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レビューRadio現場 vol.39『最期の夢を叶えるために』feat.前田和哉さん(10分くらいで読めます)


2022/07/09 ライブ配信第39回!は21時からのオンエア!
日本社会本当に大変ですけど、いかがお過ごしでしょうか?
全く疲れない&タメになる配信へようこそ!
選挙のことを呟くとフォロワーが減るらしいとは吉田さん情報。

ゲストは、“かなえるナース”の前田和哉さん!(以下、和哉さん)
吉田さんとは4年ぶりくらいのお久しぶり感。「お久しです〜」とオリジナリティあふれるご挨拶。

和哉さんと吉田さんが知り合ったきっかけは、吉田さんの家に入っている訪問看護のケアプロさん…の偉い人!
即ち、吉田さんがサービスを利用する側で、和哉さんがサービスを提供する側の人。
ケアプロさんといえば、かわむらしほさんの回にも話題になりましたね!
最近本を出したという和哉さん、満を持しての登場!

自己紹介。前田和哉さんは現在、“かなえるナース”というサービスをされている。
なんと、訪問看護を保険外でやっているとのこと。
普通の訪問看護ではできないことをされていて、そのかなえる望みとしては、
 お孫さんの結婚式に出たいとか、
 地元で死にたいから飛行機で連れてってくれ!とか、
 一泊だけ自宅に帰りたいから、ずっとそばにいてくれよ!とか。
電話一本叶えます。

かなえるナースさんが関わった結婚式の写真を見た吉田さん。「ドラマみたいな感じ」との評。

かなえるナースさんは、訪問看護と一応名乗ってはいるものの、名状し難きもの、らしい。
先ほど述べたとおり「保険外の訪問看護ですよ」で他の方々には通じる様子。

最近では、結婚式のプロデュースとかもしていて、事業形態がいよいよ訳わからないことになってきたという。
コロナ禍で式ができなくなっている今日この頃、式を延期してしまうと、命が尽きてしまう人がいる。それをなんとかしたい。
自宅のリビングで結婚式をしよう!と企画し、ドレス屋さんと交渉したり、お花屋さんと交渉したり、ヘアメイクさんと交渉したり…エトセトラ。医療介護と関係ない分野で他職種連携してきたという。9例くらいの新郎新婦さんに使ってもらった実績ありとのこと。
自宅での結婚式について「単純に家でやりたい!って人増えているかもしれないね」、と吉田さん。
 先日は「お母さんに見せたい」と、病室で挙式をされた方もいらしたという。
 他にも、「お孫さんの式を見たいから」と、披露宴に全部出た!というおじいちゃんもいらしたとか。
 配信時には、ガン末の新郎さんを全力バックアップするというプロジェクトに取り組まれていたそうです。

吉田さんが和哉さんの働いていた訪看のケアプロさんと初めて出会った時期に、そのケアプロさんの写真展があり、安田菜津紀さんが撮影した一枚に心を動かされたという。
ガン末の奥さんと旦那さんの微笑んだ写真を見て、言葉に詰まってしまったという吉田さん。

旅立つ人への一番のプレゼントって、実は思い出なのかもしれない。そこを確実に切り取ること。

森近さんからの質問>「和哉さんがナースになろうとしたきっかけとは?」に微笑みをたたえながら答える和哉さん。
第一印象、あんまりナースっぽくない雰囲気の和哉さんなのですが、元々お金とかに興味がなかったという。医療とか介護とか健康とか、その辺にしか興味を持てなかったと和哉さんはいう。
18歳・受験期の秋頃にお父さんが亡くなっている。
もっと良い医療従事者が多くいて、もっと医療の質が高ければ、もっと父は生きていられたかもしれない、というのが原動力、との自己分析。
お話し&おじいちゃん・おばあちゃん大好きなパーソナリティとも相まって、進路を看護に決めたそうです。
実はミュージシャン気質の和哉さん。
ボーカルとギターをされていて、音楽はずっと好きとのこと。イケボの和哉さん。

デジタルのメッセージで吉田さんと同じ水準で顔文字をいっぱい使う人・和哉さん。文末にハートをめちゃくちゃ付けるらしい。
実は元気の押し売りと言われているとのこと。かつてのベッキーじゃないですか。
なぜそうするかというと、メールの返信とはサービス精神の表れだと思っているからなのだそうです。

吉田さんがビジネス絡みでお付き合いしていきたい人は「ケチな感じがしない人」だという。
損得勘定の無い人、なのかも。
ケチな人と話すと、つまんないですものね。
ケチの真逆を征き、サービス精神旺盛にしてエネルギーダダ漏れな和哉さんである。

かなえるナースをスタートした理由について、放送時間21分頃からのご回答。
救急のICUに在籍して5年間働いてらした。
(2022/07/08 奈良県立医科大の話が出ていましたが、そうか、この頃に元総理の銃撃があったのか)
救急ではなかなか患者本意の医療を、とはいかなかったため、在宅医療を提供する訪問看護の道を進むことになったという。
しかし現在の訪問看護の制度では、1時間しか関われない・自宅にしか行けないといった「お楽しみ要素」が少ないという点に疑問を抱いてらした。

そんななか、和哉さんの義理のお母さんにガンが見つかり、お薬の内容からするとどうやら長くなさそうとの見立て。
その時にはまだ婚約もされてなかったそうですが、和哉さんが奥さんと結婚する際、義母さんと3人でフォトウェディングをされた。その経験が基になっているという。
看取りとか救命にはなかった「人生の生きがいや楽しみの要素」が未来に待ち構えているというシチュエーションに魅力を感じたのだという。
楽しみが待ち構えているって、とても素敵なこと。
マイナスにならないよう、ゼロを維持することではなく、終末期でもゼロを飛び越えて良いことがあるんだ!という事を叶えてあげたい、この体験を広めていきたい和哉さん。

