今日のお題「志望動機」

課題 
志望業界に対する志望理由を書いてください。(求人があれば)


求人があればと書かれているが、実際にアメリカ村にある楽器店が障害者枠での求人を出していたので、早速アポを取るという流れになった。なので履歴書に書くのを想定しつつ、職員さんに一緒に作るであろう志望動機の文面の参考になればという感じで単純な志望理由をつらつらと書いてみた。


 自分は元々人助けが好きな性格だった。小学校では養護学級でダウン症の子の相手をしていたり、高校では車椅子の友達が階段を上がる手伝いを毎朝していた。
 自分のこの精神を活かせる仕事はなんだろうと考えた時に、自分の持つ知識を分け与えるのが一番良さそうだと感じ、学術方面を志望していたが、大学を中退することになり、失意の底にいる時にYouTubeで流れていた米ロックバンドWeezerの「Pork and Beans」に出会い、とても精神的に助けられた。今まで「助けられた」という思い出がなかった自分にはなかなか衝撃的な感覚だったのを今でもよく覚えている。

俺は自分がやりたいようにやるんだ
あんたに何か言われる筋合いなんてない
ポークビーンズと一緒にキャンディを食べてやる
行儀が悪いって?そいつは失敬

あんた好みの服なんてわざわざ着ないよ
自分はこの格好のほうがイケてるんだ
鏡を一目見てうっとりしちゃうね
つまり周りがどう思おうが俺には興味ないんだよ

 という感じの歌詞。日本においては致命傷である「普通」という名のレールから完全に外れた自分には持ってこいの楽曲だった。初めて聴いた人は一日中リピート再生していたぐらい。この曲は半音下げチューニングなので、このためだけにペグを緩めていた。
 
 ロックやパンクには励まされ、メタルにはガッツポーズをする勢いで奮い立たされ、エレクトロでは音のシャワーを浴びエクスタシーを感じ…としているうちに、「音楽を通して人助けがしたい」と思うようになり、一番得意だったシンセサイザーの音色を活かせるトランスミュージックを深堀りすることに決めた。
 最も影響を受けた楽曲は、Talla 2XLCのShineだ。この曲がなかったら今の自分はなかったかもしれない。墓場に持っていきたい楽曲のひとつだ。クラブミュージックは「他の楽曲へ橋渡しする」というDJ用に作られているので、そういったサポート的な制作方法も自分にはしっくりきた。そうして長い下積み修行を経てなんとかプロデビューを果たした。自身の楽曲制作に加え、他アーティストの楽曲のリミックス、DJと幅広く活動させて頂いた。どれも貴重な経験だ。

 その後、シビアな競争世界への息苦しさが強まり、さらに追い打ちをかけるようにクラブではダブステップが台頭。自分のやっているジャンルのアーティストもダブステップへシフトしていく事が多かったが、自分はそれを好意的に思うことが出来ず、身体的にも精神的にも調子を崩してしまい、活動を停止し療養に専念。
 入院中は好きな音楽を聴くことすら許されず、「音が欲しい」という一心だった。院内売店でノートを買って五線譜を引き、頭の中に置いてある楽器を演奏させて、それを楽譜に書き起こして脳内再生して過ごしていたぐらい。退院後は就労移行支援のサポートを受けながら「やっぱり音楽に関わる仕事がしたい」という信念のもと本格的にこの業種での求職活動を始めた。昨年は大阪のメジャーレーベル本社でお話する機会を設けて頂いたが、お互いの意見や求める音楽性が合わず決裂。精神障害への偏見も多分にあったと感じる。

 これまでは海外での活動だったので、第二のスタートは地元である大阪を拠点にし、自分の培った経験や知識、ノウハウを後進の育成に活かせられたらという思いが強い。入門者には価格的にも見た目的にも最適な楽器の選定、中級者には取り扱いの難しい部品のメンテナンスや改造、上級者にはマニアックなセールスポイントを提示して購入を決めるサポートや制作におけるちょっとしたテクニックを伝授をといった具合。さらに日本ではマイナーな米英以外の音楽を、様々な企画を展開して日本に取り入れるという橋渡し役になりたいという思いもある。この多様化社会、芸術においてもテレビやラジオで流れる売り出し中な音楽だけでなく、本当に好きなのはコレだと決められるように色々な選択肢を提供したい。可能性はかなり多岐にわたりそうだ。自分にとっても、企業にとっても、そして社会にとってもベストな仕事に就きたい。仕事は学校ではないのは重々承知だが、それでも仕事を通して自己成長を追い求めていきたい。座右の銘は「新手一生」ならぬ「シンセ一生」だ!

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