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Vol.31 胚移植を受けるときのスケジュールと注意点

東京都港区北青山にあります不妊治療クリニック「表参道ARTクリニック」です。
(ホームページ:https://omotesando-art.jp/

こちらのnoteで生殖補助医療(ART: Assisted Reproductive Technology)やその周辺の分野をご説明する中で不妊について疑問、不安、お悩みをお持ちの方が「そうなんだ!」と理解できる機会をご提供できればと思っています。

※こちらのnoteに記載の内容は一部ですので、詳細はクリニックにてお尋ねください。

胚移植とは

超音波検査をしながら子宮の最適な位置へ受精卵(胚)をチューブで吸って注入するのが胚移植です。
数日後、胚が子宮内膜にもぐりこみ、そこで分裂を開始すれば着床が成り立ち妊娠へと結びつきます。
胚移植は、体外受精・顕微授精の後に行う体に対するダメージの低い処置ですが、実際の治療スケジュールや胚移植当日の処置など不安も多いかと思います。
そこで胚移植を行うことになった際の流れを表参道ARTクリニックの場合を例に説明していきます。

1.胚移植周期開始から前日まで

・月経開始後3日目頃 先生と相談し胚移植周期開始
採血でホルモンの状態を確認し、卵巣ホルモンを補充するお薬を開始します。
内膜の状態が良くなれば胚移植の日が決まります。
順調ならおおよそ2週間後に胚移植を行います。

・月経開始後10~12日頃
採血でホルモンの状態を確認し、エコーで卵巣と子宮内膜の状態を確認します。
エコーと採血結果から胚移植日が決定し、追加の膣座薬や飲み薬が処方されます。
また、必要に応じて以下のオプションの相談をします。

オプション(詳しくは診察時に医師にお尋ねください)
・AHA(アシステッドハッチング)
胚の周りの透明帯という膜を薄く削ることで卵子を出やすくする方法
・SEET法
 胚盤胞になった卵子が入っていた培養液を胚盤胞移植の前に入れることで着床を助ける可能性を期待した方法
・GM法
 サイトカインという成長ホルモンが入った培養液を胚移植前に入れることで着床を助ける可能性を期待した方法
・G-CSF
 子宮内膜が薄くて妊娠に至らない場合、G-CSFという成長ホルモンを入れることによって内膜の厚みが出る、出なくても着床が良くなるという方法

2.胚移植当日

当日予定通り来られるか9時~9時半の間に当院に電話連絡をお願い致します。
11時に来院していただき、採血後に診察となります。
その後リカバリー室にて着替えを済ませていただき、12時ごろに胚移植(外来の診察状況により多少前後する可能性があります)を行います。

胚移植は通常麻酔は行いません。
個人差はありますが、子宮内にスムーズにチューブが挿入できた場合は、痛みはほとんどありません。
チューブが入りにくい場合は、子宮を引っ張ったり擦れたりすることで、痛みや出血を伴うことがあります。
胚移植は順調な場合、10~15分程で終了します。
その後リカバリー室に戻って着替えを済ませていただきます。
看護師から薬と注意事項の説明受け、当日は終了となります。

3.胚移植後

基本的には胚移植後7~10日後に採血を行い、血中β-hCGを測定することにより妊娠判定をします。

妊娠判定(+)の場合

妊娠継続をサポートするため薬の投与が妊娠10週くらいまで続きます。
妊娠判定日は週数が浅いため赤ちゃんが小さく、経腟エコーで赤ちゃんを確認できませんがその後は妊娠4~5週に胎嚢確認(赤ちゃんが入っている袋)、妊娠7~8週に心拍確認を行い、妊娠9週ごろまで経過を見て卒業となります。

妊娠判定(-)の場合
薬の投与を中止し、次の生理が来たら今後の相談となります。
次に行う治療により来院日が変わってきますので、詳しくは診察時に医師とご相談ください。

注意点

胚移植当日は、出血の可能性があるため生理用ナプキンをご持参ください。
終了後は通常の生活をしていただいて構いませんが、妊娠初期の可能性があるため過剰な運動や夫婦生活はお控えください。

ここまでが表参道ARTクリニックでの胚移植周期のスケジュール・注意点になります。
胚移植に対するイメージは出来たでしょうか。
採卵を経験した患者様に、「胚移植って痛いですか」と質問を受けることがありますが針を刺す採卵とは異なり、胚移植は細いチューブを子宮に入れる処置です。
スムーズに挿入できれば、ほぼ痛みはないと言われています。
不安なことなどございましたらお気軽にご相談ください。

また、上記の胚移植周期スケジュールは一例ですので、患者様一人一人に合わせ治療スケジュールや検査内容が変更となる場合がございます。
詳しくは診察時に医師や看護師にお尋ねください。

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『不妊治療』と検索すると様々な情報であふれかえっていて、何が正しいのか?何が自分に合うのか?と不安になってしまいますよね。
まずはどのような治療方法があるか、ご自身にどのような治療が必要なのか、それにはどの程度の経済的な負担が見込まれるのかを正しく認識するうえでも、妊娠を希望されている方には医療機関への受診をお勧めします。
専門医に相談することで今まで抱えていた不安も少しずつ解消されることと思います。
その上で妊娠に向けて適切な検査や治療を医師や家族と相談しながら安心して進めてきましょう。

表参道ARTクリニックでは、30年以上不妊治療に携わってきた二村院長が今までの経験を踏まえ患者様一人ひとりに合わせた治療を行っております。
検査や治療に対しての必要性や費用の説明を医師が行いますので、患者様にとって安心して通えるクリニックであると思います。
様々な治療方法を提案し、患者様にも納得いただいた上での治療を行い、少しでも早く妊娠していただけることを目指しております。
「自分には不妊治療が必要かな?」と考えたら、まずは気軽にご相談にお越しください。

表参道ARTクリニック
表参道駅徒歩1分の不妊治療クリニック。
30年以上の経験を持つ院長が必ず診察いたします。
人工授精、体外授精、顕微授精などの治療に幅広く対応し、患者さん一人ひとりが納得できる治療法をご相談、ご提案します。

■こちらのnote
不妊治療を検討されている方、現在不妊治療を進めていらっしゃる方々の不安、疑問が少しでも解消するように、不妊治療にかかわる情報を発信しています。
こちらのnoteに記載の内容は一部ですので、詳細はクリニックにてお尋ねください。

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