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ResponsibilityとObligation の間

正しい事を突き通すのは意外に難しい。

今年から大学院に通い始めた。週一回平日に通学、単位を稼ぎつつ研究を進める。自分が興味を持って意味があると思えるテーマをやれるのが有り難く、また、その副産物的な副科目で縁が広がっていくと言う構図も面白いなぁと感じている。

ただ、そうなれば、病院から離れることになって、どうしても診療密度は落ちる。それが直ちに質低下となるような臨床はしていないつもりだけど、それでも自分が留守中のことは大きく気にかかる。特に今までなら自分で引き受けて全力で戦うのが良いと思っていた喀血などの挿管症例については、大いに悩む。

そもそも1人で診ていけると言う発想が間違っていると言う批判もあると思う。それこそ24時間365日間戦う気持ちがあっても、通常は戦えない。人間は、そこまでの強さはない。

でも、自分の勉学を理由に他人へ依頼すると言ったプロセスは本当に正しいのだろうか。せめて、そう言う症例を持った時には手を下ろすべきでないか。患者へのresponsibilityが疼く。

一方、進学の為に様々な人が手を打ってくれた事もあり、学位取得をする事、後進達の道を作るロールモデルとなる事、これもまたObligationだ。

自分が思う正しい事を貫く事は難しい。確実なのは本当に正しくありたいなら諦めるしかない、と言うことだ。

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