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「余市・小樽間の鉄路とバス転換について」

令和6年余市町議会第2回定例会で一般質問させていただきました。

※こちらのnoteはメモ書きを元に書いた要約です。
正式な議事録は後日、余市町議会Webサイトに公開されます。

※町長に答弁いただきました。

質問


北海道新幹線並行在来線対策協議会では、北海道新幹線の札幌延伸開業時に並行在来線廃止・バス転換の方向で協議が進んでいるとの事ですが、後志ブロック会議は昨年5月以降開催されていません。
その間に、ダイヤ改正によるバスの減便、北海道新幹線札幌延伸開業の延期が正式に発表されるなどの変化があり、本町における公共交通が今後どのようなものになるのか、不安の声も聞かれます。

以下お伺いします。

①    令和5年10~11月頃に予定していた第17回後志ブロック会議は、バスルートやダイヤ等に関する関係者との協議が調い次第、開催予定との事ですが、本町が最善だと考えるバスルートやダイヤの構想についてお伺いします。


答弁「道から提案されたものはあったが、バス会社と協議したものではなかった。協議会の中で、山線をそのままバスルートにする必要はないとの発言もしたが、協議会の中で新幹線延伸のメリットについて質問したところ、経済効果との回答だった。そうであれば、新幹線駅へのアクセスが必要だが、それについては考えていないとの事でした。私の構想としては、常に余市・小樽間を走っているシャトルバスのようなものがあれば、良いと思っています。」
 
 

②  町長は、余市・小樽間に関しては、迅速性と利便性が損なわれない限りはバス転換を容認します。」と発言されていましたが、「迅速性と利便性が損なわれないバス転換」が実現可能である根拠としてどのようなものが提示されたのか、また、実現が不可能となった場合のお考えをお伺いします。


答弁「根拠の提示はなかったが、確約は頂いた。バス転換合意は、迅速かつ大量輸送の確保が前提。それが崩れる場合はバス転合意を撤回します。」
 
 

再質問「前回までの協議会では、根拠の提示はなかったとの事で承知しました。バス転換の撤回とは、鉄路の再検討を求める可能性もあるという事でしょうか?」
 
 
答弁「現在、バス以外の方法は鉄路しかないので、鉄路という事になると思います。」
 
 
 
 

③    3者協議の中で、前倒しに関する質問がありましたが、町長は原則として並行在来線の経営分離は新幹線開業時であり、前倒しになるのであれば別途協議が必要と発言されていました。もし今後、前倒しに関する協議が開催された場合、本町が示す姿勢と見解についてお伺いします。



 
答弁「本町としては、前倒しに同意しません。」
 
 


④    今年1月に、余市駅で乗客が電車に乗る事が出来ない「積み残し」が2度発生しました。余市町民はもちろん、観光にも影響が出る問題だと思われますが、本町の姿勢と見解をお伺いします。


「今後積み残しの原因究明と改善は事業者がやるべきことだと思いますが、町として(所管から)要請はしていると思いますし、今後積み残しが発生した場合は、要請していきたいと考えています。」
 
 
 

⑤    バス転換を容認する以前、余市・小樽間の鉄路を第三セクター方式で残す方法を検討されていましたが、財政負担に耐えられないとの事で断念したと認識しております。
国から最大50%の補助を受けられる社会資本整備総合交付金の活用は検討されたのか、また、どの程度の財政負担であれば可能と判断されるのかをお伺いします。


 
答弁「社会資本整備総合交付金の活用は検討していません。」

 
 
再質問「社会資本整備総合交付金の活用は検討されていないとの事ですが、地域公共交通活性化再生法が令和5年4月に改正され、この時に社会資本整備総合交付金の対象に「鉄道の再構築事業」が加わりました。今後、鉄路を再検討される事がありましたら、ぜひこの交付金の活用をご検討いただきたいです。今後、鉄路の再検討が行われた場合には、再度、第三セクター方式について検討されるお考えでしょうか?


 
答弁「第三セクターについては財政的に考えていないが、バス転換の前提が覆り、今後鉄路の再検討される場合は、社会資本整備総合交付金の活用した場合の財政負担についても検討していくことになると思います。」

 
※協議会の中で、輸送密度の高いところまで廃止するのはいかがなものか?と町長が意見したことで、地域公共交通活性化再生法が改定されたそうです。
 
 
 
再質問「今後の北海道新幹線並行在来線対策協議会の協議では、バス転換についての具体的な内容が協議されると思いますが、本町、そして北海道全体が新幹線開業による様々な効果を感じられるように、建設的な協議がなされことを期待しております。最後に余市町民に向けて、余市・小樽間の鉄路とバス転換についての町長の想いを伺って終わりたいと思います。

答弁「余市町民の利便性確保を第一に考え、新たな拠点の整備なども行い、余市町民にとって利益があるものにしていきたいと考えています。」



 

【メモ】
※令和6年5月8日 新幹線延伸延期正式発表。
※経営分離後30年間の累積赤字額206億円(道試算)
※道庁試算人件費 80名体制 年間4億2千万円
※同規模の第三セクター鉄道会社 30名体制 年間1億3千万円
 
 


【補足・北海道新幹線並行在来線対策協議会議事録を読んで感じた事】
 
輸送密度が2000名を超える余市・小樽間よりもはるかに少ない輸送密度の鉄路が存続されているにも関わらず、余市・小樽間の鉄路存続については国の支援がないとの回答で、余市・小樽間の鉄路の廃線及びバス転換問題は、国全体で方向性が定まっていない事が最も大きな問題ではと感じました。

また、町長が厳しい状況の中で最大限の事をされてきたことがわかりました。迅速性と利便性が損なわれないとの条件を確保し、本町において新たな交通拠点や交通ネットワークを整備するということについても、最大限努力していくとの確約をもらい、利用者の便益が下がらないようにと、しっかり釘を刺される発言をされていました。

 
※北海道新幹線並行在来線対策協議会議事録はこちらのWebサイトに掲載されています。


※北海道新聞記事


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