今日のお題「クラウドファンディング」

課題
・コロナウイルスにより「クラウドファンディング」が注目されています。これについて、どのようなものか調べ、ご自身が考えるメリット・デメリットを記入してください。また、ご自身がクラウドファンディングを始めるとしたら、どのようなことを実現したいですか?


 注目されているというのは少しニュアンスが違うように感じるが、コロナ関連でクラウドファンディング(以下CF)が多くの業種が続々と流れに乗っかる形で運用を始めているのは事実。透明化を徹底した支援金そのものの募集から、そのメリット・デメリット、リスクや炎上といった危険性もいまいちわかってなさそうな個人単位まで、本当に多種多様だ。
 かくいう筆者も昔CFを利用したことがある。ユカイ工学の「Qoobo」という愛らしいクッション型セラピーロボットの開発資金に数万円を出資した。

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 発表された時点で「あっこれはかわいい…販売まで余裕でいけるな」と確信した。実際CFでは目標額の247%もの資金調達(1,200万円)に成功。開発プロジェクトとしてはほぼほぼ終わっていたので実際は事前購入のような形だったが、これが自分にとって初めてのクラウドファンディングへの参加だった。自分が送ったお金はQooboの最終的な開発調整や、マーケティングなんかの資金に使われたのだろう。
 家に届いてワクワクしてQooboを取り出したが、充電器が入っていない事に気づいた。すぐにメールで問い合わせたら、次の日には発送しましたという返事のあとに「おもち様のQooboにも、お食事をおあずけすることとなり大変申し訳ございませんでした。」となんとも愛情溢れるユーモラスな文言が。ロボットにとって充電は食事なのだ。充電器もすぐに届き、なんとか我が子はお腹ぺこぺこになる前に食事が出来て本当に良かった。こうしたメーカーのちょっとした対応で消費者の目はコロッと変わるのを熟知しているなと感心した。任天堂やLogicoolなんかもこうした神対応で有名だ。想像以上のサポートすぎて、その伝説は度々記事にされている。

 ユカイ工学はこのQooboの成功を受けて、次はプチQooboの開発に着手。初代Qooboの目標額よりもさらに低く設定し、「43分で目標金額の100%を達成!調達資金の総額は目標額の2671%!」という投資の素人が見ても「なんかすごいことになってるな」と印象付ける狙いが決まった形だ。ビジネス感アリ、遊び感アリ、そしてクオリティに自信アリの三拍子が揃っている経営戦略には非常に好感を覚える。
 その後もいくつかのプロジェクトに出資したが、全て順調に回っているみたいだ。投げ銭以上投資未満というゆるさがこの資金調達方法の最大のメリットだろう。多少の損失は授業料として十分に納得できる。

 こうした成功例もあるが、大多数のプロジェクトはそもそもCFがどういうものかすら知らないまま始めてしまい頓挫する。または株式のように配当やリターンのない寄付型という点に目をつけた、いわゆる「乞食行為」を平然とやっている人間もいる。ここ最近ではYouTubeやTwitch、その他ライブ配信サイトでも配信者に直接お金を渡すことが出来る「投げ銭システム」が導入されているが、それの延長線上だと考えている感じだ。
 どちらにせよ、その運用のハードルの低さから「楽してお金を得たい」というだけの思いで開始しただけで、プロジェクトとしてのゴールが不透明だったり、得た資金をプロジェクト以外のものに使ったりとで炎上するケースが多々ある。これらは完全に支援者の善意を悪用しているので弁明する余地はなさそうだ。

 さらに、出資と言ってもやはり知名度に勝る広告はなく、寄付型、購入型、配当型、どれをとっても有名人や大手企業にお金が集中することになる。そんな中に個人経営のお店や芸能人でもない人間がプロジェクトをスタートさせたところで誰の目にも入らないのが実情だ。わざわざCFを利用する必要性があまりない。地元密着型の事業ならなおさらオンラインで支援者を集う理由もない。
 コロナ関連でのCFも、実際のところ集まった資金を本当に操業資金に全額つぎ込んでいるかの監視も難しい。CF大手CAMPFIREでの支援総額が最も多いプロジェクトは四日市市の「さきめし券(割引券のようなもの)」をリターンとして募ったもの。3億円近い支援金が寄せられているが、それだけの金額を本当にコロナ復興のみに使うのだろうか?むしろコロナ以前よりも収入が増えてしまっていないか?という疑念が生まれる。
 個人でみると、アイドルがエッセイ本を出版したいからというだけで目標金額を大きく超え3,500万円もの支援金が集まっている。生産や販売といった実務はもちろん会社がすることだし、アイドル個人としての事業内容のどこにこんなお金が必要になるのだろうか?コアなファン達が送ったこの数千万円というお金は余剰金という名のもと実質利益として所属している会社の懐に流れてそうだ。これがアイドル界隈の闇深い面である。

