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4段論法

 理由を挙げる練習、反論する練習をしてきたところで、まとまった文章を作ってみましょう。私が「4段論法」と呼んでいる書式を紹介しましょう。

◇ 私は(・・結論・・)と考える。      ← 結論をズバリ言う
◇ 確かに(・・反論・・)だが、
  しかし(・・退ける・・)である。     ← 反論を想定する
◇ なぜなら、(・・理由1・・)。
  また、  (・・理由2・・)。      ← 理由を3つ挙げる
  さらに、 (・・理由3・・)。
◇ 以上から、私は(・・結論・・)と考える。 ← 結論を繰り返す

 全体としては7行構成になりますが、役割としては4段に分けられますから「4段論法」です。その名称は、もうお分かりのように「3段論法」をもじったものです。3段論法は「正しい論理」のうちの1つですが、ここでやる4段論法は「議論の論理」を展開するためのひな型で、ですから4段論法は全くもって「正しい論理」でないこともご承知の通りです。
 でも、この論法、汎用性ありますよ。日常生活でも使えます。たとえば、「マック VS ラーメン屋」。

今日のお昼はマックに行こう。  ╏  私はラーメン食べたいわ。
確かにラーメンにも惹かれるが、 ╏  確かに昨日もラーメンだったけど、
しかし今日はマックがお得だ。  ╏  マックよりはマシでしょ。
なぜなら、ボクは割引券持ってる。╏  だって今日は寒いから。
また、マックはおいしい。    ╏  それに、ラーメン実はヘルシーよ。
さらに、長居ができる。     ╏  角のラーメン屋、本に出てたし。
以上から、マックがいいと思う。 ╏  ねっ、ラーメンにしよっ。

 中には怪しげな理由も混じっているかもしれませんが、3つ挙げれば何とかなります。
 上の例はともかく、高校生という文脈で言うと、この論法はもっともっと有益に使えます。大学入試の「小論文」です。まずコンパクトに各行30字で書いたとして、それだけで30×7=210字になります。それをちょっと詳しく書けば、あっという間に500字です。具体例を挙げるなどして膨らませれば、1000字なんてすぐそこです。
 小論文を書くときの骨格を作るのに、このひな形は最適です。何のひな型もなくとりあえず書き始めるより、ずっといい小論文が書けると思いますよ。むしろ書くことがたくさん出すぎて、取捨選択に困るくらいでしょう。

 そういえば、かつてこんなことがありました。ネット上の友人が、頼んでもいないのに、4段論法の文例を書き込んでくれました。こんな文面です。

私は4段論法なんて嫌だな。             ← ズバリ言う
確かに書き易いのかもしれないけど、         ← 譲歩して
しかしそれじゃつまらない。             ← 先制パンチ
なぜなら、楽しくなかったら文章を書く意味ないでしょ。← 理由を挙げる
また、これじゃ自分らしさが出せそうにない。     ← 他にもある
さらに、3つ目の理由なんて屁理屈にしかならないもん。← まだある
以上から、私はこんな書き方、絶対しないわ。     ← ダメ押し

 「うまい!」と思いましたね。見事に4段論法で、4段論法を評価してくれました。そしたら、また別の友人が書き込んでくれました。

いや、4段論法なかなかいいんじゃない。
確かに型にはめるのはどうかと思うけど、やっぱりけっこう使えそう。
他にひな型って聞いたことないし、
多少は型を変えて使っても構わないと思うし、
なんやかや言って、○○さんの文章(※注:上の文章)読みやすいし。
てゆうか、○○さんの文章、4段論法そのまんまじゃん。

 今度はちゃっかりアレンジして使ってくれました。こうしてマイナス評価とプラス評価の2つのサンプルをいただきました。

◇      ◇      ◇

自分の考えの作り方 〜 
▷ 2つの視点で語る ┐      
▷ 理由を3つあげる ┤      
▷ 反論する     ┴ ▷ 4段論法

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