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12球団で構成される日本のプロ野球が特異な姿に見えるわけ

 野球ファンには伝わりにくいかもしれないが、もったいないなと思う。プロ野球が、だ。ペナントレースからクライマックスシリーズを経て日本シリーズを迎える。そして日本一が決まれば、今度はその直後にはドラフトが行われる。

 シーズン終盤の一連の展開には、プロスポーツとして圧倒的な訴求力がある。しかし普段、サッカーをメインに取材している僕には、プロ野球はいま以上に大きな産業に発展する力があると感じられる。Jリーグのエッセンスを加味することができれば、いっそう広がりが生まれると思う。

 1993年、10チームでスタートしたJリーグは、年々チーム数を増やしていき、現在J1からJ3まで計54チームの大所帯になった。48都道府県でJクラブがないのは青森、三重、滋賀、奈良、和歌山、島根、高知、宮崎の8県。このうち、現在JFLでJリーグ参入を目指しているクラブがある県は5あるので、身近に応援すべきクラブを持たないファンは、47都道府県の中で高知、島根、和歌山の3つの県民だけになる。

 年々クラブが増殖していくJリーグのこうした姿について、チーム数が多すぎて全体図がよく分からないとか、リーグ戦の戦いに関心が持てないという声をこれまで幾度となく耳にした。


 一方、世界の各国リーグは、ほぼすべてこのスタイルで、ウン十年中間やってきた。やり方を変えようという声も挙がっていない。つまり、日本でそうした声が挙がるのは、慣れていないからと考えるのが自然だ。

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