見出し画像

あなたは本命党?穴党?

大荒れの川崎

皆さんおはようございます。
プロ馬券師の尾本です。

ここ数日の肌寒い天気の中、水曜日木曜日と連ちゃんで川崎競馬場に行ってきました。
エンプレス杯を生で見るのがメインの目的だったのですが、水曜日は前半からかなりの荒れ模様?でしたね。
2度のカンパイ(発走やり直し)に、その後の4頭落馬事故。こんな日は数年に一度あるかないかでしょう。金沢競馬の真っ暗闇事件レベルの衝撃でした。
落馬した4名のうち3名が救急車で運ばれたようですが、町田騎手と新原騎手が骨折、最初に落馬したJRAの原優介騎手は運良く骨折は無かったようですが、しばらくは療養するようですね。皆さんの1日も早い回復を祈っております。最初の4Rのカンパイ時にゲートで巻き込まれて吹っ飛ばされた係員さんの容体も気になります。

でもまあ、そういう事も含めて色々あるのが競馬ですからね。馬券を買う方も、馬に乗る方も、ゲート係の方も、一筋縄ではいかないと言う事ですね。

馬券は本命党?穴党?

ところで皆さんは馬券を買うにあたって、何かこだわりはありますか?本命サイドの固めの馬券しか買わない、とか、穴馬を軸にした一撃必殺の3連単しか買わないとか。

楽しみ方は人それぞれで良いですし、どんな買い方にもそれなりのロジックはあります。
インスタントジョンソンのじゃいさんは超穴党で有名ですよね。彼は年間収支で考えるので、100レースに1回大万馬券が当たれば結果的にプラス…っといった考えで年間何度か大きいのを当ててニュースになってますね。
確かに大万馬券を当てた方が話題になりますし、注目も集めやすいのは確かです。実際にウン千万円の払い戻しがあって、税金が凄い事になって・・・それもニュースになり、ますます話題になる。それで知名度も上がってタレントとしての仕事も増える。「穴狙い」に特化したからこそ、彼は凄腕ギャンブラーとしてのブランディングに成功しているので、ある意味正解と言うか、実際とても賢い方だなと思います。

じゃいさんもそうですが、一般的なサラリーマンの方のように、競馬以外に本業の収入があって、それで普段の生活自体は問題なく過ごせる方は、自由に使える決まった資金(お小遣い)の中で、低確率だけど当たればデカい一発勝負の穴馬券を楽しむのは、とてもロマンがあるし、当たった時の感動も大きいので、馬券の楽しみ方の一つとしてはとても良いと思います。

一方で、私のような馬券のみで生きているプロ馬券師はどうなのか?と言う事ですが・・・

実は穴とか本命とかの概念そのものがありません
全てのプロがそうだとは言えませんが、少なくとも私は最初からそう言う概念を捨てています。
何故なら、競馬に正解は一つしかないからです。
固く決まろうが荒れようが、その競馬に答えは一つ。

馬券を当てる。つまり問題を解く。と言う過程で、最初から本命ありき、穴ありきで考えてしまっては、正解率が著しく下がってしまいます。

つまり馬券を当てるのがプロなので、固かったとか荒れたとかはあくまでも結果論なのです。

確率論で考える

パチンコをやる方ならわかるかと思いますが、1/99の確率で当たる甘デジと呼ばれる機種がありますが、座って打ち始めて数回転程度で当たっちゃう事もあれば、300回転以上ハマる事もザラにあります。大当たり確率が約1/300くらいの確率のミドル機種なんかは1000回転以上ハマる事も全然珍しくありません。

何が言いたいのかと言うと、確率が下がれば下がるほど、次にいつ当たるかなんて運に頼らざるを得ないと言う事です。
パチンコであれば、一度当たれば確率変動で当たりやすくなる事もありますが、競馬は当然そんなチャンスタイムもありませんので数年間外れ続けるなんて事も十分あり得ます。

これをプロとして他の収入が無い状態でやってしまうと、あっという間に破産します。

競馬の穴狙いもパチンコやカジノなんかも、自由に使って良いお金(無くなっても何とかなる)範囲で遊ぶから楽しめるのであって、それが収入の全てになると、とてもじゃないけどやってられません。

でもパチプロっているじゃないか!とおっしゃる方もいると思いますが、単身でプロをやっている方などほぼいません。集団で合算して高確率を目指す事で成り立っている、つまり親分と子分(バイトの打ち子)で効率よく高設定台(またはボーダー越えの台)を探し、複数人のトータルで利益を得ている状態です。
「ほぼ」いないと言ったのは私が知らないだけで、もしかしたら存在するかもしれないからです。

競馬で安定して稼ぎ続けるには、パチンコに例えるなら大当たり確率が80/100以上の機種を打ち続けなくてはならないと言う事です。

射幸心

昔から競馬好きな友人と話をしていると、こういう会話を聞くことが良くあります。

「普通に考えたらこの馬が来そうなんだけど、それだと当たっても安いから、敢えてこっちを本命にして…」

この友人みたいに、せっかく正解がわかっているのにわざわざハズレを選択する。高確率で当たる馬券を捨てて、わざわざ低確率のハズレ馬券を買いに行く。そしてレースが終わった後に「そりゃ~そうだよな」ってなる。
これはより多く儲けたいという射幸心と言うものが全ての元凶ですが、射幸心を上手くそそり続けることで売り上げも上がり、いろんな馬券が売れるのでオッズも安定して多くの人が更に楽しめる状態になる。
ギャンブルをやらない人の多くはこれを理由に

ギャンブル依存症ガーー!」

って騒ぎますが、依存症理論なんて、こじ付けてしまえば、ほぼ全ての趣味で成り立ちます。

話は戻って、1番人気から3番人気の馬の複勝率を考えたら、これら人気馬を外す馬券など、余程の根拠が無い限り考えられません。
たまに1着~3着まで全て7番人気以降の馬で3連単で数百万円の払い戻し・・・みたいな事もありますが、そんなレースは本当に稀です。でも多くの人はそういう馬券を狙いに行く。超穴馬券が出た時のインパクトが強いからですね。逆にそういうの結果のレースしか頭に残らない。
なので多くの方が、そんな宝くじのような馬券を夢見て穴馬券を買ってしまう。

プロ的に言うと、そういう宝くじ馬券は外れても良いのです。そこまで拾いに行こうとすると、収支が合わなくなってしまうからです。
稀に出るそういう超大穴馬券が外れるのは織り込み済みで、それ以外の普通の結果の馬券を確実に当てていく。
それが馬券で生活をする為の、ある意味「極意」とも言えます。

繰り返し言いますが、馬券は券種の数しか正解がありません。単勝の正解は1つ。複勝とワイドは複数の正解がありますが、馬連、馬単、枠連、枠単、そして(同着時は2つになりますが)3連系馬券も正解は1つだけです。
分かりやすく言うと、馬券の種類は色々あれど、「着順」は1通りだけなのです。

結局何が言いたいのか?

つまりお小遣いを毎月確実に増やしたい人や、副業的な馬券投資を目指す方は、基本的に穴馬券に特化した買い方はお勧めできません。
ロマンを求めて毎月決まった金額は捨ててもいい!と言う方は穴馬券に特化した買い方を続けるのも良いかと思います。

現状の自分の目的に本当に合った買い方をして欲しいなと思います。

少し長くなってしまったので今回はこの辺までにしておきます。
実践的な話を始める前に、もう少しだけ前提となる考え方的な話を続けていこうかと思っています。

長い文章を最後まで読んでいただいてありがとうございました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?