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花羽音に係る和久井優さんの美についての随筆

これからの続き。

そして、和久井さんの美がハンパなかった。
手が届くほどの距離で美を体験し、変に考えこんでしまい、なんとか和久井さんの言語化困難な美を表現したい目標ができた。夜の部はラッキーで前の真ん前でじっと見た。慣れたもんだ。観察とか考察しながらも見た成果を雑多に書き記す。


立ち姿が画になる。
センターマイクに立って詩を読み、暗転した時の姿。薄い暗闇に立つ姿が、筆舌に尽くしがたい、ため息の出る美しさだった。
この『筆舌に尽くしがたい』を、言語化してみよう。

黒いワンピースで、舞台裏の窓の光でほのかに輪郭が浮かび上がっている。外ハネのボブくらいのさらさらの髪と花かんざしの輪郭。柔らかくたたずみ、顔は物憂げで、まぶたは開いているのか閉まっているのか。口を一文字にしめていた。

ほぼ輪郭だけの和久井さんに、ため息がでて、ゾッとした。和久井さんはお芝居になると空気ごと変わると私は感じている。空気がそうさせてるのだろうか、ゾッとするほど美しいの言葉そのものだった。身体の中心から寒気が上ってきて、勝手に息を吸った。生気が感じられなかったのだろうか。人間じゃない役だったから。和久井優さんの美の突破口は、容姿とともに空気を語るべきなのかもしれない。考えみよう。

空気を語るってなんだ。
わからないからとりあえず、観察して気がついたことを考えてみる。


観察して気がついたのは、和久井さんは基本的に可愛らしいお顔であること。
私はカッコいい、キリッとした精悍に近いイメージがずっとあった。女性の平均身長より高めなすらっとした立ち姿もカッコよくさせているのかもしれない。ショートカット時代に(2022年。アレンジがあんまできないという理由でわりと早々にウイッグをつけられていた記憶がある。)、メイクを落としたあとのビショビショのお顔がイケメンすぎて涼本あきほさんにせがまれ写真を撮らせてあげたくらいのカッコよさは確かに感じる。浅倉透の和久井さんしか知らない頃はそうだった。しかしよく見ると、基本的なベースは可愛いなんだと発見がある。



顔の輪郭は正面から見ると(角度によってかなり違うのが、不思議だ。万華鏡か)、わりと優しく弓なりで弧を描いているやわらかい印象。本能的に人は丸いモノを可愛いと思う。目をデカくするのもそういう意図があるってどっかで見た。アイドリング状態のアルカイックスマイルは、口角があがって形のいい唇とでWになる。わんこやパンダみたいになる。可愛い。わかるか?

目もある。細く伸びる眉とセットで凜々しい印象の目。笑うと目尻が少し下がる。マジかよ。ほおがあがって涙袋が押され、目が少し細くなり、伴って目尻が下がるってわけか? 笑うだけでギャップが生まれる。目だけでだよ? ギャップってのは人を虜にする重要なファクターだ。笑うたびにギャップが生まれているってことは、これ以上無いほどの魅力のマシンガン兵器ってことになる。ランボーも真っ青だ。ランボーは見たことない。瞳もキラッキラしてるし、アニメなのか。ハイライトが入ってる。暗闇でもわずかな光源を集めて光る。

鼻もいい。鼻筋がすっと伸びてて、鼻柱がやわらかく丸い。このお鼻が可愛さの要因であるといってもいいかもしれない。いいます。凛々しい印象を与えるパーツにお鼻が飛び込んで可愛さを引き立ててくる。どうなっても柔らかさを引き出してくる。どことなく幼さを感じるのもこのおかげかもしれない。お鼻のそばにあるほくろもチャームポイントだ。最近はほぼ出されていないが、出すとカワよく素朴さもでて和風のパロメーターがあがる。しまうと大人感やシュッとした印象になる。出し入れすることで印象を操作できる。マスメディアだったら非難の的だが和久井優さんだ。なら話は別で、やればやるほど大衆は振り回されて、入れ替わる印象の渦になすすべもなく絡め取られ、気がつけば数少ない和久井優さんのXのポストにリプする1人なる。お知らせありがとうございます! よかったです! ホントにそうだ。伝えられるときに伝えたほうがいい。吉井和哉も言っていた。たぶん。恐れ入ります。


立ち姿や所作もその範疇に入ってくる。背が高めなので、立ってるだけで画になる。"だけで"と言うが、ピンと伸びている姿勢の良さも手助けしている。首から肩にかけてのライン。まとまっている身体のシルエット。どこにいても見つけられる。惹きつけられる。いる。俳優としても多数活躍されているから、どう立てばどう見えるかも考えてらっしゃるのかもしれない。

所作も、それが常日頃の普通であるかのように、優雅さに準ずる、視線で無意識に追ってしまう身のこなしをされる。軽やかといえばいいのか。サラサラ落ちる砂を眺める気持ちよさに似てる。なめらかってことか。


まとめるとすれば、弓なりの輪郭のやわらかさ、綺麗に上がる口角の素晴らしさに白い歯、ギャップをつねに生み出している目、清涼感のある笑顔。それがお鼻があることで可愛らしさに寄る。

これらをたずさえた和久井さんのお顔や動き所作から、役になると、パロメーターの値が可愛さから別の要素へと一気に割り振られる。雰囲気がかわる。空気がかわる。そう感じさせられる。表情筋の作り方にもあるのだろうが、目の動きやセリフの感情の込め方が空気を感じさせる要因として大きいのではないか。カッコよくも可愛くも”頼りになる”にもなる。

コイツ怒ってんなーって日常で思うシーンで、目や声のトーン、動きの強弱、そいつが表現する情報を総合的に汲み取ってると思う。そういう生理的なクセを総称して雰囲気とか空気と、私は言ってるのかもしれない。

ベースにある可愛さとお顔や所作、清涼さがお芝居によって変化して別のものになるのを雰囲気が変わるって言ってるのか。
それが美に連なっているってわけか。


エウレカッーーーーー!!!


いや、これは、

ワクレカッーーーーーー!!!





そして戻る。




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