最弱・病気男子・『腹』男(17)とパピ山パピ子(17)の場合

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〜@MAN____PIECE & @CHUPACHUPAPII編〜


「はい!『腹』男の負け~!罰ゲームは隣のクラスのぱぴ子に告白して1ヵ月付き合うこと!」

「げ~、あのデブ女のぱぴ子と付き合うなんて最悪~!『腹』男、頑張れ~!」

「まじかよ~!そりゃないぜ~!」

学校一のモテ男であるこの俺、最弱・病気男子・『腹』男が学校一のデブ女のパピ山パピ子と付き合うことになってしまって…!?

「俺と付き合ってください…!!」

「えっ…!」

私、パピ山パピ子!花も恥じらう17歳の高校生!けど、ちょっとご飯を食べすぎちゃって絶賛小太り中!この少し太り気味な体型のせいで冴えない学園生活を送っていた私だけど、先週から私すごく幸せです!だって学校一のイケメン、最弱・病気男子・『腹』男くんが告白してきて付き合えることになったんですもの!今までおしゃれにも気を遣ってなかった私だけど、これを機におしゃれをしてダイエットにも取り組んでいるのだ!

「『腹』男くん!今日はお弁当作ってきたの!一緒に食べよう?」

「お、おう。」

学校一のイケメンこと、俺、最弱・病気男子・『腹』男は少し前から友達との罰ゲームでこの学校一のデブ女、パピ山パピ子と付き合うことになってしまったのだが。最初は嫌々付き合っていたこの関係も半月も経つと少し慣れてきた。しかも最近、パピ子のやつちょっとおしゃれに気を遣ってかわいくなってきたっつーか。偶に作ってきてくれるこのお弁当もめちゃくちゃ美味しくて、実はこいついい女なんじゃないかなって思い始めている俺がいる。気も利くし、なにより明るくて、罰ゲーム限りのこの関係も実は悪くないのかもな、なーんて。

「お、『腹』男じゃん!なんだよ、まだパピ子と付き合ってんのか?律儀に1ヵ月も付き合うなんてお前も真面目だな~!ただの罰ゲームだろ?」

「えっ...!そんな『腹』男くんが付き合ってたのは罰ゲームだったの...?!酷い...!『腹』男くん、最低!」

「あ、おい、待てよ、パピ子!最初は罰ゲームだったけど、俺、いつの間にかお前のことを...」

私は走った。酷い...酷い...『腹』男くん!私は『腹』男くんのこと本気で好きだったのに...!罰ゲームだったなんて、許せない!殺してやる。惨たらしく殺してやる。いや、私を弄ぶなんて死すら生ぬるい。まずはネットに奴の悪口を書こう。これからネット社会で生きていけなくしてやる。奴が悪いのだ。罪には相応の罰が必要なのだ。社会が、法が、それを為さないのなら私がそれを代行する。いや、もはや罪の有る無しなど関係はない。罰を科す私と科されるべき他者がいればいいのだ。罪と罰は表裏一体などではない。罰を科す私が裁定を下せば罪は成立するのだ。よって奴は有罪。あの最低野郎。殺してやる。あらゆる手を使って殺してやる。

あと、あの取り巻きの連中。あいつらも普通に許せない。そもそもこんな奴らとつるんでいる時点で、奴の人間性もたかが知れている。奴らは殺し合わせてやる。暗い部屋に閉じ込め、水だけを与え続ける。飢えが究極に達した時、食料を得るためには隣人を殺せと囁いてやるのだ。切れ味の悪いのこぎりを渡す。そうすれば奴らは返り血をたくさん浴びながら、人をゴリ、ゴリと切り刻む感触を嫌というほど味合わうことになる。そして結局は食料など与えず、共食いをさせる。そして生き残った最後の一人を、私自らの手で殺してやる。

それに、奴は最後に「最初は罰ゲームだったけど、俺、いつの間にかお前のことを」なんて言っていた。さぞ気持ちよかっただろうな。偽善にまみれた一言を声高々にさけぶのはな。まるで自分だけは誠実であると倒錯しているんじゃあないか。人を騙した罪を忘れ、心変わりした自分を許そうとしてやがる。最低のオナニー野郎だ。反吐が出る。
そもそも、容姿を理由に他者を弄ぶなど豚の糞よりも劣る連中である。容姿などではなく、心の形で人間は決まるのだ。私から見て奇麗か腐っているか、それだけがこの世の唯一の指標たりうるのだ。

「パピ子のやつには悪いことしたかな...」

俺、最弱・病気男子・『腹』男は逡巡していた。罰ゲームで付き合ったパピ子だったが、いつの間にか情が沸いていたらしい。しかし、彼女に罰ゲームで付き合っていることがバレてしまい不当に傷つけてしまった。どうしよう。なんて謝ろうか。いや、謝る必要などないかもしれない。面倒だ。殺そう。もはや事ここに至っては、関係の修復も難しいだろう。嘘だ。修復する気など最初から微塵もない。俺に不利益な関係は全て無くなってしまえばいい。ぼんやりとだが確かにそう思う。俺は俺に不幸なことが降りかかるのは我慢できない。もしこの世に不幸の総量が決まっているのなら、それは全て他人の物であるべきだ。だから殺す。俺は俺の外聞の為に不必要なものを除く。ただそれだけ。俺が俺らしく生きるためにはしょうがないことなのだ。

しかし、どうやって殺してやろうか。そうだ。食べ物を与えずに暗い部屋に閉じ込めよう。水だけを与え続けて、飢えさせるんだ。そうして5日経った頃に豚の糞をあいつの上から降りかけてやる。あいつは飢えで豚の糞であろうとそれを必死に食べるだろう。俺はそれを見て笑う。嘘だ。俺はきっと笑わない。他者の惨めな姿を笑うなんて愚者のやることだ。俺は俺らしくある為にただ淡々と奴を殺せばいい。ただ、その殺し方は出来るだけ凄惨であるべきだ。なんというか、その方が、ほら、盛り上がるじゃないか。

学校一のモテ男である俺が、学校一のデブ女と付き合った結果...!?



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