2021/11/11

少し前のことだが、兄に子どもが産まれた。
これで俺は「おじさん」になってしまったわけだ。おじさんになれる日なんて人生で一度きりなのに俺は兄に子どもが産まれたその日に何をしていたかなんてこれっぽちも覚えちゃいない。多分、いつもと変わらず仕事して怒られて不貞腐れて会社のトイレで射精でもしてたと思う。

一人暮らしをしていると生活に連続性がありすぎると言うか、他者の介入がないので生活の全てが自らに起因する。ご飯を食べたら当然食器を洗わないといけないし、脱いだスーツは床の上にあり続ける。
兄は結婚して父親になったというのに俺は畳んだタオルを仕舞うこともしないし、白ゴマはいつまでたってもなくならない。
昨日、買ってきた弁当を机の上でひっくり返してしまって急いで床を拭いたが、拭いてる拍子に机にぶつかり水をこぼした。何があったって生活は続いていく。実家の犬は今年で10歳になるらしい。

東京に越してきてそろそろ2年が経とうとしているがやってること自体は地元にいた頃と何ら変わらない。東京に来た当初は千代田線で流れるマリオの雑学クイズにも物珍しく目を向けていたものだが今はそんな事もなくなってしまった。人の数とか街の明かりにもすっかり慣れてしまい、今では自宅の郵便受けを覗く時に自分の全てを変えてくれる何かが届いていやしないかと少しだけ期待して待ち続けるだけの日々だ。

しかし東京での日々も悪くないのも事実で、物価は高いけど人は優しいし大抵のものはあるしイベントも多い。人が多いから必然的にゲイとの出会いもあるだろうし、恋はどこでしたって手触りが変わることはないだろう。住むのも悪くないですよ、東京。

あ、一人暮らしの良いとこも見つけたので書いておきます。
真夜中に急に思い立ってコンビニとか行くのすごく楽しい。

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