見出し画像

天使か悪魔か妖精か

 天使はいつも本当のことを言う。悪魔はいつもウソをつく。妖精は気まぐれで、本当のことを言うこともあれば、ウソをつくこともある。

○ 数学の授業中に「場合分け」の練習のつもりで出した。

 目の前に天使か悪魔か妖精がいる。彼が「私は天使ではありません」と言った。彼は何者か?

○ その発展形を定期試験に出した。

 A,B,Cの3人のうち、1人は天使で、1人は悪魔で、1人は妖精である。A,B,Cが次のように言った。
  A:「私は天使です
  B:「私は悪魔です
  C:「私は妖精です
 さて、A,B,Cはそれぞれ何者か?

○ 自分のことでなく、他人のことを言い始めると俄然わかりにくくなる。

A,B,Cの発言が次のようだったら、どうだろうか。
  A:「Bは天使ではありません
  B:「Cは悪魔ではありません
  C:「Aは妖精ではありません
この場合、A,B,Cはそれぞれ何者か?

○ 続いて復習として長期休み中の課題にも出した。

 Aさんが歩いていくと、道が左右に二股に分かれていた。片方は天国に通じる道で、もう片方は地獄に通じる道である。どちらが天国に通じる道で、どちらが地獄に通じる道かは分からない。
 分かれ道に何かがいる。天使なのか悪魔なのかは分からないが、天使か悪魔かのどちらかである。
 Aさんはその者に1つだけ質問できる。さて、この状況で、天国に至る道を確実に知るには、どんな質問をしたらよいだろうか?
<ヒント:裏の裏は表である。ウソのウソはホントになる!?>

 【1】から【4】に向けて段々と難しくなります。
 では、ここから《解答・解説》です。楽しんでくれれば、それでOKです。


天使か悪魔か妖精か(1)

 ここでもう一度前提条件を確認しましょう。

 天使はいつも本当のことを言う。悪魔はいつもウソをつく。妖精は気まぐれで、本当のことを言うこともあれば、ウソをつくこともある。

 さて、最初の問題は、

 目の前に天使か悪魔か妖精がいる。彼が「私は天使ではありません」と言った。彼は何者か?

(ⅰ)彼が天使だとすると、彼がウソをついていることになって、矛盾する。
(ⅱ)彼が悪魔だとすると、彼が本当を言っていることになって、矛盾する。
(ⅲ)彼が妖精だとすると、本当を言っていることになるが、矛盾しない。
以上から、彼は 妖精 である。

 なお、上の設定の最後の部分を「彼が「私は悪魔です」と言った」と変えても問題は成立します。
 その場合は、
(ⅰ)彼が天使だとすると、彼がウソをついていることになって、矛盾する。
(ⅱ)彼が悪魔だとすると、彼が本当を言っていることになって、矛盾する。
(ⅲ)彼が妖精だとすると、ウソをついていることになるが、矛盾しない。
以上から、やっぱり彼は 妖精 だということになります。

天使か悪魔か妖精か(2)

 A,B,Cの3人のうち、1人は天使で、1人は悪魔で、1人は妖精である。A,B,Cが次のように言った。
  A:「私は天使です
  B:「私は悪魔です
  C:「私は妖精です
 さて、A,B,Cはそれぞれ何者か?

○ Aの発言は天使でも悪魔でも妖精でも言えることだが、天使が言えるのはAの発言だけ。
  B,Cの発言を天使がしたら、天使がウソをついていることになってしまうからである。
  したがって、Aは天使 である。
○ Bの発言に注目しよう。実はこの発言は妖精にしか言えないことなのだ。なぜなら、
 ・「Bが天使」なら、Bがウソをついていることになるから、矛盾する。
 ・「Bが悪魔」なら、Bが本当を言っていることになるから、矛盾する。
 ・「Bが妖精」なら、妖精が何を言っても矛盾しない。
  以上から、Bは妖精 である。
○ Cの発言は、天使は言わない(ウソをついていることになる)が、悪魔と妖精は言える。
  ところで、Bが妖精であることは上でわかったので、Cは悪魔 である。
以上から、《答え》は「A:天使B:妖精C:悪魔」 です。

天使か悪魔か妖精か(3)

A,B,Cの発言が次のようだったら、どうだろうか。
  A:「Bは天使ではありません
  B:「Cは悪魔ではありません
  C:「Aは妖精ではありません
この場合、A,B,Cはそれぞれ何者か?

 前の問題は「自分のこと」を語っていたわけだが、「他人のこと」を語るとより難易度がアップします。
○ 「Aが天使」ならその発言「Bは天使でない」は正しい。矛盾しない。
  このときBとCは悪魔か妖精かのどちらかであるが、
 ・Bが悪魔だったら、Bの発言「Cは悪魔でない」が正しいので、矛盾。
 ・Cが悪魔だったら、Cの発言「Aは妖精でない」が正しいので、矛盾。
  以上から、Aは天使ではない。
○ 「Aが悪魔」ならAの発言「Bは天使でない」がウソ、すなわち「Bは天使」ということになる。
  このとき「Cは妖精」となるが、B(天使)の発言が正しいから、矛盾しない。
  よって「A:悪魔 ,B:天使 ,C:妖精」がありうることになる。
○ 「Aが妖精」ならAの発言は無視して考えてよい。
  このときBとCは天使か悪魔のいずれかだが、Cの発言「Aは妖精でない」がウソなので、「Cは悪魔」である。
  そうなると「Bは天使」だが、Bの発言「Cは悪魔でない」がウソなので矛盾する。
以上から、《答え》は「A:悪魔B:天使C:妖精」です。

天使か悪魔か、天国か地獄か

 Aさんが歩いていくと、道が左右に二股に分かれていた。片方は天国に通じる道で、もう片方は地獄に通じる道である。どちらが天国に通じる道で、どちらが地獄に通じる道かは分からない。
 分かれ道に何かがいる。天使なのか悪魔なのかは分からないが、天使か悪魔かのどちらかである。
 Aさんはその者に1つだけ質問できる。さて、この状況で、天国に至る道を確実に知るには、どんな質問をしたらよいだろうか?
<ヒント:裏の裏は表である。ウソのウソはホントになる!?>

《解答例》
「天国に通じる道は右側の道ですか?」と聞かれたら、あなたは「はい」と答えますか?
※ 彼が「はい」と答えたら右側の道へ、「いいえ」と答えたら左側の道へ進めばよい。
※ 最後の問題、テストで出せそうな形は こちら をどうぞ。

◇      ◇      ◇

論理クイズ 〜 
▷ n枚のカード問題 
▷ 天使か悪魔か妖精か
▷ 帽子は何色?   

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?