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【麻雀】東天紅って?

東天紅とは関東三麻ともいわれ、三麻の聖地関西のルールとは大きく仕組みが異なる。
かつて東京赤坂にあった雀荘「東天紅」(むこうぶちの東空紅のモデルになった雀荘)が発祥とされ、他の地域でも「ガリ三麻」とか「バシバシ」などと呼ばれてもいる。
東天紅のルールとして最も特徴的なのは独特の点数計算だ。加点方式で符計算が無く、マンガンやハネマンといった点数の区切りもない。ドラや役など数えるものが多いので普通の麻雀と違ってアガリ時点で点数申告するのではなく、アガった者が役やドラを申告しながら点数分牌を抜いて数えて最終的に抜きドラと足して点数を申告する。また、アガリ点はロンなら1人分、ツモなら2人分貰えるので(通常の麻雀で使用する祝儀のように)ツモアガリがかなり得である。
また東天紅は萬子全てと北が抜きドラになるため、実質的に使用する牌の種類が少なくなり(24種96牌、四麻に比べ10種40牌も少ない)聴牌スピードがかなり早くおよそ捨て牌一段目が終わる頃には誰かしら聴牌しているほど。スピーディーな展開を好む打ち手向きのルールと言えるだろう。実際捨て牌1列目の決着も珍しくない。また、牌の種類が少ないということは1ツモ1打の価値が高いということでもある。初心者と上級者では時間あたり打てる局数が多いことも相まって実力差が如実に現れるルールだ。

○ルールと打ち方
普通の四人打ち、三人打ちは経験がある人にとってはまるで異次元のようにさえ感じられるこの麻雀だがしっかり楽しむために押さえておきたいポイントをまとめておく。

①一局精算
現在の麻雀は半荘や東風戦っといった区切りで順位ウマを込みにした精算を行うのがほとんどだが、東天紅はそういった区切りをせずに打ち続けるので点棒のリセットなどは基本行わない。(場合によっては点棒を使わない)局が独立しているので点棒状況が無くシンプルに打牌の判断をすることが可能である。スピーディーなゲーム展開もあって熱中すると時間を忘れてしまいがちだ。
中には半荘のようなゲームの区切りを用いるルールもある。自分の順位、他家の点差を考えながら打つとなるとさらに複雑になり普段の麻雀とは違ったスリルも味わえるだろう。


②ガリ(抜きドラ)
東天紅では萬子と北がガリになる。これもルール次第だが萬子は19萬のみの場合もあればそれに5萬を加えることもあり、華牌を入れたり萬子全てをガリにすることもある。ガリは通常1枚1点なので萬子の数が多いほど平均得点は上昇することになる。
ガリは原則手牌で使えない。(国士無双、四喜和など1萬9萬が無いと成立しない役満には使えるというルールも存在する)リンシャン牌をガリの枚数+4牌用意し、抜いた枚数分そこから補充していく。王牌は取り切りのルールが多いので海底ではガリが抜けないということもない。ただし、ポンや大ミンカンをした同巡には抜くことはできない。その巡に加カンやアンカンでリンシャン牌を引きにいけないのと同様の扱いということだ。
ガリは基本空気扱いとされ、ガリを抜いた巡の偶発役(一発、海底、嶺上開花、ダブルリーチ、天和、地和)は消えない。ただしガリ→リンシャン牌でツモアガリでも嶺上開花はつかない。嶺上開花が成立するのはカンで引いたリンシャン牌のみだ。
多くのガリを使用する東天紅においてはガリを1枚も使用しないアガリはボーナスがつく。ノーガリやカラスと呼ばれるが多くの場合通常のアガリ点より高得点に設定されているので自身がノーガリならガリを引く前に早いアガリを目指し、他家がノーガリならかわしに行ったりガリを引くまで凌いだりすることが肝要だ。
また、同種4牌のガリを揃えたときにもボーナスや祝儀がついたりする。アガリに5点加算だったり揃った時点で5点オールだったりと様々だ。

③親
東天紅は上がった者が次局の親になるアガリ親のルールが多く採用されている。
親のアガリは子の1.5倍とはならず、「オヤ」という役の点数が加算される。子にツモられても多く払うことはないため親のデメリットは無い。連荘に特典があるルールも多い(積み棒が親だけつく、後述する懸賞場など)のでアガリの手数が勝敗を左右する。


④リーチ
通常の麻雀と同様にリーチはあるが、ツモ有利で押し得のルールにつきリーチは強めだ。
フリテンリーチやリーチ後の見逃しを禁止にするルールも多い。この場合超良形テンパイならあえてリーチせずに見逃しツモを狙うのも手だ。
供託リーチ棒は不要のルールもある。


⑤流局
東天紅は王牌を使用せずドラ表時牌のとなりまでツモり切りが一般的である。流局しにくいルールなのでノーテン罰符は高めに設定されることも多い。その場合は終盤のテンパイ取りの価値がかなり高くなり、振り込んだ方が罰符より安いこともあり得る。アガリ親の場合ノーテンでも親継続のルールであれば積み棒次第では流局間際は親権維持のため降りた方が得になる。
流し役満ありのルールの場合捨て牌3段目になったら意識したほうがいい。流しをしている側はメンツを崩してでも続ける価値はある。3枚ツモる必要があるくらいのラインがボーダーだろう。逆に流しをされている側は差し込みや無理鳴きしてでも阻止しなければならない。

○点数の数え方
東天紅は通常の役やドラの他に、アガリに対して付く点数がいくつかある。
「バンバン 2点」全てのアガリに必ず付く。
「メンゼン 1点」メンゼンアガリで必ず付く。
「オヤ 1点」オヤでアガると付く。
「積み棒 一本につき1点」連荘しているオヤのアガリにつく。
「アンカン 4点」「ミンカン 2点」カンをしていると付く。
これにドラなどを加えると数えるのは煩雑になりがちである。そのため東天紅では予め数えておいてアガリと同時に点数申告という形ではなく、アガったら役やドラを申告しながら点数分の牌を抜いてガリに足し、合計の枚数を数えるという形で申告する。こうすることで同卓者全員が点数を確認できる。


例: 南家 ドラ西
②②③③④④⑥⑦23466 ツモ⑧ ガリ一一九北
ツモ(1)ピンフ(1)タンヤオ(1)イーペーコー(1)
メンゼン(1)バンバン(2)の7点にガリ4枚の4点を加えた11点オールがアガリ点
実際にやると特に複雑な計算も必要としないので慣れるまでに時間はかからないだろう。


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