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Vol.25 妊活中のインフルエンザワクチンについて

東京都港区北青山にあります不妊治療クリニック「表参道ARTクリニック」です。
(ホームページ:https://omotesando-art.jp/

こちらのnoteで生殖補助医療(ART: Assisted Reproductive Technology)やその周辺の分野をご説明する中で不妊について疑問、不安、お悩みをお持ちの方が「そうなんだ!」と理解できる機会をご提供できればと思っています。

インフルエンザワクチンは受けましたか?

通年、12月~3月がインフルエンザの流行シーズンといわれています。
しかし、皆様もご存じの通り、2019年12月より発生した新型コロナウイルスが世界中で大流行しています。
日本においても、2020年1月に国内で感染が確認された以降、たくさんの流行の波を繰り返しました。
現在は、一日の感染者数も減少してきてはいますが、まだまだ油断できない状況です。

一方で、インフルエンザウイルスに関しては、このような世の中で、多くの方が手指衛生やマスク着用、三密回避を意識した生活を送った影響もあり、昨シーズンからほとんど発生していないと日本感染症学会で発表されています。

一人一人が予防し、流行を防げていることはとても大切なことですが、社会全体でインフルエンザウイルスに対する免疫が低下しているということにもなります。
今後もインフルエンザウイルスの発生がなく過ごせることが一番ですが、どうなるかは分かりません。
もし今後、インフルエンザウイルスが流行したら、多くの方がインフルエンザウイルスに対する免疫が無いため、大流行になる可能性も考えられます。

インフルエンザウイルスに対しては、予防するワクチンがあります
会社や学校でも接種を呼び掛けられることも多いのではないかと思います。
高齢の方がインフルエンザ罹患すると重症化しやすいと注意喚起されていますが、妊婦さんもインフルエンザに罹患すると重篤な合併症を引き起こしやすいといわれています。
ワクチンで予防できるものは接種を行い、医療機関への受診をできるだけ少なくすることが自分にも医療現場への負担へもつながります。
勿論、ワクチン接種だけで完全に予防は出来ないため、手洗いうがい消毒の手指衛生を継続して行っていく必要があります
自分の身を守るためにも、今できる予防策を積極的に行うことが大切となってきます。

ワクチンに種類はあるの?副反応とは?

ワクチンには種類があります。

☆生ワクチン:生きたウイルスや細菌の病原性を症状が出ないよう極力抑え、免疫が作れる最低限まで弱めた製剤です。接種することにより、その病気に自然にかかった状態とほぼ同じ免疫力がつくことが期待されています。(麻疹、風疹、水痘、おたふくかぜ等)
妊活中の方は、生ワクチンの接種後一定期間避妊が必要です

☆不活化ワクチン:ウイルスや細菌の病原性を完全になくして、免疫を作るのに必要な成分だけを製剤にしたものです。(B型肝炎、インフルエンザワクチン、百日咳等)

☆mRNAワクチン:ウイルスを構成するタンパク質の遺伝情報を投与します。(新型コロナワクチン等)

原則として、生ワクチン以外はウイルスそのものに感染することはありません。

また、どのワクチンもヒトの体内で、「自分のものでないもの」と認識されるため、何らかの抵抗を示し、副反応として現れます。
一定の頻度でみられるアナフィラキシーショックや発熱などは、ワクチンによる免疫反応とされ、一般的な薬の副作用とは区別して、「副反応」と呼ばれています。

新型コロナワクチンとの接種間隔は?

新型コロナワクチン接種の時期と重なり、いつインフルエンザワクチンを受けようかと悩まれる方もいらっしゃるのではないかと思います。
厚生労働省のHPには、原則として、新型コロナワクチンとそれ以外のワクチンは、同時に接種できないとされています。
新型コロナワクチンとは、互いに片方のワクチンを受けてから2週間の間隔を開けて接種できます。

不妊治療中でもワクチンは受けても大丈夫?

現在のインフルエンザワクチンはインフルエンザウイルスを不活化したものです。
不活化ワクチンには生きたウイルスや細菌は入っていないので、接種後にウイルスや細菌が増殖することはありません。
生ワクチンとは異なり、安全性は高いとされていますが、受精卵への影響についての報告がないのも実情です。
ワクチン接種により副反応として発熱、頭痛等の体調に影響の出る可能性があります。
不妊治療の経過時期から、ワクチン接種を推奨しない時期もございますので、かかりつけの不妊クリニックの医師へご相談いただければと思います。

なお、当院では、インフルエンザワクチン接種を行っていないので、接種希望の方はお近くの医療機関へ受診をお願いしております。

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『不妊治療』と検索すると様々な情報であふれかえっていて、何が正しいのか?何が自分に合うのか?と不安になってしまいますよね。
まずはどのような治療方法があるか、ご自身にどのような治療が必要なのか、それにはどの程度の経済的な負担が見込まれるのかを正しく認識するうえでも、妊娠を希望されている方には医療機関への受診をお勧めします。
専門医に相談することで今まで抱えていた不安も少しずつ解消されることと思います。
その上で妊娠に向けて適切な検査や治療を医師や家族と相談しながら安心して進めてきましょう。

表参道ARTクリニックでは、30年以上不妊治療に携わってきた二村院長が今までの経験を踏まえ患者様一人ひとりに合わせた治療を行っております。
検査や治療に対しての必要性や費用の説明を医師が行いますので、患者様にとって安心して通えるクリニックであると思います。
様々な治療方法を提案し、患者様にも納得いただいた上での治療を行い、少しでも早く妊娠していただけることを目指しております。
「自分には不妊治療が必要かな?」と考えたら、まずは気軽にご相談にお越しください。

表参道ARTクリニック
表参道駅徒歩1分の不妊治療クリニック。
30年以上の経験を持つ院長が必ず診察いたします。
人工授精、体外授精、顕微授精などの治療に幅広く対応し、患者さん一人ひとりが納得できる治療法をご相談、ご提案します。

■こちらのnote
不妊治療を検討されている方、現在不妊治療を進めていらっしゃる方々の不安、疑問が少しでも解消するように、不妊治療にかかわる情報を発信しています。
こちらのnoteに記載の内容は一部ですので、詳細はクリニックにてお尋ねください。

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