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東北クライミングツアーを通して

4月27~5月6日、東北クライミングツアーに行ってきた。
限られた時間でどうトライしていくかとか、食事のこととか、いろいろなことを学ぶ。

まずは、この場にてこの旅を企画してくれた翔ちゃんに深く感謝を申し上げる。
巨大なテント、食事、プランニングそして初めて会う人たちとのコミュニケーションなど感謝しても仕切れない。
そして、翔ちゃんを筆頭によーこさん、やよいさん、北川さん、つねちゃんありがとう。とても刺激を受けた日々だった。

今回のツアーでわかったことは、ツアーのためにしっかり休んでおかなくてはならないと言うこと。
見知らぬ土地、長距離移動に初めて岩場に立ち向かうために必要なのはフレッシュな身体だった。
前々日も、前日もクライミングしていて移動日がレスト日って考えは改めなくてはならないだろう。
その中でも前々日のジムトレで背中の右側を痛めてしまったのは痛恨で前半のひょうたんケイブでは引きずってしまった。

そしてこれは仕方のないことだけど、特に前半に飯を食い過ぎた。作ってくれたものも含めて美味しすぎたし、せっかく遠くまで来て節制は嫌だ。でも日々の爆食は登りに多少影響していたろう。

26日に月稜のみんなが河又で登るというので、群馬で東北メンバーと集合予定だったので参加させて貰うも、背中の痛みが如実に出てきてほぼ何も出来ず、かなりの不安を残す。群馬までの運転中もズキズキ痛む。武甲温泉でサウナに入るも気持ち痛みが引く程度だった。

日付変わって翌日のAM1時に群馬の翔ちゃん宅に集まり、運転交代、仮眠と野暮用を挟みつつ13時半頃に岩手県岩泉にある龍泉洞近くのキャンプ場着。https://club.montbell.jp/sp/privilege/fshop/search/disp.php?shop_no=895022
ここのキャンプ場はいろいろ行き届いていてほんとに良かった。
到着日の今日はレストとして龍泉洞を散策。石灰クライマーたちのオブザベ大会が見物。

龍泉洞

28~30の午前中龍泉洞ひょうたんケイブでのクライミング岩手滞在中は天気も良くクライミング日和だった。とは言ってもモダンなどの日向は暑かったけど。しかし、最初に触った南部せんべいという課題で右手ガスをしたとき、やはり背中はまだダメなんだと再認識させられた。
風の又三郎(5.11A)は無事オンサイトに成功。
そして次に触ったロックショー(12b)がいけなかった。ひょうたんケイブの大ルーフの半分をガバで大胆に登るこのルートは常に濡れてるルートが多い中でも比較的トライされている。朝イチはダメでも時間がたてば大事なホールドは乾いてくる感じだ。しかし、ホールドがメチャクチャにガビガビでやばい。最初にこんなに打ち込んだもので初日にしてメンバー全員手に深刻なダメージを受けてしまう。フラッシュトライが2テンだったもののその後はどんどん高度も落ちてしまったのであった。

ロックショー

お風呂は龍泉洞ホテル内にある日帰り温泉に通った。ここのサウナ、そして水風呂が最高だった。
モダンエリアの星と嵐(12b)にもトライ。
こちらはロックショーとは違った赴き。ガバでダイナミックなトラバースからテクニカルなハング越えに垂壁クライミングと内容が素晴らしかった。こちらも結局ばらせても繋げるための身体にないし、2日目にしてもう手のひらが限界に来てる。早々に見切りを付ける。

青森の方たちがトライしていた亀屋万年堂(11c)をトライするも見事に核心で撃沈。左手ピンチからの1手が悪く、持ち感もビックリするほど悪かった。でもこのルートはとても楽しい!
結局最終日の午前中も何にも登れずにヌンチャク回収DAY。
ルートへの取り組み方を完全に間違えたと思う。三崎ではこうならないように。そう思った。

いつの間にかみんなでラジオ体操

岩手から秋田へと横断。夜半から降りだしてきたので今宵は某所にて宿泊。
翌日は三崎公園キャンプ場にて幕営する。
5月1日はレスト日、翔ちゃんはテレワーク、ようこさんは山菜採り、自分はテントで読書したり。
夜に3人加わり大所帯に。
お風呂は眺海の湯。ここも良いところだった。

三崎公園キャンプ場から

5月2~6日 三崎海岸
初日はしっかり10台から。そして今回のツアーでトライした中でも最も素晴らしいと思った課題であるホラ貝(5.11C)にトライ。
長さも、見た目も、内容もほんとに素晴らしい!!

