今日のお題「プロ意識」

課題:8月26日
・あなたにとってプロ意識とはなんですか?(また、プロとして尊敬できる、すごいなと思う人はいますか?どんなジャンルでも構いません。)


 プロフェッショナルというとたいそうな言葉に聞こえるが、世の中で働くほとんどの人は何かを専門にして生計を立てている。職人技でなくとも、接客だったり、フォークリフト運転士だったり、政治家だったり、料理人だったり、もちろん介護福祉や医療もそうだ。このようにざっくりとしたプロフェッショナルの中に細分化されたプロフェッショナル、つまり二言目に出てくる単語が自分が思うプロ意識かなと感じる。

 プロと言ったらその道全てに明るいような印象を持たれてしまうことが多いが、実際には「ココだけは誰にも負けません」というのがプロっぽい。例えば、肩書きに「プロ」とつくプロ棋士といっても全ての戦型で戦えるという人はそうそういない。
 将棋は大まかに2筋の飛車先を伸ばす「居飛車」、5筋から左辺へ展開させる「振り飛車」という2つに分類できるが、振り飛車が得意だからといって居飛車も同じぐらい得意というものでもない。羽生九段や橋本八段のような「オールラウンド」というタイプでも、やはり振り飛車しか指さない!という棋士には研究量や経験数で劣っている。大事な勝負ではもちろん得意な戦型を採用するから、真のオールラウンドプレイヤーはほんの一握りしかいないだろう。
 同じくプロ野球選手といっても、やはりプロの中にまたプロがいる。こちらは大まかに分けても投手、捕手、内野手、外野手の4種類。投手はそもそも打率を期待されていないし、料理人だからといって古今東西全ての料理をおいしく作れるわけがない。

 自分は音楽業界で一応プロとしてやってきていたが、それも音楽というジャンルの中のひとつのジャンルに過ぎない。極論だが、音楽をやっているからといって、バロック時代からロマン派のオーケストラ、ジャズ、ポップス、演歌、ロック、カントリー、メタル、エレクトロニカ、クラブ・ダンス等と全方位カバーなんて出来るわけがない。
 昔はよく「音楽やってるのにこの曲弾けないの?」といった事を言われたものだが、演奏方法や音の使い方がまるで違う。そういう時に自分はよく「それは松崎しげるに本場ノルウェーのようなブラックメタルを歌ってとお願いするようなものだよ」とジョークを交えて言い返していた。
 
 そういった具合で、本来の意味でのプロフェショナル(職業、専門家)の中でも特に個性を出せるものはなんだろうと考える時にプロとしての意識を再確認する事が多い。自分は楽器の中でも特にエレキギターとシンセサイザーが得意なので、このキャリアを活かして次世代の方々へ自分の持っているものを惜しみなく伝えるような仕事に就けたらなと思う。

 「一流であるためには、人には真似されない芸が必要だ」 – 大山康晴 (1923~1992)

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