見出し画像

『きんたま・精巣・睾丸』

女性のお気持ちがころころと変わることを、「女心と秋の空」というけれど、この感覚はある程度共通なものらしく、英語にも『A women's mind and winter wind will change often』ということわざが存在するし、こっちの方が季節感にあっている。
集合的無意識に感激。
そんなことわざが、ことわざとして成り立った太古から今まで、男たちは自身の稼ぎにぶら下がる女に悩まされ続けて来たのかと思うと悲しい気持ちにもなるが、しかしそんな言葉を紡ぐ遥か昔から、男は別のぶら下がる存在にも悩まされ続けて来た。

その悩みの種こそは、世界の人口80億人のうち半数の40億人が持っており、計80億個存在する子種の貯金箱こときんたまである。
ちなみに、きんたまについての話は、話しても話しても話し足りないことだらけなので、今後も定期的にひょっこりする。別に気温に関係なく。(こういう比喩も、きんたまのない女性にはイマイチ伝わらない?)
今日はその数あるきんたま談の中でも「そもそもきんたまってなんでぶら下がってるの?」というお話。

まず、きんたまとは、睾丸、または精巣であり、人間のそれは通常、陰嚢という袋に鎮座している。
この精巣は基本的に、どんな動物にも存在する(ウィップテールリザードみたいな、メスしかいない(カタツムリみたいな雌雄同体とかではなくほんとにメスしかいない)生物とかにはないかもしれない)。
精巣は、そこで作られる精子が生物にとって遺伝子のバトンを遺すために不可欠なこともあり、きんたまに衝撃が加わるとすごく痛い。
出産はきんたまが潰れる痛みだよ、といううんちくをよく耳にするけど、出産したことあるやつはきんたま潰れたことないんだから、口を開かないでほしい。

先述の通り、きんたまはどんな生物にもあるが、すべての生物が人間のようにぶらぶらさせてるわけではない。
水族館でも、きんたまをぶら下げながら泳いでるマンボウは残念ながら見ることはない。カップルの雰囲気を壊せそうで愉快なのに。
ちなみに、マンボウはぶっかけプレイの名手。メスが水草やサンゴに置いてった未受精卵に精子をふりかけて受精させる。汁男優みたいなもの。
この解説をカップルの近くでして、雰囲気を壊すんだ!

閑話休題。
では、ぶら下がっていない精巣はどこにあるのかというと、当然体内にある。人間でさえ、胎児の初期は陰嚢はない。
結局、きんたまに着目すると、生物は大きく以下の3つに大別できる。すなわち、①精巣が体内にあるグループ、②精巣が体外に出たグループ、③精巣が体外に出た後、再び体内に戻ったグループ、である。
哺乳類以外のほとんどの種は①に当てはまり、哺乳類が②と③に分かれた。ちなみに、ほとんどの種が②に当てはまり、③に当てはまるのはクジラやイルカなど。陸上から再び水中に戻るにあたり、水の抵抗が邪魔で退化したらしい。
陸でもきんたまがあるのは不便やし、退化してて欲しかった。さわさわしたら気持ちいいくらいの良さしかない。
しかし、「その不便を超える優位性があったから、今きんたまはぶら下がってるのだ!」という考えを採るのが進化生理学。

では、ぶら下がることの進化生理学的な知見からの意味はなんなのか。
結論としては、諸説あるし、諸説以外が答えかもしれない。つまりよく分かってない。
その諸説とは、①冷却仮説②ディスプレイ仮説③ハンディキャップ仮説④トレーニング仮説⑤ギャロッピング(全力疾走)仮説の5つ。

精子には、「体温より5℃-10°くらい低い環境で活発になる』という特性があり、そのために「身体の外に出して精子を冷やしてる」というのが①の仮説。これには、「なら身体の中で冷やせるように進化するはずで、順序が逆」という批判がある。

②と③はくじゃくの羽とかでも使われる説明で、「オスとしての魅力のアピール(②)」あるいは、「俺、こんなにでけえきんたまを持ってるのに生き残ってるぜ!強いだろ!(③)」という仮説。まちゃあきはきんたまがおっきい方なのに、褒められたことがないので、③は違うと声を大にして言いたい。

④は「きんたまは外に出てたら危ない」という前提に基づいていて、「そんなやべえ状況でも生き残れる強い精子だけを貯めて、中出ししようぜ!」という発想。その発想に至ったのなら、そのご先祖様はドSすぎる。末代をいじめないでほしい。

最後のなんだかかっこいい名前のギャロッピング仮説は、「あかん!お腹の中にきんたまがあったら、全力疾走の圧力で潰れてまう!」ってことらしい。なんで、外に出ても潰れてまうと思えなかったの?この説は、有袋類など一部の動物のきんたま袋は、ちん棒の前側についていて、その動物の運動を妨げないようになっているという事実にサポートされるらしい。
え、?カンガルーってちん棒ときんたまが逆なん?
フェラチオをするのは人間とボノボだけというけど、仮にカンガルーがフェラチオをしたら、めちゃめちゃ玉袋が鼻と目に当たる?

こんなふうに、きんたまは全然よく分からない。
今度から、気分をコロコロ変える全然よく分からない女には「お前、きんたまみたいだな」と言ってみよう。
そしたら、地球のきんたまがあと40億個増えちゃうか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?