去年の夏に下書きだったんだ。

 僕がだらだらと毎日を過ごしている間に梅雨が明けていました。気温は高調子を維持し続け、日光は殺人的に降り注いでいます。上から降るに違いがないので、雨と同じで屋根があれば防ぐことができるのが救いです。僕は今、幸いなことに屋根と壁には恵まれています。

 いいこととよくないことの割合は、概ね半々だなと思います。今のいいことは上記の通り屋根と壁があること。よくないことは、エアコンの調子が悪いことくらいです。規模が小さい。小さなことからこつこつと積み重ねていくことが大切ですから。

 僕は人生で、あまり高いところに住んだことがありませんでした。自室が二階にあって、寮では一階に住み続けて、地面に根を張っているかのように生活をしていました。

    ただ、この頃の僕といえばあろうことか建物の六階部分に住み着き、地上と隔離された(と言えば大袈裟ですが)生活を送っています。いつもより空に近い場所、地に足のついていない所。本来日に近ければ暑いはずでしょうが、遠く眼下に街を見下ろしていると、なぜか涼しく感じます。

    自分の家は、自分の空間は、ある種の聖域です。静かで、澄んでいて、ひとりきりで、外よりずっと冷たい。それは冷房のせいだけではなく、外界から断絶された場所だからだろうなと思います。僕を守る屋根や壁は、外の世界の暖かさも伝えたりはしません。

    それが良いとか悪いとかではありません。ただ、少なくとも僕には、僕なりの居場所が必要だというだけですから。

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