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240710【本編】O.レスピーギ 交響詩『ローマの松』・J.ガーシュウィン小品他

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新しいお札見た?っていうはなし
この時期急な豪雨とかあるからここから一週間くらいは気をつけて
カフェはなのみち さん 来週の火曜日 16日に 第2回行われることになったはなし

今週の音楽 今日取り上げる方はイタリアの方でオットリーノ・レスピーギ
代表曲 小さめの合奏のための古い形式で作られた リュートのための古風な舞曲とアリアと呼ばれる3つの組曲 特に第3組曲が有名  今日はもう片方の代表曲 ローマ三部作 こちらは非常に大きなオーケストラを使用する音楽で そのローマ三部作から 久しぶりに ローマの松
華々しい貴族の邸宅の庭 今はローマ市民の憩いの場になっている広場の松を表現した第1部から

O.レスピーギ 交響詩『ローマの松』/洗足学園音楽大学/SENZOKU GAKUEN college of Music

(番組では佐渡裕指揮 兵庫芸術文化センター管弦楽団の演奏で聴いていただきました)

O.レスピーギ 交響詩『ローマの松』 ボルゲーゼ荘の松

すごく華々しい音楽 ヴィオラにとっては非常識なくらい高い音のトリルで始まる  このローマの松 という曲 4つの部分で出来ている 貴族の邸宅の庭であったローマ中心部の公園 タイトルがボルゲーゼ荘の松 今は市民の憩いの場として開放されていて ローマのだいたい中心部にある スペイン広場とかトレビの泉とかのそばにある広大な公園 レスピーギが見ていた ボルゲーゼ公園 レスピーギが27歳のときにこの公園が貴族の邸宅からローマ市が買い上げて 市民のために公開された 子どもたちが自由に輪になって遊んでいたり 兵隊ごっこをしたりする 子どもたちのさざめきと 人々の賑やかで楽しげな表情 その広場には もちろんその貴族の邸宅だった頃から数百という松が植えられていて その 幸せそうなローマの人々を見下ろしている そんな風景 この音楽の4つの部分 それぞれの松の表情を表していく曲 それぞれの場所はもちろん それぞれの松が見下ろしている時代までが ひとつひとつ違う


O.レスピーギ 交響詩『ローマの松』 カタコンバの松

ものすごく華やかなローマ中心部で子どもたちが自由に遊んで人々が賑やかに楽しく過ごしていたボルゲーゼ荘公園の松のシーンが終わって 風景が一変した 第2部 我々人間は 頑張って生きていてもせいぜい100年の命 それに対して松なんて何百年も生きる この第2部でレスピーギは4世紀前後のローマに焦点を当てます。ここから この部分のタイトルが変わってカタコンバの松 

カタコンバというのは 高校で世界史を勉強した方は フランス語でカタコンブ イタリア語でカタコンベ という言葉を習ったことがあるかも 英語でカタコームと呼んだりも 古代キリスト教の共同墓地のこと その単数形が カタコンバ ローマ付近にはたくさんカタコンベの遺跡が存在 少なくとも40箇所ほどのカタコンベがあって レスピーギが焦点を当てているのはその中の一つのカタコンバ

今ではキリスト教の総本山のようにも言われるバチカンがあるローマ ローマというのは古代 たくさんの神々に彩られた宗教があった ギリシャ神話に端を発する神々が ローマ独自の呼び名で呼ばれるようになった ギリシャでゼウスっていう神様がいると それと同じ神様がローマではユピテル  英語に直すとジュピター 美の神様ヴィーナスとか お酒の神様バッカスとか 英語になおすと有名なところだけでもたくさんの名前を僕らも知ってる 要するに多神教の宗教だった

神々の街ローマだったところに キリスト教が入ってくる はじめはたくさんいる神様の一人として 特に問題視していなかったローマの人たちも キリスト教の人たちがこれまでに無い考え方を持っている  ようするに 神は一つしかいないという考え方が相容れなかった たくさんの神様がいた文化に ほかの神様はほんものじゃない と考える人がやってきたみたいなはなし

カタコンバっていう古代キリスト教の共同墓地は 日本の天草の隠れキリシタンのような ローマで 異教徒だと迫害を受けたキリスト教徒たちの 隠れた信仰の場所でもあった

ローマにはそんな歴史があって それを長い歴史の中で眺めてきた松の木 という描き方 このカタコンバの松のシーン第2部が終わると 今度はまた現代に近い時代に戻ってローマから川を挟んで向かい側の小高い丘の夜の風景が始まります。非常にソリスティックで美しい部分


