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試験と仕事の差

 先日、授業中にプリントを配って数学の問題をやらせた。学年は高校2年。生徒の一人が「何か見ながら、誰かと一緒にやっていいですか?」と言った。その言葉をつかまえて、僕は黒板に書いた。黒板の端から端までいっぱいに(↓)。何しろ生徒たちが問題を解いている間、暇だったし。

試験VS仕事

 書き終わって、僕は言った。「1年後の力をつけようと思うなら、上の方式でやれ。3年後の力をつけようと思うなら、下の方式でやれ」。生徒たちが頑張って問題を解いている横で、チャチャを入れているようなものだ。
 こうなると、皆それぞれにやるだけだ。教科書を開く人、他人の答案を覗き込む人、相談する人、黙々と一人でやる人。みんなが自分にとって最も効果的なやり方でやろうとする。当初僕が言った「テストやるよ」はもはや成立していないが、そう、それで良いの。
 そして思ったんだが、テストするのは、生徒側の事情というより学校側の事情なんだよね。つまり、成績をつけるために、合と否に分けるためにテストしてる。そういう面もあるというより、むしろそれが現実だ。
 授業が終わった後に一人の生徒が言った。「上のやり方に何か意味があるんでしょうか?」。答えて僕は「それも一つの力なのかなぁ。下の力とどうつながるのか、つながらないのかはわからないけど」。

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働く意義 と 学ぶ意義 〜  
▽ 仕事論、3連発   ┬ ▷ 試験と仕事の差  
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▷ 学力とは「学ぶ力」 └ ▷ 働く意義と学ぶ意義

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