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「優しいね」と言われた友人は

友人4人でランチをしていた時のこと。

パスタが無料で1.5倍にできる店だったから
友人の2人がそれを頼んでいた。
そのうちの1人がそろそろ食事が終わりそうな時に
もう1人の1.5倍を頼んだ友人に
「1.5倍って感じする?普通にペロリじゃない?」
と言った。
言われた友人のパスタはまだ半分くらい残っていて
パスタをフォークでいじりながら
「う~ん…う~ん…」と首を捻るばかりである。
首を捻る友人の答えを待っていたのだがなかなか言葉が出てこない。

そうしたら普通盛りを頼んだ友人が
「優しいね」と言った。

これはつまり
「1.5倍を頼んで、私は多かったけどもう1人の友人は足りなかったんだろうな。だから私が、結構量多かった、お腹いっぱいだよ、って言ったらなんか悪いかな。」
という本音を押し込んでいると解釈していると思われる。

でも、「う~ん…う~ん…」の友人の性格をよく知っている私は
この場合、優しいとは違う気がする、と思っていた。
するとやはり「う~ん…」の友人、
「多いかなぁ?どうかなぁってお腹の具合と合わせて考えてるだけだよ。」
と言っていた。


この「う~ん…」の友人、
私たちの間で癒し系、という事になっているのだが、
よくよく話せば、実はそんなこともなく、
ほかの3人がポンポンと思った事をすぐに口に出して言うため、
割と毒舌風な印象になってしまうのだ。実際毒舌なことも多々あるのだが。
「う~ん…」の友人は口に出す前に頭で考えている時間が長いため
口数が少なく、気遣いの言葉を考えている、
と解釈され、よって優しい人、という構図が出来上がる。
「う~ん…」の友人が考えた末の言葉を待てない他の3人なのだ。

なんか、「う~ん…」の友人、得な感じがしないか?

特別に誰かに、優しい人だなと思われたい時は
口数少なく、思慮深い感じを装ってみようかな
などと考えてみるが
多分、私には無理だと思う。

人の印象というのは受け取る側の人の中にそれぞれあるものだから
今回の事があった時に、
「優しいね」と思った友人もいれば
「はっきりしない人ね」と思う人もいれば
勝手に「パスタ多かったんだな」と思う人もいるかもしれない。

装ったところで、相手がこちらの思惑通りに解釈するわけじゃないのだから
今後もそのまんまの自分でいこうと思う。






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