O.レスピーギ 交響詩『ローマの松』 ジャニコロの松

この第3部は オーケストラの中でも非常に音が少ないというか ソリスティックな部分 クラリネットが2分近い 非常に息の長いソロ クラリネットはこの第3部を通じてほぼ主役級の活躍 そこから フルート チェロパートのユニゾンソロ そしてここからは弦楽器各パート1本ずつのソロで月夜の丘に吹く風のような夜の風景を表現する

この部分のタイトル ジャニコロの松 ジャニコロというのは ローマ市中心部から西の方 テヴェレ川を挟んだ向かい側の小高い丘 今は展望台みたいな場所があって 川越しにローマの街が一望できる素晴らしい風景

こないだ ピアノコンチェルトを聴きながらだったか コンチェルトじゃなくて オーケストラの中のピアノの話 今でもオーケストラの中にはピアノが入ることは少なくて どちらかというとハープのほうが入る場合が多いのはなんでだろうという話した このローマの松とくにこの第3部にはとても有効にピアノが使われていて 月の光が降ってくるかのような素晴らしい印象を残してくれる

この部分の最終盤のあたりに レスピーギはちょっとおもしろい仕掛けをしている この第3部  どちらかというと 最後の第4部を前にして 基本的には静かに静かに終わっていく 一番最後 ピアノが 月の光が降ってくるかのように ピアノの そんなきらびやかなソロを経て また 主役のクラリネット そして最後に出てくるのが 

鳥の声 ナイチンゲールの鳴き声 これ レコードが指示されていて その部分はステージ上でそのレコードを蓄音機で流せっていう指示 これが 世界で初めて 録音を演奏に使った例 実際は水笛で似たような音を演奏したり 今の時代なので その音源を録音したレコーダーとかを会場のスピーカーに繋いで使う場合が多い これ2019年に 実際にこのレコードを ほんとにでっかい蓄音機で鳴らす っていうのをNHK交響楽団がやった  プロオーケストラにしかできない演奏


O.レスピーギ 交響詩『ローマの松』 アッピア街道の松

第4部 アッピア街道の松  非常に小さな音で始まる アッピア街道に やってきた霧のかかった夜明け アッピア街道 ローマからイタリア南部に至る 紀元前300年に築かれた長大な石畳の街道 やはり名高い松の並木に見下されている道

遠くから軍隊の足音が聴こえてくる 戦いに勝ってイタリア南部から戻った凱旋の行進 それは確実に近づいてきて そして イメージでは 軍隊が目の前に至るときにあわせて日が登り 高らかにイタリアの勝利を歌い上げてこの音楽は終わっていきます 第4部 アッピア街道の松 圧倒的なフィナーレで ローマの松 の幕を閉じていく


ディスカバー・ザ・クラシックス
【説明】ディスカバー・ザ・クラシックスというコーナーは元になった音楽とその音楽をカバーした他のジャンルの音楽などを並べて聴いて貰うコーナーです。

ジョージ・ガーシュウィン 『ラプソディ・イン・ブルー』

今日は 7月にまつわる作曲家の中から 昨日お誕生日だったレスピーギの作品の中から 久しぶりにローマの松 ローマ三部作をはじめとして日本のオーケストラの演奏機会も多い 

このコーナー やはり7月にまつわる作曲家 こちらは明日7月11日が没日の ジョージ・ガーシュウィン たったの38歳で亡くなってしまったアメリカの大スター作曲家 お聞きいただいているのは 大ヒット曲 ラプソディ・イン・ブルー
今日のカバー アメリカの ラリー・アドラーっていう方 『グレイティスト マウス オーガン マスター』マウスオーガン っていうのが何の楽器か

ラリー・アドラーの演奏で ガーシュウィンのメドレー
ザ マン アイ ラヴ
アイ ガット リズム
ラプソディ・イン・ブルー

(番組ではガーシュウィンメドレーをお送りしましたがYouTubeに音源が無いのと晩年のラリー・アドラーの映像を見つけたので)

フリートーク

今日は昨日が誕生日だったイタリアのオットリーノ・レスピーギとアメリカのジョージ・ガーシュウィンとお届けしています。ここからもガーシュウィン作品を追っていきましょうか。

番組ではこちらのディスクからお送り致しました。

番組後半はたくさんのメッセージで盛り上げていただきました。ありがとうございました。BGMなどで使用した楽曲はこちらです。

Liza / 葉加瀬太郎&古澤巌

Embraceable You / 葉加瀬太郎&古澤巌

S Wonderful / 葉加瀬太郎&古澤巌

Our Love Is Here To Stay / 葉加瀬太郎&古澤巌


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