入職中に独立への入念な準備をしていたのではなく、辞めるのが先だった和哉さん。2018年頃に会社を辞め、そこから会社を立ち上げたのだとか。
実は前職の在籍中にバーンアウトしていたとのこと。中間管理職として仕事の喜びを感じられなかったという思いに私、強く共感の意を表します。

ケアプロさんは、和哉さんが悩んでいた当時、職員の出入りが激しいフェイズであったとおっしゃる吉田さん。
落ち着いて看護や介護に当たる、というより、怒涛の変化に身を任せるような時期が、どんな組織にもあるという。そこを通過しないと次へ行けない。こういった状況は人にも組織にもあることなんだ、と。
勉強になります。

和哉さんの書いた書籍のご紹介『自分らしい最期を生きた人の9つの物語』

吉田さん曰く、お看取りの時期もそうだし、維持期にも言えることだけど、先に希望がないことをサービスとして提供するって、する側もされる側もしんどい。「生きてても楽しいことなんて何もないんだ!」と言われた時に返す言葉もございません、となってしまう。
介護の現場では、食事・排泄・入浴の「三大介護」で業務が手いっぱいということは儘ある訳ですし、「その人(利用者さん)が明日も生きていようと思えることってなんだろうか?」「自分が目の前のこの人たちと同じ状態で生きていたいと思えるだろうか?」とそんな問題意識が湧いてくる。正直、しんどい。

デイサービスという制限された空間でも実績を作れている森近さん。
保育園の子どもたちに紙を切って渡す“仕事”をやりがいにして、週2日通い、亡くなる前の日までそれをやりがいにしていた女性もいらしたというように、制限された中でもやりたいことをやれる事例はあるとのこと。

吉田さんは、毎年入院をするのだけれど、年々病棟で医療関係者と話をする機会が減っていると感じているという。
ここ数年、サービスの質の低下が顕著だと思っている和哉さん。
「優しくなれない」「そんな余裕がない」との言葉や態度。
看護は自己犠牲から、自分のことも大事にしようよ へのムーブメントが出てきている。システムを変えていかないと保たないかもしれないとの問題提起をされていました。

入院や入所って、人生の終盤2〜3年くらいにお世話になることがほとんどらしいのですが、その時のあんまりな病院なり施設なりでの扱われ方が、今までの生活圏でのそれとは180°違うので、面食らってしまうだろうと吉田さんより。確かにそのとおりだと思います。

かなえるナースみたいなサービスはビジネスとして成立しているのか?和哉さんは「運が良かったとしか言いようがない」とおっしゃる。
「計算とはほど遠い」「音楽に心動かされた人が計算づくで生きてる訳がない」と力説される。

これから追随しようとされている方々へ、保険と保険外ミックスでやる訪看がいいんじゃないか、とアドバイスを送る和哉さん。
スモールスタートすればできないことはない、と。やはり都会型のサービスじゃないかとも思っておられるそうで。柔道整復師と同じですね(私の弟が話していた)。
世の中、調べればなんぼでもスモールスタートできる!と和哉さん。

副業としてやってくれるスタッフを募集している和哉さんの会社。
介護職もウェルカム!同行者として。看護の補助としてのニーズ。本職でのモヤモヤをリフレッシュするとか、今のケアを見つめ直すきっかけとして利用して欲しいとのこと。

これからやりたいことは?というホストお二人からの問いかけに「最後に好きなもの食べたい!は やってみたい」と和哉さん。
最期飯だ!
 ベッドサイドで板前に握らせたりとか。
 最後にすき焼き食べたい!をテストケースで行ってみたところ、料理人さんはその時に得難い経験をしたらしい。

将来的にはキャンピングカーを誂えたい和哉さん。その中にフルサイズのベッドをドーン!と構えたいという。介護タクシーでの移動は4〜5時間乗れる代物ではない。正直、しんどい。ハイエースじゃ寝たきりの人にはとても耐えられないという。
吉田さん曰く、後部座席に独りで乗っていると何か不満が立ち起こっても、すぐに解決できない。生命力を削られるという。
介護車両は、キャンピングカーか、鳩バスがいいと和哉さん。オープンカーでGO!。

「帰らざる旅路なら気分よく帰りたい」と吉田さん。横たわっている人は、何よりも景色を見たいのだそうです。
故郷に錦を飾りたい思いの吉田さん。故郷に帰ってきて涙を流す姿をすぐ隣で見られるって、吉田さんの奥さんも相当喜んていたのではないですか?と和哉さん。
「伴侶が涙を流して喜んでいる姿を見られるなんて、最高の贅沢ですよ」

喜びに触れる機会が、看護と介護にもあってほしい。それがあるから人は生きていける のだと。

本のエピソードを。取材時に“誰も断らなかった”という。いい人に恵まれていると和哉さんは言う。

日本看護連盟の役員もされている和哉さん。参院選を前に とものうりお氏のご紹介があった。
※とものう氏は、2022年参院選にて当選。看護師と保健師と弁護士の資格を持ってらっしゃる。

悲しい事件があった直後のライブ配信。どんどん政治参加について、発信していこうと目論む吉田さん。誹謗中傷罵詈雑言だらけの世の中よりも、対話の進む住みよい世の中であってほしいのです。

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