 ふるさと納税、ユニセフや赤十字への寄付、ウィッシュリストのような個人へのプレゼント、推しへのお布施なんかがごちゃまぜになってしまっているのがクラウドファンディングの現状だ。コロナウイルスからの復興に関してだけでいえば、好きな人や好きなお店ではあるが不透明感のある流行に乗っかっただけのプロジェクトに支援するよりも、公的機関に直接支援金を送って国家としてバランスの取れた分配をするほうが理にかなっていると思う。チャリティを否定するわけではないが、特定の地域や企業が潤ったところで出来ることなんて限られているし、そこはさすがに国を信じようよと言いたい。
 こうした動きは寄付の価値観の薄さ、政治への関心の無さが目立つ日本人ならではという感じだ。CFも冒頭の通り、その規模に関わらず「どうやら楽に資金が調達できるらしい、まわりもやり始めているし自分もやってみるか」という浅はかな考えのプロジェクトが目立つ。CFはあくまで事業としての出資を募るのだから、支援する側も「実現させる具体的なビジョンはあるか」「目標金額は適正か」「自分が本当に興味関心のある事業内容か」といったビジネスの目線を持ち、しっかりと見極めて出資先を選ばなければならないのだ。


 自分はすでにウィッシュリストを作ってモノの寄付を募っているが、将来的にはお金のファンディングも目指している。自身で運営すると中間マージンも人件費もかからないのが何より大きい。この方式を採用することで、いくら高くても一人が全負担で購入するしかないウィッシュリストの弱点をカバーすることが出来る。リターンはビジネスとしてのお金の配当に加えて、販売される楽曲の制作風景や秘話の投稿、支援者でしか聴けない未発表楽曲の提供、支援者の名前を書いたお礼直筆サイン入りアルバムの贈呈といった感じでお金には代えられない付加価値を足していきたい。
 とにもかくにも質の高い作品を作ることからだ。ビジネスでも芸術でも、流れに追い付き追い越し、旗を振って最先端を突っ走ることが出来たらなと思う。


~オマケ~

 東日本大震災では自分は日本赤十字社へ3万円支援した(NHKやユニセフなんかもあったが、医療や衛生が心配で、ここが募金先では一番確実性があると思った)のだが、それを父親に言ったらどえらい怒られた。「そんなもん(大震災)になんでカネを出さないとあかんねん!」という事らしい。それじゃ今度の南海トラフで大阪が壊滅しても何も言っちゃいけなくなるよと言ってもフンとなって聞かずだった。慈愛というかなんというか、人間としての温かみを持っていない。そして何より、お金の使い方が下手すぎることにがっかりした。
 戦後の時代もあって共産主義どころか旧共産圏自体を「あいつらは給料が同じだから皆真面目に働かない。だからいつまでも貧乏なんだ。お前はあんな風にはなるな」と事情も知らず決めつけて批判しアメリカや資本主義を崇拝しているが、「ではなぜうちは貧乏なのか?資本主義だと頑張れば頑張った分だけお金が入るのだろう?それどころか企業に投資すれば汗をかかずともお金が得られるのにどうしてしないのか?毎日のように残業しているが、アナタの収入はその労力に見合った金額だと信じているのか?」と聞きたくて(煽りとも言うが)仕方がなかった。老後の余生を暮らす現在も貯めたお金を投資に回さず資産は減る一方だ。

 かたやエガちゃん。大震災の知らせを受けて「何かしなくちゃ」と2tトラックを借り、水や生理用品、ペーパータオルといった生活必需品をパニックに陥った東京でなんとかかき集めていわき市へ。でもトラックとはいえ一般人が東北へ行く道は封鎖されている。そこでエガちゃんは自衛隊の変装をして「緊急」と書かれた札を持ちなんと検問を通過。現地に着いても「被災者を怖がらせないように」と放射線用のカッパも着ずに配布。
感謝されながら帰ろうとした時に一人から「あれ…え…江頭さん?江頭さんですよね!?」と、ここではじめてサングラスに帽子もかぶって正体を隠していたエガちゃんがバレてしまう。バレてしまったら仕方がないから、「物資遅れてごめんなー!」と感謝されるべきところなのに謝り、ひとしきりいつものネタをやって皆とハイタッチ。最後は恒例の「あ、バイトの時間だ!」で帰ったという伝説がある。売名行為として動かないのが彼だから、江頭が来たことは内緒にしてほしいと関係者へ言い回っていたらしい。カネよりモノのがよっぽど大事だろうという発想、そしてそこからの行動が早すぎて聖人すぎる。そしてこの話が出回り出してイメージアップしたらすかさず下品にイメージダウンしていくスタイル、まさに人間の鑑だ。
 いざという時の行動でその人の人格、本性が出る。自分も咄嗟の時にこれだけ動ける人間になりたいものだ。

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