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しましまねこクックの物語

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オリジナル羊毛フェルトのねこの人形「クック」のお話し本編です
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しましまねこクックの物語

今までイベントテーマに合わせて閃くままに書いていたので話があちこちに跳んでしまっているので今年は整理していこうと思っています。 noteをもっとマメに更新するぞ!の決意でした。 今までの主要登場人物たち↑ よろしくお願いいたします! #人形#可愛い#手のひらサイズ #猫人形#動物人形#猫が好き #羊毛フェルト#羊毛フェルト猫#羊毛フェルト人形#着せ替え人形 #羊毛フェルト作品#人形好きな人と繋がりたい#ボタニカル#マリン雑貨#動物雑貨#ねこ雑貨#インテリア雑貨 #おも

vol.8 白粉の女の子

しましまねこクックの友達クロタは、クロタの住む黒いマンションごと消えてしまいました。それは5月の新緑眩しい日の出来事でした。 その翌日、クックはクロタのマンション跡へ行ってみるとそこは黒い花が咲き乱れ、しましまねこの女の子が立っていました。女の子はクックの知っている「モモ」という子によく似ていましたが「ナーナ」と名乗りました。ナーナは「ここに喫茶店を立てようと思うの。」と教えてくれましたが、それからすぐに、クックの住む港町は長い長い梅雨へと入ってしまい、クックはその間、ナー

vol.7 夜更かし猫のルナ

「るな~」「るな~」 長い梅雨が明けてジリジリと強烈な日の差し込む中をしましまねこのクックは急いで歩いていました。 後ろから呼ぶ声がまた聞こえます。「るな~」 クックが振り返ると、小さな白いお婆さん猫がよろよろとよろけながら必死に走って来るのです。そして何かに躓いて白いお婆さんは転げてしまいました。 驚いたクックは急いで駆けよりお婆さんを抱き起こしました。 「あらぁ・・ごめんなさいね。息子のルナと後ろ姿がそっくりだったの・・」 「ルナという子もシマシマの猫ですか?

vol.6 黒猫の喫茶店

(これまでのお話) しましまねこのクックは仲良しのクロタと一緒に旅に出ることになりました。クックは約束の日の朝、クロタの住む黒いマンションの前でクロタを待っていましたが、クロタは約束の時間をとうに過ぎても外へ出てきませんでした。心配になったクックがマンションの中へ入ろうとすると、なかから3匹の大きなトランクを持った猫が飛び出してきてクックをバカンスへと誘います。クックはそれを断りクロタが出てくるまで待つことにしました。しかし三匹の猫がバカンスへと旅立つと、途端に辺り一面が漆

vol.5 バカンスに出掛けよう

クロタを待ち続けたクックは擦れた声で叫びました。 「クロタ!!」 しかし、マンションの扉から元気に飛び出してきたのは、大きなトランクを持った3匹の猫達でした。 その中の黒い猫が言いました。 「君、ずっとそこに居るのが窓からみえていたよ。」 「友達を待っているんだ。」とクックが答えると 「友達は猫かい?どんな猫だい?黒いのか?白いのか?茶色なのか?毛は?長いの?短いの?ああ・・もしかしてミケ?錆猫?」 矢継ぎ早に聞かれてクックはたじろぎます。クックは兔スーツの中の

vol.4 クックとクロタ

桜も散ると、とたんに緑はぐんぐんと力をみなぎらせ成長を止まらせることはできません。それは、何かになろうと必死に手を伸ばし何かをつかもうとする勢いのようでした。 街は緑に飲みこまれ、人々はみなそわそわと落ち着きを失い始めました。 一瞬もじっとしていられず、どこかへ旅に出たいと思い始めます。 しましま猫クックも、そのひとりです。友人のクロタを誘って少しばかり旅に出てみないかと提案しました。 話しを聞いたクロタはすっかり乗り気で、ふたりは「何も決めない旅」に出ることにしまし

vol.3 マリーとルリー

マリーとルリーは 楽しいことや 美しい街を 求めて お出かけするのが 大好きな姉妹です。 ふたりは西の城下町の春の 里 を、 たっぷり楽しむと、 今度は桃色に 染まった をとめの雛祭りの 噂を 聞きつけました。そして 早速 お出かけの 準備を 始めたのです。 おやっ? 雨が降ってきましたよ 。春の雨がふたりの部屋の 窓をノックしました。 マリーとルリーは今度は大急ぎで春色の長靴を買いにいく計画をたてはじました。 しましまねこのクックの物語 3話目を更新しました。 マリ

vol.2 桃の花の妖精

ある年の春のことでした。 しましまねこのクックは我慢できないお腹の痛みに襲われて倒れてしまいました。 その時に運ばれたのが、くろくま先生の病院だったのです。 くろくま先生はたいへんな名医と評判でした。なにより気さくで暖かく不思議なほど頼れる先生だったので患者はみんな先生の顔を見るとホッとして、この先生に任せておけば大丈夫という気持ちになるのでした。 さて、運びこまれたしましまねこのクックは、これは急いで手術をする必要があると診断され、あれよあれよという間に、色々なチュ

vol.1 赤いくつをはいていたねこ

港町に住む しましまねこのクックは 赤い風船を 追いかける赤い靴を履いた白ネコと出会いました。 白ネコは風船を追いかけているうちにすっかり迷子になってしまったと今にも泣きそうでした。 白猫に頼まれて クックは 一緒に風船を 追いかけました。 そうしてるうちに ふたりは すっかり仲良しになりました 。 赤い風船を捕まえた赤い靴を履いていた白ネコは 無事に自分のお家に帰って行きました。 少女塾様企画展 第廿二回 ◆赤色紅色お伽色◆にて展示販売させていただきました **