみの輪郭を自分で客観的に把握できるから。その後、時間をかけて少しづつ生きがいを見つけて生活をしていくことが出来る、それでも、何があっても、生きていくという人間の姿に感動する。

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