見出し画像

セブンイヤーズインチベット ジャン=ジャック・アノー

1997年のアメリカ映画。オーストリアの登山家ハインリヒ・ハラーはヒマラヤ山脈への登山に向かうが、第二次世界大戦が始まりインドでイギリス軍の捕虜となる。ハラーは脱獄しチベットに向かう、そして首都のラサで好奇心旺盛旺盛なダライ・ラマ14世(当時14歳)と出会い、人種、宗教、身分を超えて交流を深める。ハラーは終戦を迎えてもオーストリアに直ぐには帰らず、ラサでの生活で自分自身の心の安定を手に入れる。しかし、中国共産党の人民解放軍によるチベット国への軍事侵略により状況が一変するが、その後ダライ・ラマとの親交をさらに深め帰国する。

景色がとても綺麗な映画だった。諸事情により映画の大半はアルゼンチンでの撮影だったそうだ。主人公のハラーは自己中心的な男だった。妊娠している妻を置いて逃げるようにヒマラヤ山脈への登山に向うような人物だ。登山のパーティとも軋轢を生じエゴイストそのものだった。そんな彼ではあったがダライ・ラマと出会いをきっかけに心が徐々に変化していく。そんなある日オーストリアの息子に会いたいが、父親とも思っておらず会いたくないとの手紙の返事が来る。そして彼は自分のエゴで妊娠している妻を残し登山に向かい戦争に巻き込まれ、息子に一度会う事が出来ない悲しみをダライ・ラマに語る。私はその時感動したのは人民解放軍の侵略下のチベットの状況にも関わらずダライ・ラマの一個人としてのハラーに対する気遣いだった。自国の情勢に対しても責任を負い、その中でも個人に対して真摯に悩みの相談を乗る。人間性の大きさが改めて偉大な方だと感じさせられた。僭越ながら私も自分の内面と向き合い、外部で何が起きようとも穏やかに生活が出来ように日々心掛けようと感じさせて頂きました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?