ホラ貝の核心
なかなか長い

とにかくルートの質が素晴らしい。
同じ岩質の城ケ崎よりもムーブもホールディングも多彩だ。
ホットラインスペシャルを触って初日は終了。

2日目
ホットラインスペシャルを朝一で登る。ポッケからの遠い一手、そしてスペシャルは白鳥(511a)とホットライン(511d)で使うガバを使わずに悪いカチを使って右にトラバースする。
カチ好きにはオススメ。

ホットラインスペシャルを登る北川さん

ボルダリーな出だしが楽しいイルカショー(511a)を登ってからこの地の代表的なイレブンであるスフィンクス(5.11c)をトライ。
持ち感の悪いホールドでレイバックするこの課題は三崎初期の課題とのことだけど普通に悪い。漢なら核心部はレイバックだけで押し通すべし!!笑

そして、ここ三崎海岸はメチャクチャ暑い。西日が直で当たるので日中はホールドがホカホカ、そして日陰も少なく生きてるだけで辛い。
しかも午前中はホールドが濡れていたり湿っていたりでなかなかコンディションを掴むのが大変だ。それでも昼夜の気温差が少ない日は朝一から登れる。

スフィンクスは2便目で登れた。まだホールドは暑いけど気合いで登った。このスフィンクスを半分登って右に別れるのがレッドイーグル(513a)だ。

この頃になると背中の痛みも少なくなってきたし、日中暑すぎて本数出せないのが功を奏しているのか身体も疲れていない。良い感じだ。

そして3日目。朝一でホットラインを登りついに熱き心への挑戦権を得た。でも今回はスーパー熱き心ダイレクト(5.12c)をトライする。
残りの二日間はこの課題と向き合うことに。
ちなみにホットラインの方がスペシャルよりもオススメ。

スーパー熱き心ダイレクト

やはり目を引くラインだ。写真は核心のランジシーン。
つねちゃんがツアーを通してずっとトライしていた。
1便目では核心の遥か手前でテンション。ホールドは良いけど向きの悪い距離出しな出だしは落ちるとちとこわい。
ガバレストからの嫌らしいトラバースは地味に消耗しそうだ。そしてランジ体制へ入るのもちょっと小悪い。そうこう徐々にムーブを解決し、いよいよランジへ。
するとどうだ。リーチもあり僕の場合はランジというよりもリップに手が届くときに足が切れるに留まったのだった。しかし、そのフラレがなかなか止められない。何度かの挑戦でフラレを止められたもののマッチできずクリップが出来ない。
3便目くらいでようやくヌンチャクを掴んでクリップ出来たが、それでもマントルが返せなくてメチャクチャ苦労した。マントル返したらあとは長い5.8位のフェイスとなる。

新よし カキフライ定食 美味

4日目
この日がツアー最終日。朝一から向かうと岩は乾いている。しかし、いつものように熱き心ラインは下部のクラックからは染みだしが出ていてガバもびしょ濡れ。一番手が掃除してクラックにティッシュを積めて止水工事する。
自分は熱き心を黙々とワークして快適化に勤めた。

核心のランジ

みんなのホラ貝への本気トライを見届けたあとにいざ熱き心!と思っていたらなんとヌンチャクが外されてしまっていた。意志疎通が出来ていなかった。残念だけど仕方ない。また来年と思い、最後にホラ貝をトップロープで回収しながら登らせて貰った。

その日の眺海の湯で僕は悔しくてならなかった。今の自分にあの課題が登りきれるとは思ってはいない。でもクライマーとして、自分がどこまでやれるのかわからずに帰って良いのか。せめて駄目元でもやらなければ、僕は課題への取り組み方を考えるとき、一生今日の事を思い出すだろう。
明日の午前をください。そう頼んだらしょうちゃんは快諾してくれた。ようこさんも。良かった。ほんとにありがとう。

6日は間違いなく、今回の三崎ツアーで一番のコンディションだったと思う。それでも濡れてる所は濡れてるので作業する。

自分のヌンチャクで本気トライ出来るってのはいろいろな意味で気持ちが良い。
そして、最初で最後の本気トライ。ランジもどきからのフラレを止められずにフォール。
でも思わず最高のトライが出来た!!と。
そのあとマントルでもテンションして結局2テンだったけどほんとにやって良かった。
ここまでやれた自分に、そして機会をくれた二人に心からの熱き感謝を。

ランジへ

帰りにババヘラアイスを食って、美味しい海鮮を食べていざ群馬へ。

酒田海洋センターにて
ババヘラアイス 

初めての岩、自分にしては初めてのツアーから得るものは多かった。課題への取り組み方や過ごし方も含めて将来のクライミングツアーに繋げていきたいと思います。

次に来るときは熱き心をすぐに登ってレッドイーグルに挑戦するつもりです。




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