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Vol.21 人工授精を受けるときのスケジュールと注意点

東京都港区北青山にあります不妊治療クリニック「表参道ARTクリニック」です。(ホームページ:https://omotesando-art.jp/

こちらのnoteで生殖補助医療(ART: Assisted Reproductive Technology)やその周辺の分野をご説明する中で不妊について疑問、不安、お悩みをお持ちの方が「そうなんだ!」と理解できる機会をご提供できればと思っています。

※こちらのnoteに記載の内容は一部ですので、詳細はクリニックにてお尋ねください。

不妊治療には大まかにわけてタイミング法、人工授精、体外受精があります。
今回はタイミング法の次のステップとして選ばれることの多い人工授精とは具体的に何をどのようなスケジュールで行うのかについて説明していきます。

人工授精とは

排卵のタイミングに合わせて精子を洗浄濃縮させ、良質な精子のみを子宮の奥に注入し、卵巣の奥に届くのを助ける方法で、きわめて自然な妊娠に近い方法です。
人工授精は精液検査で精子の運動量が少なかった方や、ヒューナーテストの結果が良くなかった方など自然に精子が卵巣の奥まで届くことが難しいと思われる方に用いられます。

人工授精を行うことになった際の流れを表参道ARTクリニックの場合を例に説明していきます。

1.人工授精日決定のための受診から前日まで

人工授精を希望される場合は、多くの場合月経開始後10日~12日ごろにエコーで卵胞の大きさをチェックします。
卵胞の大きさから排卵日を予測し、人工授精の日程を決定します。

また排卵のタイミングの近くで人工授精を行えるよう、必要に応じて卵胞の成熟をサポートする点鼻薬や自己注射薬が処方されます。

自己注射と聞くと驚かれる方もいらっしゃるのでそれぞれの薬について簡単に説明したいと思います。

〈点鼻薬〉
鼻の粘膜に薬液を吸収させることで、粘膜から脳に作用し、排卵を引き起こすホルモンを分泌させます。

・投与方法
スポイトで薬液を吸いあげ、顔を斜め上に傾けます。
準備ができたら片方の鼻に1㎝ほどスポイトを挿入し、鼻の粘膜に薬液を垂らします。

〈自己注射〉
皮下に注射を打つことで直接卵巣にはたらきかけて排卵を促します。

・投与方法
まずお腹の注射を打つ部位を消毒します。
その後打つ部位周囲の皮膚をつまみ、注射器の針を挿入して、指示された量を投与します。

表参道ARTクリニックでは、自己注射が不安という方には看護師と練習用キットを使用しながら方法を確認しています。
お薬を受け取り、人工授精当日に使用する精子の持ち込み方法の説明を受けたらこの日はご帰宅となります。

人工授精で使用する点鼻薬と自己注射は、どちらも一般的には投与後約40時間で排卵に至ります。
人工授精の処置は基本的に12時から行うため、2日前の20時にご自身でお薬を投与していただくことになります。
薬投与の時間がずれてしまうと、排卵のタイミングもずれてしまうため、時間は守っていただく必要があります。

2.人工授精当日

当日は朝9時に旦那様の精子を持参し、受付に提出していただきます。
(精子は当日朝採取する必要があるため、可能か事前に夫婦間で確認が必要です。)
その後培養士が、精子の検査や洗浄を行います。
精子の調整には時間がかかるので、その間外出する方もいらっしゃいます。
12時に再度来院していただき、精子の状態について医師から説明を受けたのちに、問題がなければ人工授精開始となります。

エコーで卵胞の状態を確認し、人工授精用の細いカテーテルを使用して調整した精子を子宮内に注入します。
注入後は2分ほど安静にして、終了となります。
処置自体の所要時間は10~15分です。
その後今後のスケジュールを医師と確認し、ご帰宅となります。
必要時は子宮内膜を整え、受精しやすい状態にするのを助ける黄体ホルモンの飲み薬を処方されます。
帰宅後は普段通りに生活していただいて問題ありません。

3.人工授精後

生理が来てしまった場合は、次周期以降の治療方針によって月経開始後3~5日目か、10~12日目頃に受診していただきます。(人工授精当日に医師から指示があります)
生理がこなければ3週間後に受診していただき、妊娠判定を行います。

最後に注意点について説明していきます。

注意点

・旦那様は精液量や精子濃度を多くするため、2~4日の禁欲が必要になります。
・排卵のタイミングと合わせることが重要になりますので人工授精2日前の薬の時間は厳守していただく必要があります。
・カテーテル挿入により多少出血することがあるため、当日はナプキンを持ってきておくと安心です。
・生活は通常通りで構いませんが、激しい運動は控えていただきます。

以上が注意点になっております。

人工授精に対するイメージはできたでしょうか。
人工授精は体外受精と比べると痛みやリスクが少なく、自然に近い状態で妊娠を目指せる治療法です。
治療のステップアップに不安や疑問を感じている方、人工授精に興味を持たれた方は医師や看護師にご相談ください。

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『不妊治療』と検索すると様々な情報であふれかえっていて、何が正しいのか?何が自分に合うのか?と不安になってしまいますよね。
まずはどのような治療方法があるか、ご自身にどのような治療が必要なのか、それにはどの程度の経済的な負担が見込まれるのかを正しく認識するうえでも、妊娠を希望されている方には医療機関への受診をお勧めします。
専門医に相談することで今まで抱えていた不安も少しずつ解消されることと思います。
その上で妊娠に向けて適切な検査や治療を医師や家族と相談しながら安心して進めてきましょう。

表参道ARTクリニックでは、30年以上不妊治療に携わってきた二村院長が今までの経験を踏まえ患者様一人ひとりに合わせた治療を行っております。
検査や治療に対しての必要性や費用の説明を医師が行いますので、患者様にとって安心して通えるクリニックであると思います。
様々な治療方法を提案し、患者様にも納得いただいた上での治療を行い、少しでも早く妊娠していただけることを目指しております。
「自分には不妊治療が必要かな?」と考えたら、まずは気軽にご相談にお越しください。

表参道ARTクリニック
表参道駅徒歩1分の不妊治療クリニック。
30年以上の経験を持つ院長が必ず診察いたします。
人工授精、体外授精、顕微授精などの治療に幅広く対応し、患者さん一人ひとりが納得できる治療法をご相談、ご提案します。

■こちらのnote
不妊治療を検討されている方、現在不妊治療を進めていらっしゃる方々の不安、疑問が少しでも解消するように、不妊治療にかかわる情報を発信しています。
毎週火曜金曜更新予定。
こちらのnoteに記載の内容は一部ですので、詳細はクリニックにてお尋ねください。


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