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好きなことをやって生きていく

僕が山ちゃんと山に行った数はそう多くはありません。両手で数えられるほどです。
でも僕は彼女を尊敬していました。彼女の生き方や山への取り組み方に共感を得るものがあったのです。
彼女が仕事を辞めてヨーロッパアルプスへ行ったときのこと。行きたいところがあれば自ら誰かを誘って行動する。いろいろなことにストイックなところも。
会でどちらかといえば少数派のフリーも彼女はしっかりやっていたと思います。
小川山の「ジャックと豆の木」を登ってる彼女の次の目標は「クレイジージャム」だったはずです。

私は彼女の形見としてトーテムカムを貰いました。
もう冬も間近の昨年11月末に親指岩に向かった僕は宿題を片付けた後にクレイジージャムをトライしました。もう2年前に登っていますが、貰ったトーテムカムを使って彼女と共に登ろうと思ったのです。しかし、この1年の間フェイスばかりだった僕は出だしから躓き、トップアウトするのも散々な有様でした。
「増田くんに替わりに登ってもらうなんて私そんな弱くないよ!」って言われてるような気がしてなりませんでした。

好きなことをやって生きていくことは簡単のようで難しい。山が好きで山梨に移住した僕ですが、最近はフリーばっかしで山を歩かないことが多くなってます。行きたいんだけどフリーに時間を割いてしまいます。少しくらいやらなくても落ちはしないのに。もっとフレキシブルに行けばいいのに。彼女のように。
でも、今一番やりたいことをやれてるんだからいいじゃないか!!とも思ってます。
今年はトーテムカムをこれでもかと使い倒してやるつもりです。
ふとしたときに山ちゃんの笑顔を思い出すときがあるような気がしてます。




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